バンガロールに戻って来た。いろいろな、日常の不都合はあふれているが、しかし、こうして心地よいところにのみ目を向けるひとときの心はまさに、極楽気分である。
この、世間から隔離されたわたしたちの庭。小さな楽園。
ところで、おつまみのスナックが気になる方もあろうから、説明しておこう。
右写真がそれである。
以前も何度か紹介したが、インドスナックのひとつで、これはひよこ豆を潰したもの。
かなりスパイシーではあるが、ビールとよく合うのだ。
日本の柿ピーやおかき、せんべい(塩味系)が好きなわたしではあるが、もちろんそのようなものは簡単に手に入らないので、インドスナックを味わうのである。慣れると、かなり癖になる味である。
本日、日本の終戦記念日であり、インドの独立記念日である。1947年の独立から61年だ。
今朝は5時半起床。7時からのFM熊本のラジオ収録(電話)を終えて、8時にはムンバイ宅を出た。祝日につき、金曜日ながら夫も休み。ともにバンガロールで連休を過ごす。
いつもは軽く1時間半はかかる空港までの道のりも、渋滞はなく、1時間足らずで到着。にもかかわらず、予定していた10時半発の便は1時間以上も遅れるという。
幸い、その前の便も出発が遅れているとういうことで、そちらに変更してもらうことにした。
しかし、そこはインド。
少々の無理は比較的、通してくれるのである。
こうして飛行機は、さらに出発が遅れるのである。
独立記念日とあって、カウンターには国旗が飾られ、搭乗客へ向けてインドの菓子も置かれている。
若干追加料金がかかったが、早めの便の搭乗券を得ることができ、大急ぎてセキュリティチェックを通過し、飛行機に乗り込む。相変わらず機内ではしっかりと機内食が出て、相変わらずしっかりと平らげてしまい、それがランチ代わりだ。
正午前にはバンガロール空港に到着した。帰り道、近所のモスクロード沿いにあるSPENCER'Sや@FRESHで食料品の買い出し。食料の在庫や日用品、ムンバイ宅とバンガロール宅、どちらになにがあったかを思い出せず、若干余計目に買ってしまう。
当たり前だが、二重生活とは、なかなかに面倒ではある。
突然だが、上の写真は、昨日のムンバイ、ワールドトレードセンターである。富裕層を読者対象とした"SOCIETY"というライフスタイル誌がある。その雑誌が主催する、今日はインド工芸品のエキシビションが開かれていた。
なにやら数日おきに、エキシビションを訪れている昨今。最近はこのような工芸品関係ばかりが続いているが、家電や工業製品関係のエキシビションなど行われている。食料品の買い物のついでに市場調査ができるというのは、実に恵まれた環境だと改めて思う。
ムンバイとバンガロールの暮らしは、それぞれに個性がある。それぞれの「魅力」の部分を抽出し、糧にしながら生活をしていけるよう、努力したいものだ。いろいろあるけど。
●やっぱり、自分で料理を作れることが幸せ
旧家政夫モハンに1年以上台所を任せっきりだったことが、自分が思っていた以上に実は精神的に負担になっていたことを、彼がいなくなって痛感した。
確かに家事炊事すべてをやってもらうのは助かるが、しかし自分でやりたいこともある。アイロンかけや洗濯や、拭き掃除は、別にしなくてもいいのだが、台所仕事は好きなのだ。
旧家政夫モハンがいた時代の、彼を巡っての夫婦喧嘩がいかに多かったかを、今になってしみじみと思い返す。他人と四六時中ともに生活していくこと。その事態に、あまりにも慣れていなかった。
彼はいまごろ、自らのテリトリーであるニューデリーのどこかの家庭で、おいしい料理を作っていることだろう。ともあれ、何事も、経験である。
さて、久しぶりのバンガロール宅。雨が多いとはいえ、ムンバイに比べると風は軽く、心も軽い。昼間からビールをあけ、その後ワインを飲み、夕方にはすでに酔っぱらいである。料理はミニマムにすませたい。
いつも肉類は、バンガロールで最もまともな精肉店、BAMBURIESでまとめ買いをするのだが、在庫がない。とりあえず今夜のためにとSPENCER'Sの地味な精肉コーナーでマトンを買っておいたのだった。
日によってクオリティが異なるが、今日は骨付きマトンが非常に新鮮であった。ちょうど店の兄さんがさばいているところであった。
新鮮なマトンは、余計な味付けをせずにグリルするのが一番。
余分な脂肪や筋のあたりを除去し、さっと水洗いして水を切ったあと、オリーヴオイルと塩こしょうでマリネする。手でしっかりと揉み込むのがポイント。
あとは、インゲンをゆでる。トマトをスライスして軽く塩こしょうしたあと、やはり手で揉んで味をなじませて冷蔵庫へ。このうえなく簡単な料理である。なにしろ使っている調味料は塩こしょう、オリーヴオイルだけである。
我が料理の決め手は「手で揉み込む」ことか。肉にしろ、野菜にしろ、塩こしょうなどで調理した後、手で混ぜ合わせると、箸やスプーンなどであえるよりもずっと、味が素材に染み込む感じがするのだ。
マトンはオーヴンでグリル、するのは面倒なので、フライパンで焼く。表面に焦げ目がつく感じがよい。仕上がりに、さっとレモンを搾るもいいだろう。搾らなかったけど。
独立記念日の今日、国旗の色に合わせてトリコロールな彩りの夕餉である。
マトンは予想通り、かなり質がよかった。そりゃあ、ニュージーランド産のラムチョップなどと比べれば味は劣るが、平時の食卓には十分である。今日も美味なる一日であった。
●メールを受け付けていないわけでは、なかったのです
ジャンクメール対策のため、公表しているメールアドレスの整理を行っていた先週。
このサイトの右側に、「コメントはこちらへ」と項目を設けているのだが、そこをクリックしてもメールアドレスは現れず、Yahoo Japanのリンクとなっていた。ということに、「インド発、世界2008」を開始して8カ月ほども過ぎた今になって気づいた。
そういえば、最近、読者数は増えている一方、見知らぬ方からのメールが減ったな、と思っていたところだった。情報提供依頼を拒否しているからだろうか、とも思っていたが、単にメールが送れなかったということのようだ。失礼しました。
熱心な方は、ホームページをたどり、そこからメールアドレスを見つけて送ってくれていたようである。
このブログには、思うところあってコメント欄もトラックバック欄も設けていない。一方的にわたしが綴るばかりのサイトである。だからといって、感想や意見を拒絶しているわけではなく、メールが届けばうれしく拝見している。
インターネット上に表現の場を見つけて以来、8年の歳月が流れた。この8年間、ホームページやブログを通じて得たものはまた、数えきれない。
その中には有り難き、人々との出会いもあった。
そんなわけで、コメント欄がないとはいえ、他者の介入を拒否しているわけでも、人の意見に耳を傾けようとしていないわけでもありません。お気づきの点があれば、どうぞメールにてお知らせください。