昨日土曜の夜、香港出張の夫を送り出し、わたしは今日、日曜の朝、バンガロールに戻って来た。平日は込み合い1時間半はかかる空港までの道のりも、日曜は比較的空いていて、1時間で到着した。
国内の移動は主にジェットエアウェイズを利用している。昨年はかなり乗ったので、マイレージのステイタスがあがり「シルヴァー」となった。ちなみにその上に「ゴールド」「プラチナ」がある。
フリークエントフライヤーの夫は以前からすでに「プラチナ」だったので、たとえエコノミークラスに乗ったとしてもラウンジが使えるなどの特典があったのだが、シルヴァーでもラウンジを使えることがわかり、とてもうれしい。
空港に少々早く着いても、ゆっくりとお茶を飲みながら新聞を読んだりしてくつろげるのがよい。ちなみにムンバイの国内線空港には航空会社専用のラウンジはあるが、なぜかバンガロールの新空港はない。新しいのに。
しかし、新しいので、普通のカフェで十分にくつろげる。ラウンジがないかわりに、150ルピー相当(だったはず)のギフト券をもらえるので、それでコーヒーなどを買うこともできる。
そういえば、この間、空港内のフードコートの一画で、異様な雰囲気に驚いた。何が異様かといえば、ある店がビールの販売を開始していたのだ。
いつもはコーヒーカップやサンドイッチが載っているあちこちのテーブルに、キングフィッシャビールの缶がいくつも転がっているのだ。欧米人客の多くが、ビールを飲んでいた。
これまでインドの空港で見ない光景だっただけに、かなり印象的だった。
ところで上の写真。ムンバイを離陸して直後の光景だ。高層ビルディングの手前を埋め尽くしているのは、スラム。ムンバイらしい光景である。
バンガロール空港に降り立てば、たちまち熱気に包まれる。バンガロールもすっかり、夏である。空気はムンバイのそれより軽いが、光をさえぎる緑のない茫洋とした空港周辺は、照りつける日差しがことのほか暑い。
帰路、義姉スジャータ&その夫ラグヴァンの家に立ち寄る。IISのキャンパスに車が入った途端、気温が何度か下がる。緑に包まれたキャンパスは、かつて「ガーデンシティ」と呼ばれていたはずのバンガロールが、そのままに残っている。
ラグヴァンは数日前に米国より戻って来たばかりだが、疲れも見せず、いつもの笑顔である。
スジャータは、今朝ラッセルマーケットへ行って魚介類を仕入れて来たとのこと。
ランチに、白身魚のソテーと、野菜の煮込みと、ダル(豆の煮込み)を作ってくれていた。
インドの家庭料理をよくしらない日本の人と話をするとき、いつも、「インド料理は辛いでしょ」と聞かれる。
チリを入れれば辛いけれど、入れなければ、辛くはない。
スパイスも、種類と量を調整すれば、マイルドにやさしげな味わいを実現できる。
わが家は夫が辛すぎる料理を好まないし、ロメイシュ・パパに至っては、辛い料理は一切ダメだし、だからマルハン家周辺の家庭料理は、上品な味付けなのだ。
スジャータの料理にしてもしかり。ほっとする、味がする。
いつものように、わたしが主にはしゃべっていて、二人は、二人あわせてその半分くらいを話す。
と、香港にいる夫から、携帯電話にメッセージが入る。
「今、IFCモールで、エビの点心と、豚肉とモヤシ入りヌードルを食べてます。ミホたちも、ランチ食べてる?」
わたしたちを結ぶ絆が、もしも100本の糸で構成されているとしたら、そのうちの48本くらいは食べ物関連ではなかろうか、とも思う。
ランチ、そしてデザートまでごちそうになったあと、夕方は来客があるのでおいとまする。途中、買い物をすませて久しぶりのわが家へ。
空気を入れ替えて、ガネイシャ像に挨拶をし、壁の掛け時計のぜんまいを巻く。あの日あのとき、コマーシャルストリートで買った掛け時計(←文字をクリック)は、今でもきちんと、時を刻んでくれている。
振り子が揺れ始めると、この家の空気も動き出す。
さて、今回は木曜日午後までの、本当に短い滞在。とはいえ、あまり詰め込みすぎず、過ごそうと思う。