とあるリサーチの仕事で、ここ数カ月分の新聞数紙を、ひたすらにめくっているここ数日。なかなか該当する記事が見つからず、煮詰まることしきり。
一方で、関係のない記事にばかり目がいく。仕事の切り抜きよりも、自分のための切り抜きのほうが増えていき、やれやれだ。
左下の記事は訃報。義兄ラグヴァンの友人であるスタンフォード大学の教授が、カリフォルニアの自宅で水死したニュースだ。すでにスジャータから聞いていたが、何でも彼は泳げなかったらしい。
泳ぐ練習をしていたというのだが、自宅のプールで水死とはなんとも痛ましい。47歳の若さで。
右下は、インドのファッションデザイナー、マニッシュ・アロアがデザインしたスウォッチの記事。彼のファッションは奇抜でかわいい。着用に勇気がいるものばかりだが、時計ならノープロブレム。ほしい。
その他、夏バテ対策のヘルシーライフのアドヴァイス、食生活のコラムなどについつい目がいく。
「夏場、避けたい食べ物」に「マンゴーとパイナップル」を挙げている栄養士の記事が載っていた。理由は糖分が多すぎるから、だとのこと。
ゆ、ゆるせぬ!! インドの夏からマンゴーをとったらどうなる!
マンゴーファンの方、ともあれご心配なく。ある記事では、マンゴーは美容によい、さまざまなヴィタミンなど栄養素が詰まっているともあった故。
いずれにしても、食べ過ぎてはよくないが、糖分が多いというのなら、他で糖分の摂取を減らせばいいのだ。だいたい、インドの菓子は阿呆のように甘いのに、マンゴーの甘みを責めてどうする! と、ムキになってどうする!
大量の新聞をまとめて読んでいるとよくわかるが、記事によって「よい食べ物」「わるい食べ物」がまちまちで、実に一貫性がないのがよくわかる。
アーユルヴェーダに関して以前書いたときにも記したが、そもそも身体に良い悪いは個々人の体質によるので、一般論は語りにくいのだ。
たとえば、わたしの体質は刺激物はよくないが、夫の体質には好ましい。夫には乳酸菌はよいが、わたしにはヨーグルトなど発酵食品はよくないなど。
そもそも人種が違い、更には体質の違う人間だから、異なる食べ物が身体に適応して当たり前だろう。加えて住んでいる場所の地理も気候も異なる。
そんなことはさておき、誰がなんといおうと、残りのマンゴーは満喫させていただく。
それにしても、インド世間のニュースはきつい。なにしろ日本ではタブーな「死体」や「血みどろ」の写真も構わず載せるからだ。見過ごせばいいものを、
「ええ〜っ!」
と二度見して、後悔することしばしば。
あと、殺人やレイプなどの事件で、被害者家族の顔写真などが力一杯載っているあたり、こんなにおおっぴらで大丈夫なんだろうかと気が気ではない。
その他、通称「PAGE 3」と呼ばれるエンターテインメント面に登場するセレブリティたちのファッションが楽しい。
「この体型に、その超ミニはないやろ!」
「頼む、その腹部を隠せ!」
などと、自分のことは棚に上げて、昨今は露出度満点のインド人富裕層女性のファッションに突っ込みをいれるのも楽しい。一方、新しいタイプのおしゃれなサリーを、優雅に着こなしている人からは、センスを学べるのがよい。
それにしても、サリーはおデブ隠しの効果満点と感心することしきり。恰幅のよいマダムたちには、ペラペラのドレスよりも、ゴージャスなサリーの方が似合うのにと残念な思いだ。
さて、日本から戻って早くも一週間が過ぎてしまった。メイド問題はあれこれあったが、結局ヨギータに落ち着いた。
ここでは記していなかったが、実はヨギータが義父の葬儀に行くと言ったまま音信不通になったあと、わたしは自ら家事を行っていたが、日本出発の当日朝に、別のメイドを面接して、雇っていたのだった。
スジャータがいてくれたので、新しいメイドの指導を任せていたが、彼女は英語がまったくできず、加えて身体が弱く、1週間のうち2、3日休む。これでは話にならない。
わたしが戻ってからも、病弱の新人メイドに数日来てもらっていたが、あまりにも仕事にならないのでヨギータに連絡をし、詳細は割愛するがあれこれとやりとりをして、ともかくは復活してもらうことになったのだ。
それにしても、日々、プチ問題が襲いかかってくるインド生活。例えば……
●ゲスト用のバスルームの便座が壊れた。しかし、珍しい形らしく、商品の取り寄せに時間がかかる。大家が凝った便座にするからもう! 普通にして、普通に。
●ゲストルームのファン(天井扇風機)が、使用時、ものすごい音を立てるようになった。修理を頼むが、担当者が来ない。
●数カ月前から浄水器のフィルター交換の依頼の電話を百万回ほどしているのだが、まだ来ない。
●クリーニングに出した衣類にダメージ! ううぅぅ。久々に「マネージャーを呼んで!」状態に。
●渋滞時、阿呆なタクシードライヴァーが突っ込んで来て、我が家の車に軽く触れた。傷は浅いが、腹立たしい。
●アイロン屋に出した衣類が2枚、紛失された模様で戻ってこない。しかもその2枚がなんだったか、思い出せない!!
とまあ、今思いついただけでもあれこれと。まだいろいろあった気がするが、思い出すだけ腹立たしいので忘れるに限る。
物事がうまくいかないときは、おいしいものを食べて気分転換! 上の写真は月曜のランチ。夫とともにおなじみROYAL CHINAへ出かけた。ここの点心はインドで最もおいしいと思う。
異なる模様の2枚の薄い布が重ね合わせられて作られた、ガーゼのような肌触りのもの。
洗濯をすると、ふわふわになる。
ハンカチサイズと手ぬぐいサイズがあり、どちらも重宝している。
半年前、京都で見つけて買ったのが気に入り、今回、天神の新天町でも見つけたのでまとめて買った。
タオル好き、木綿好きのわたしには、特にこの季節、欠かせない存在。
左の写真。数カ月前より近所のスーパーマーケット "NATURE'S BASKET" で販売されていた豆腐。
例のMAIDO INDIAが輸入している商品のひとつだ。
先日、一つ買ってみたところ、これが結構、いける。
冷や奴でも食べられる。
インドではMORI-NUのパック入り豆腐も手に入るが、個人的にあまり好きではないので、買うことはない。
しかし、これは、かなりよい。素材も国産(日本)大豆と凝固剤のみ。あれこれと添加物が入っていないのがよい。
値段も156ルピーと悪くない。
昨日、まとめて買おうと思って日付を見たら、6月22日。大量に並んでいる豆腐、どこれもこれも、6月22日!
あと10日で、売り切れるとは思えない。というか、わたし以外に誰か買っているんだろうか。今後、新しい商品を追加注文してもらうためにも、まとめて5パックほども購入。
しかし、となりにある「稲庭うどん」の乾麺には責任は持てん。600ルピー。1200円。誰が買うんだ。
っていうか、誰が稲庭うどんのありがたみを理解できるのか。このように、予備知識なしでは絶対に買われなさそうな日本の食材を目にすると、じれったくて仕方ない。
店頭で実演販売でもしたくなってしまう。もったいない限りだ。