インド移住3年目。ムンバイ生活開始1年目にしてようやく出会ったダッバワラー (dabbawala)。これまで映像で見たり、記事を読んだりしてきたが、自分の目で見たことはなかったので、遭遇できて非常にうれしい。
普段であれば、たいていの人がカメラを持っているわたしに気づくので、「撮らせてもらっていいですか?」とゼスチャーで許可をとるのだが、彼らは非常にお忙しいのか、振り返ってはいただけなかった。
お邪魔にならないように、静かに撮影。
以下は、2年前、ALCの冊子に書いたダッバワラーに関する記事だ。
世界で最も人口密度が高い都市、ムンバイ。中流層が利用する通勤列車の込み具合は、日本のそれを遥かに凌ぎ、そこに弁当箱の入る余地はない。そんな働く人々の胃袋を支えているのが、ダッバワラーと呼ばれる配達人たちだ。
各家庭からピックアップされた弁当箱は、地域ごとの集配所に持ち込まれ、目的地別に分類される。グループ分けされた弁当箱は列車に積み込まれ、指定の駅で降ろされた後、現地のダッバワラーによってオフィスに届けられる。空になった弁当箱は、逆のルートをたどって家庭に戻される。
ダッバワラーは4,500〜5,000人おり、一日に20万個近くの弁当箱が配達される。文字が読めない人が多いため、配達指示は複雑な記号などを用いて行われる。「ローテク」ながら、配達ミスは600万件中1件という少なさだ。
かつてBBSニュースがドキュメンタリー番組を組んだことで、チャールズ皇太子が関心を持ち、渡印した際、ダッバワラーたちと対面したとのこと。最近では、ムンバイ市内のMBA(ビジネススクール)にダッバワラーたちがゲスト講師に招かれたとのニュースもある。