ムンバイだけでなく、バンガロールでも、いちごが旬だ。果物の屋台で、今日も数箱、買い求めた。著しく不揃いだけれど、それはそれで、いいものだ。小さいいちごが、大きないちごと並んだときの、何ともいえぬ愛らしさ。
明日のチャリティ・ティーパーティのための菓子は、いちごのタルトにしようと思う。しかし、少し酸味が強いので、砂糖と一緒に軽く煮込んで、ムンバイで作ったジャムよりは少し軽い、シロップ煮のようにしようと思う。
新鮮な生クリームを添えれば、まろやかな味になるだろう。
形の悪いいちごはまとめて、明日の朝、ジュースにしよう。
ティーパーティを口実に、菓子を焼くひとときの、一人静かに、夜のキッチン。
粉やバターや砂糖や卵、捏ねたり伸したり、そして焼いたり。タルト生地の焼ける香ばしい匂いや、レモンソースの爽やかな香りや、いちごが煮詰まるかわいらしい香りに包まれながら、一人静かに。
さて、2002年に出版された『わたしたち海外で働いてます』(学研)の中で、わたしのことが紹介された記事をスキャンしました。写真をクリックすると、大きな写真がでてきます。
この本には、世界各国で働く20代から30代の日本人女性たち20名のエピソードが綴られています。そのうちの一人として、当時ニューヨークで仕事をしていたわたしのことを、14ページにわたって紹介していただきました。
取材してくださったのは、当時、ライターでありフォトジャーナリストだった春日真由美さん。ニューヨークで出会った、唯一の、同じ大学(梅光女学院大学)の卒業生です。
彼女の方が先輩で、同じ時期には在籍していなかったのですが、大学を卒業して以来、偶然に同窓生に巡り会うことなどなかったので、お互い猛烈に驚いて、大騒ぎでした。
その真由美さんが、わたしの子供時代からニューヨークで仕事を軌道に乗せるまでの経緯を、じっくりと取材してくださり、非常に的確に、客観的に、そして好意的に、文章にしてくださいました。