昨日に引き続き、今日はAWC (American Women's Club) のコーヒーモーニングに参加。
ムンバイにある外国人女性向けの組織、Mumbai ConnexionsとAWC、いずれも隔週でコーヒーモーニングという集いを開いており、つまり毎週水曜日は何らかの会合があるのだが、最近の駐在員はみなムンバイ北部郊外在住とあって、開催場所はほとんどその地域。
わが家からは車で1時間半と遠く、なかなか出かける機会がない。
一方、INDUSは幸い、古くからのクラブで、インド人女性たちのメンバーが大半であることから南ムンバイで開催されるため、わたしは頻繁に参加することができる。
今日は、開催場所がさほど遠くないWORLIだったこともあり、久しぶりにAWCのコーヒーモーニングに参加したのだった。開催場所は、ムンバイ近郊、ナシクにあるワイナリー "Indage" (←文字をクリック)が経営するレストラン。
思っていたよりも品揃えが多く、飲んだことのないワインもたくさん並んでいる。
インドワインもどんどんと、クオリティが上がっている(多分)のだなと、うれしくなる思いだ。
さて、いつもなら多分数十人は集まる会合だが、今日は参加者が十名あまり。
それもみな、コラバやナリマンポイント、カフパレードなど、南ムンバイ在住の女性が大半。
しかも半分以上が、インド人の伴侶を持つ、アメリカ人女性である。みな、身ぎれいで美しい。
隣に座っていた女性に、何年ムンバイに住んでいるのかと尋ねたところ、
「53年になるわ……」
とのこと。53年。
彼女を含め、ほとんどの印米カップルは大学時代に出会ったのだという。すでに伴侶を亡くし、子供は米国に渡り、しかし自分はムンバイに残っている。母国の肉親も、ほとんど他界してしまったという。
わたしは、彼女たちの年頃になったとき、いったいどこでどんな風に暮らしているのだろう……と束の間、感傷的に思いを馳せてみるが、彼女らの元気のよいおしゃべりに圧倒されて感傷どころではない。
年齢を感じさせない、元気のよさ。わたしは言葉を挟む余地なく、相づちを打って、専ら聞き役である。
コーヒーモーニングのあと、更に北へと車を走らせる。久しぶりにジュフのJWマリオットへ赴き、ユカコさんとジェイク君と一緒にランチである。
彼女たちとはしばしば会っているようで、しかし去年のクリスマス以来だ。ジェイク君も先月下旬に1歳となり、じゃんじゃん歩いている。
インドで「免疫力の強い子」に育っている彼。頼もしい限りだ。
それにしても、車を購入してよかったと、しみじみ思う。乗り心地はよいし、きれいだし、本当に快適だ。
ドライヴァーも今のところ、非常によくやってくれている。道に詳しいし、安全運転。英語もわかるし、ホーンは最低限の使用だしで、思った以上に、よい。このまま好調に突き進んでほしいものである。
米国時代の、自分で運転していたころが、思い返される。茫漠の大地に横たわるハイウェイをひたすら走った日々が懐かしい。
自分で車を運転する。
ということは、便利である云々を超えての、自分の存在感に付加を与えてくれるものである。自分一人でも、自由に遠くまでゆける。その事実の、爽快感。
こういう発想は、今となっては「反エコロジー」なのかもしれないが。
たとえばインド移住前の数カ月を暮らしたカリフォルニアで。
猛烈にさまざまを逡巡していたころ、あてもなく、ひたすらに、ハイウェイを飛ばした。
どっしりとした大陸に抱かれながら走る、絶対的なひとりの感覚。
ありふれていて、しかしかけがえのないひとときだった。
「プチ家出」をして、郊外のホテルに一人で泊まった夜。
一人の夕食の、遣る瀬なくも、心静かにひととき。
***
なにもかもが、走る車窓に流れ流れて、走馬灯のごとく光景。