長いと思っていた2週間の日本滞在も、いよいよ終盤である。本日未明、夫はつつがなくムンバイ宅に到着したようだ。
「福岡空港で、カステラを買ったよ! おいしかったから、美穂も買って来て」
とのことである。つくづく日本の食べ物が好きな男である。
午後、天神へと赴き、書店などを散策した後、新しくできたLoftへ。毎年ニューヨークで調達している来年のジャーナル(スケジュールノート)を探すためだ。
日本製にも、あれこれといいものはあるが、なにかしら、過剰すぎる。ページごとに偉人の教訓とかことわざとかまめ知識みたいなものが記されているのが、いや。シンプルで書きやすく、使いやすいと思われるものがなかなか見つからない。
結局は、今年も使ったMOLESKINEのジャーナルが輸入販売されていたので、同じデザインの赤いノートを購入した。
一年の終わりに新品のジャーナルを買うと、新しい年を迎えるのだという気分にさせられる。まっさらなノートに文字を書き入れるときの、ささやかな緊張感がよい。
さて、買い物を終えて3時過ぎ、再びRKBラジオへとタクシーを飛ばす。
今回は中西一清さんの番組ではなく、林田スマさんの番組でインタヴューされる。
毎週日曜日の朝、放送されている「林田スマのハートフルトーク」という番組だ。
わたし自身の簡単なプロフィールや国際結婚のこと、インドのことなどをお話しする。
今回はいつもに比べて長めで。10分以上はあるようだ。
放送されるのは多分年明けとなるらしいので、日時などはわかり次第、また改めてここにお伝えしたいと思う。
収録の後は、先日お会いした際、「一緒に飲みましょう!」とお約束していたパーソナリティの中西さんと、ディレクターの実藤さん、プロデューサーの永田さんと4人で、夕食へ。
場所は、長浜にある魚市場に隣接するところの「鮮魚市場会館」1階にある「おきよ」という店。わたしは初めて訪れる場所だ。
卓上に鍋に昆布出汁の準備がされているものの、食材は出されておらず、いったい何の鍋だかわからない。
「あなたが今まで食べたことのない鍋ですよ」
と中西さん。なんだろう。まったく想像がつかない。まずは鍋の前にビールで乾杯し、出された前菜を堪能す。中でも「鯨関係」がおいしかった!
ビフテキならぬ「鯨(ゲイ)テキ」をはじめ、鯨のさまざまな部位の刺身を味わう。どれも独特の味わいで、うまい! グリーンピースやシーシェパードも、ここまでは攻撃してこれまい。ふふふ。
そして登場した鍋。なんと、鯖(サバ)のしゃぶしゃぶである。このような料理が存在するとは!
古く米国時代からの読者の方はご記憶かもしれぬが、わたしは幼少のみぎりより「サバ好き」である。かつて福岡では、安価で美味なサバが入手できたものだ。超新鮮なサバの刺身を醤油やごまで和えた「ごまサバ」などは、大好物であった。
もちろん、サバの煮付け、サバの塩焼きも大好きで、ごはんが進んだものである。
しかし時を経て、今やサバも値上がりしてしまったようである。それよりなにより、インドで新鮮なサバなど食べられぬ。そんな状況下、こんなに新鮮なサバを「しゃぶしゃぶ」で味わえるとはたまらんね。
妻の影響を受け、やはりサバ好きのマイハニー(夫)にもぜひ食べさせたかった。
中西さん、鍋奉行(初使用言語)を買って出てくれ、わたしはひたすらしゃべり、そして食べる。
みなさん、インドの話をとても関心を持って聞いてくださることが、とてもうれしい。話題があちこちに飛びながらも、話のネタが尽きないインドである。
とはいえ、今回の滞在中、誰に何を話したのかわからなくなってしまっている。日本酒も回った途中からは、初日の訪問時と同じ話題を話していると自覚しながらも、止められない。ときに同じ話題を織り交ぜつつも、力説の勢い衰えず。
さて、すっかり酔いが回ったのちの、でこっぱちテカテカ状態で写真撮影。顔がまともな最初なうちに、きちんと撮影してもらっておくのだったと悔やみつつも、今夜の記念に。
左写真の、わたしの左側が永田さん、そして右が実藤さん。わたしが手にしているのは、ひとりで飲み干してしまった日本酒。右写真が中西さんとわたし。
ちなみに中西さんは下関のヒコットランド(彦島)出身で、わたしは下関の梅光女学院大学出身というところで、話が沸いた。男子校出身の若かりし中西さんにとって、梅光の女学生は「憧れの存在」だったとのこと。尤もわたしと中西さんの世代は違うけれど。
加えて、わたしたちには大いなる共通点があることが発覚す。
二人とも「乙女座のB型」であった。
そんなわけで、たいへん親近感を覚えさせていただいた夜。本当に楽しい宴であった。感謝!