写真:4月の旅から。レマン湖畔のラナンキュラス。澄んだ青空と麗しい花々が恋しいここ数日。
●新型インフルエンザと、香椎高校生からの手紙。
先月、故郷の福岡の香椎高校で講演会をしてから、早くも1カ月が過ぎた。先週だか、先々週だかは、香椎高校から新型インフルエンザの感染者が出て休校になっていらしい。
このブログは、読者が「どのようなサイトからたどり着いたか」もしくは「どのようなキーワードで検索されてきたか」がわかるアクセス解析の機能がある。
たとえば誰かが検索エンジンで「インド」「坂田」をキーワードにたどりついた、といったことがわかるのだ。
それを、たまにチェックすることがある。まったく関係ないキーワードからたどりついてきてる人の存在を知って面白がったりもしている。
今ざっとチェックしてみた。今日のところは「インド ハードシップ」でたどり着いた人がいる。「インド 帽子 正式名」という人もいる。いったい、どんな帽子のことだろう。ここにたどりついても、役には立たなかったことだろう。
「インド、自動車免許取得」というチャレンジャーな人もいる。「トム ウェイツ マルハン」の人は、ひょっとして、クロスFMを聴いてくれた人かもしれない。
「ワコビアバンク」とか、「インド 性教育」というのもある。ここを見ても何もわからぬ、寄り道である。
さて、話がそれたが、2週間ほど前にこのアクセス解析をチェックしたところ、「香椎高校」「新型インフルエンザ」「休校」といったキーワードで検索している人が何人もいたので、気になっていた。
そして数日前、同級生からのメールで実際に休校になっていたと知った。ともあれ、わたしが東京滞在時に記した日記にたどりつき、
「インフルエンザが西に広がって福岡へ到達し、母校が休校なんぞになったら洒落にならない。関門海峡でどうにか停滞してほしいものだ。休校するなら来週の火曜日からにしてほしいものだ。などと、100%自分勝手なことを考えつつ。」
などという文章を読まれたのかと思うと、なんともはや、すみませんでしたという気分である。
ところで、香椎高校の校長先生から手紙が届いた。4人の生徒からの、講演会の感想文も添えられていた。千人を超える生徒たちを前にしての講演。正直なところ、ただ話しているだけでは、手応えがよくわからなかった。
しかし、手紙には、率直な感想が記されていた。話をきちんと受け止めてくれている人、そしてさりげないひと言にさえ、心を動かしてくれた人がいたことがわかって、本当に、うれしかった。
90分の時間の中で、あれこれと詰めこんで話しすぎたかとも思ったが、人それぞれに、異なるところで、自分に照らし合わせてなにかを感じ取ってくれたことが、感想文を通してよくわかった。
やっぱり福岡に帰り、講演をさせてもらう機会を得られたことは、本当によかったと思った。
今後は「書くこと」ばかりでなく、「話すこと」についても精進し、仕事と結びつけて行ければとも考えていたところだったが、その思いを強くさせられた。
●石狩鍋風、鶏の立田揚げ、そして点心でおいしい週末
金曜の夜の食卓は、「鍋的煮込み」であった。たっぷりのタマネギを軽く炒め、ショウガ、その他ありあわせの野菜を入れ、一番上に、インドサーモン(白身の魚)とイカを入れる。
日本で購入していた化学調味料不使用の鶏ガラスープなどをパラパラと振りかけ、ついでに昆布もちりばめて、圧力鍋にかける。決め手はたっぷりのタマネギだ。
何度も書くが、インドのタマネギは濃厚で甘みが強い。みりんや砂糖がなくても、十分に味に甘みを添えてくれる調味料のような存在感だ。
圧力鍋にかけると、タマネギはとろとろに溶けていて、他の野菜(ダイコンやニンジン、インゲンなど)のみが形状を残している。
最初は軽く醤油味するつもりだったが、思い立って少々の味噌を溶いた。と、急にバターが閃いて、「石狩鍋風」にバターを入れてみた。
尤も、北海道へ行ったことのないわたしは、本気の石狩鍋を食べたことはないのだが。
味見をしてみれば、これがおいしい! インドのコクのあるバターが味噌の風味と相まって、不思議とブイヤベースのような風味である。
食卓に出せば、アルヴィンドも、それが味噌仕立てだとはわからず、「オイシイ! オリジナル・ブイヤベース、デスカ?」と喜んでいた。調子のよい似た者夫婦である。
タマネギたっぷり、石狩鍋風。あれこれと、応用ができそうである。お試しあれ。
土曜の夜は、丸ごと鶏肉を解体しての、立田揚げ。インドに来てからというもの、どんな鶏肉の料理においても、ひとまずは「丸ごとの鶏肉」を買うようになった。
そのまま使うこともあれば、切り分けることもある。切り分けるのは若干面倒だが、あくまでも若干。慣れれば簡単だ。
全体をまんべんなく食べる習慣がつくと、「手羽だけ」とか「もも肉だけ」とか「胸肉だけ」がパックにされたものを目にしたり、購入したりするのに違和感を覚えるようになった。
米国時代は丸ごと鶏肉も買っていたが、同時に、店頭に並ぶ「同部位ばかりのパック」を買っていたというのに。
立田揚げもまた、それぞれの部位に、それぞれのおいしさがあり、食べるときにも、「次はどれにしようかな」と、ささやかな楽しみがある。
最後にタマネギをカリカリに揚げて、トマトやピーマン各色を切りそろえたばかりのサラダの上にかけてみた。と、ドレッシングなしでおいしく食べられる。もりもり食べられる。これがまたよい。
それにしても、鶏肉の唐揚げといいフライといい、鶏肉の揚げ物というのは、どうしてこうも、おいしいんだろう。たまらんな。ついつい「もう一つ」「もう一つ」と、二人して、エンドレスな食欲である。
お向かいのスーパーマーケット、NATURE'S BASKETで、今回はパルマの生ハムではなく(半額じゃなかった)、バーベキューポークハムを買ってみた。
スペインからの輸入らしい。
数種類を味見させてもらった結果、選んだのだが、これまたなかなかに美味である。
それにしても、大きな一枚を太っ腹に味見させてくれるところ、インドのよさである。
数枚も食べれば、店頭でランチが終わってしまいそうである。ついでにパンでもかじりたくなる。
バンガロールにはBAMBURIESがあるけれど、ムンバイでおいしい豚肉を入手するのは難しい(未開拓)。しかしこういうハム関係で、たまにはお茶を濁すこともできるとわかり、うれしいものである。
こんがりとパンを焼き、トマトとフライドエッグ、そしてマスタードを添えて、シンプルながらも美味なるランチ。
日曜日は久々に、ユカコさんとビルとランチを共にした。おなじみROYAL CHINAで、点心を味わったのだった。4人そろって会うのは去年のクリスマス以来。
同じムンバイとはいえ、北と南に住んでいるわたしたち。片道1時間以上かかることもあるが、これまでの半年間、彼らもわたしたちも、旅行だなんだで不在だったことも多く、なかなかタイミングが合わなかった。
残念ながら、ジェイクくんはナニーとともにお留守番で会うことができず。写真を見せてもらったが、益々大きくなっていた。もう、少ししゃべることもできるらしい。あ〜、かわいいころだろうな〜。
彼にはぜひとも「ミホ」と呼んでほしいものだ。「アンティ」(おばさん)ではなく。近々会って、覚えてもらわねば。
さて、ROYAL CHINAの点心を食べるのは初めてという彼らも気に入ってくれ、4人であれこれと注文する。やはりチャイニーズは大人数で分け合いながら食べるのがおいしいものだ。
食事のあとは、我が家に立ち寄ってもらい、しばらくリラックス。二人はムンバイの生活を楽しんでいるようで、その前向きで明るいムードは、本当にいいものだなあと、しみじみ思わされる。
インド生活。言うまでもなく、たいへんなことはごまんとある。しかしそれと同時に、この国だからこそ味わえる歓びや愉しみもある。
その、正負における正の部分をうまく享受することは、運、不運の問題ばかりではないと、このごろは周囲の人たちを見ていてもそう思う。
事態をうまく乗り切ること。逆境を好機ととらえること。それは努力や経験や才能や生きる姿勢の問題であるとも思うのだ。
今の状況をして二人は、grateful と表現していた。日本語に置き換えると、少しニュアンスが変わってしまうけれど、感謝や喜びや心地よさ、が込められたその言葉。とてもいい言葉だと思った。
ところでユカコさんと話しているとき、フラックスシードの話題が出た。日本語でいうところの「亜麻」である。ビルもアルヴィンドと同様、コレステロール値が高いので、その対策についてを話していたときである。
インド在住者にお勧めは、メティ(フェヌグリークシード)。これを発芽させたものを、毎朝スプーン1杯ほど食べるのがかなり効果的だと言われている。
ちなみにアルヴィンドは遺伝性につき、これは今ひとつ効かなかったが、食生活による高脂血症にはかなり効き目があるらしい。同時にフェヌグリークの葉を使った料理も、非常に健康によい食べ物だ。
以前、ミューズ・クッキングクラスでも実習した。詳しくはこちらに記録している。
さて、米国では、数年前よりフラックスシードが注目されている。数カ月前ニューヨークに行ったとき、コロンバス・サークルのホールフーズ・マーケット (WHOLE FOODS MARKET) に言って驚いた。
シリアルをはじめとする加工食品に「フラックスシード入り」というのがやたらとあって、ブーム真っ盛りだったのだ。
と、バンガロールのNAMDARIE'S でもフラックスシード・オイルを見つけたので、先日購入した。
インド製にも関わらず、値段は富裕層向け。インドではもっと安くで作れるはずなのに、と思っていたら、ユカコさん曰く、地元の商店などでシードが売っているとのこと。
というわけで、早速近所の商店に行ったところ、あった!
煎ったものがあれば、そのままナッツのように食べられるが、これは煎られてはいないので、とりあえず自分で煎ることにした。
これを、そのまま食べてもいいし、シリアルなどに混ぜてもよい。
それにしても、この安さ。どっさり入って50円ほど。
先進諸国ではヘルシーとされる、しかし若干高価な食材……たとえばザクロや各種ナッツ類、オイル類、そしてこのフラックスシードなど、インドでは安価で手軽に手に入るのが、本当に魅力的だ。
ともあれ、インドではこのシードをどうやって食すのが一般的なのか、スジャータが欧州旅行から戻って来たら聞いてみるとしよう。
フラックスシードに関する詳しい情報は、ここにありますよ。
【募集】ムンバイで茶道を披露することのできる方!
ムンバイにある女性のための勉強会グループ、INDUSのスタッフより、茶道のデモンストレーションができる日本人を探しているとの連絡を受けました。
開催日時は9月8日(火)11時15分から12時15分の1時間。場所は南ムンバイのマリーンドライヴです。茶道の他、華道や書道も可能であれば同時に披露していただきたいとのことでした。
わたしは書道のみ心得はあるものの、茶道、華道に関しては素人なので披露することは不可能です。もしもムンバイ在住の方で、デモンストレーションをお受けしていただける方(複数を募集)があれば、ご一方いただけると助かります。
ムンバイの茶道グループなどに関して、情報をお持ちの方は、お知らせいただけると幸甚です。下記のアドレスにメールにてご連絡ください。
INDUSのホームページはこちら(←文字をクリック)です。
よろしくお願いいたします。