ムンバイにも、バンガロールのOWCのように、外国人女性のためのグループがあると聞いていた。昨日、インターネットで情報を調べたところ、Mumbai Connexionというサイトを見つけた。OWC同様、定期的にCoffee Morningを行っているほか、慈善活動や趣味の会、その他さまざまな活動を行っているようである。
加えてAWC (American Women's Club)というのも見つけた。米国市民である女性はもちろん、他国籍の女性も「準会員」として入会できるらしい。Mumbai Connexionsともつながりがあるようで、ともあれ、情報収集の意味も含めて、双方のクラブに入会依頼のメールを送った。
どちらからも、数時間後に連絡が届いた。Mumbai Connexionsの方は、
「明日、**さん宅で月に2回のCoffee Morningが行われますので、ぜひご参加ください。来られない場合は、次回の会合をお知らせしますから、ご連絡ください。お目にかかれることを楽しみにしています」との案内が届いた。
バンガロールのOWCは毎週木曜日、The Leela Palaceのラウンジで開かれるが、Mumbai Connexionsの場合、会員がヴォランティアでホストになり、隔週水曜日の朝、開かれるようである。台所で酒を煽りつつ過去を思って黄昏れている場合ではない。早速出かけることにした。
車に乗り、Worli地区を目指して北上する。約45分後、プールやジムが完備した真新しい高層アパートメントビルディングに到着。昨日メールを送ってくれた英国人女性が、笑顔で出迎えてくれた。用意していたパスポートのコピーや、ホームページからダウンロードしておいた申込書などを渡す。
居合わせた何人かのメンバーを、まずは紹介してもらい、自己紹介をし合う。
窓の外には、建築中のビルディングが数棟眺められる。
部屋の一画では、工芸品の販売なども行われている。
ダイニングテーブルの上にはホストの女性が焼いたというチーズケーキやフルーツケーキ、クッキーなどがおいしそうに並んでいる。
夫の赴任に伴い英国から来た人が数名、それからスイス人、メキシコ人、米国人、インド人(NRI)など、1時間半ほどの間にも、異なる国々から訪れた女性たちと言葉を交わし、ムンバイの生活ぶりなどを聞く。
わたしの場合、
「あなたはどこから来たの?」
「いつインドに来たの?」
との質問に答えるのが、最近、少々面倒になってきた。
「わたしは日本人だけれど、だいぶ前に日本を離れてしばらく米国に住んでいて、そこでインド人であるところの夫と出会って、2年半前にバンガロールに移住して、けれど数カ月前に夫がムンバイに働き始めたので、ムンバイにも住むようになり、今は二都市を行き来する生活です」
尤も、そういうややこしいバックグラウンドを持つ人は、このような場には少なくなく、お互いよほど注意を払って人の話を聞いていなければ、何がなんだかわからなくなる。
今日の会合で印象に残ったのは、在印42年だという米国人女性。インド人の夫とは、カリフォルニアのバークレー大学で出会って結婚、以来ムンバイに暮らしているのだという。
現在カリフォルニア在住だが、休暇のためムンバイに滞在しているというお嬢さんと一緒だった。二人とも、とてもやさしく親切で、ムンバイ生活初心者への気遣いを見せてくれる。話していてとても楽しかった。
彼女たちから、インド人と結婚した外国人女性のグループがあることも教わった。また、INDUSと呼ばれるカルチャーグループの存在も教わり、たまたま来ていたスタッフの一人に資料をもらうこともできた。
INDUSでは、音楽や芸術、演劇、読書会、料理、手芸、哲学と宗教、歴史と文化、慈善活動といったさまざまなテーマでの集いが毎週のように開かれており、自分の好きなイヴェントや勉強会に参加できる。興味深いテーマもあれこれとあり、早速入会することにした。
さらには、Mumbai Connexionsが発行している月刊の会報誌や、ムンバイ生活ガイドブックを購入する。
このガイドブック。かなりの情報量で、相当に便利。
これ一冊で、ムンバイ暮らしがかなり豊かになると思われる。
これらの資料を得られただけでも、今日は相当の収穫であった。
OWC同様、どれほど会合へ頻繁に顔を出せるかわからないが、それでもネットワークを持っておくのはいいことである。
私生活を豊かにするだけでなく、仕事の面でも必ず役に立つこともあるはずだ。
ところでムンバイにもバンガロール同様、日本人会があり、やはり「桜会」という日本人女性のためのグループがある。実は数カ月前、桜会のホームページを通して、日本人会入会のための方法を尋ねたことがあった。
最初のメールで「現在、バンガロールとムンバイの二重生活をしている」と記したところ、ムンバイに住んでいるならムンバイ日本人会に入会できるが、バンガロールに住んでいるならバンガロール日本人会に入会されてはどうかとの返信が届いた。
バンガロールの日本人会にはすでに加入しているが、ムンバイとの二重生活が始まり、月の約半分はムンバイで生活しているので、双方にネットワークを持てればと思い連絡した次第だとの旨、返信した。
すると、ニ重加入が可能かどうかはムンバイ日本人会会則を確認する必要があるので、バンガロールの日本人会会長や理事からムンバイ日本人会会長の連絡先を確認して直接ご連絡をするように、との返答であった。
ややこしっ!
こういうことを書くと無駄に敵を作ることになるかもしれず、不快に思う人もあろうかと思って書かずにいたが、書かずにはいられなくなってしまった。
今回、Mumbai Connextionsにせよ、AWCにせよ、最初のメールで「バンガロールとムンバイに住んでいる」との旨を記していたが、そのことを問題視するコメントは当然なく、
「ようこそムンバイへ!」
「お会いできるのを楽しみにしています!」
という歓迎の反応であった。
だからこそ、先のメールでの「歓迎されなさっぷり」がより鮮やかに思い出されてしまった。更には、こちらはフルネームに加え連絡先を明かしているのだが、届いたのは無記名。だからこそ、ここに書くことへの抵抗も少なくてすんだのだが。
会を運営するには、いろいろ事情があるだろう。守るべき会則もあるだろう。しかし、「それにしたって」と思うのだ。だれも入会金を踏み倒すなどと言っているわけでもないのに。
もしもわたしが、インド人と結婚したものの、たとえばインド家族と同居して、日頃、慣れない生活に辛い思いをしている弱気で引っ込み思案な日本人女性だったら、なにやら気の毒ではないか。
幸いわたしはそうではないので、まったく気の毒ではないけれど。
異国に暮らす日本人なら、犯罪者でもない限り、誰でも気軽に入会できる会であってはいけないのだろうか。いけないのだろうね。
外国人ですら準会員として入会させてくれるAWC。あまりにも対照的すぎる。こういう点においてはしかし、わたしは米国の演技的なまでに「ウェルカムな対応」「オープンハートな姿勢」が、断然、力一杯、好きだ。なにはともあれ、ハッピーそうではないか。
ちなみに日本人会に関しては、わざわざバンガロールの会長や理事長に連絡をして、ムンバイの会長の連絡先を尋ねて、さらには二重入会の許可を得てまでして入会させていただかなくても結構です。との思いから、それきりだ。
ともあれ本日、新たな出会いの扉が開き、とてもうれしかった。この街を、自分の暮らす街らしくしていけるように、少しずつ動いていこうと思う。
■MUMBAI CONNEXIONS
■AWC (American Women's Club of Bombay)
■INDUS INTERNATIONAL