モンスーンの、雨の合間を縫って、夕暮れどき、近所の公園を散歩する。家に隣接するホテル、TAJ PRESIDENTが所有する緑のガーデンが、夕方の4時から7時まで、一般に解放されているのだ。
歩いている人はほとんどおらず、たまにスラムな住民たちがくつろいだりしているものの、概ね静かな緑いっぱいの空間である。
旅人の木、TRAVELER'S PALMは、わたしの好きな木でもある。
初めて見たのは取材で訪れたシンガポール。
インドでは、バンガロールでも、ここムンバイでも、よく目にする。
バンガロール宅の庭を整備するとき、ガーデナーに植えたいと相談したが、庭のど真ん中の日当りのよいところでなければだめだと言われて断念した。
わたしはど真ん中でもいいかも、と思ったが、夫が「バドミントンができなくなる」と主張し、却下されたのだ。
それはさておき、この野良ネコ。木枝の、低い場所にカラスがとまるや否や、木のたもとに駆け寄ってカラスに干渉する。カラスはといえば、逃げもせず応戦して、その様子が面白い。
ところで夕べの夕食。早速、フラックスシードを用いてみた。多めの油でタマネギのみじん切りを炒め、その後、フラックスシードを入れて、煎るように火を通してみた。
そのあと、発芽した緑豆、そしてトウモロコシを加えてじっくり炒める。ほんの少し発芽した豆は、サラダにしてもいいが、こうして炒めると風味よく、歯ごたえもよく、美味なのだ。
インドの硬めトウモロコシとの相乗効果で、しっかり噛まねばならないこと請け合い。名付けて「咀嚼力強化料理」。ちなみに右上のパンは、全粒小麦粉で作られたマルチグレインのパン。上にフラックスシードがトッピングされていた。
ちなみにフラックスシードはしっかりと噛むか、パウダーやオイルを摂取しなければ効果がないとのこと。飲み込んだら消化されず、栄養も摂れないらしい。
マトン肉は、オリーヴオイルと塩こしょうでマリネしフライパンでこんがり焼くのが我が家の定番。
あるいは北インド風煮込み(カレー)にすることが多い。
しかし今日は、こってり和風照り焼き風味にしてみた。
1時間ほどマリネしておいたので、味がしみ込んでいる。
全体に「茶色い感じ」になってしまったが、とても美味であった。
これにトマトスープでも添えれば理想的だ。作らなかったけど。
それにしても、マイハニー。骨付き肉を出すと、急にワイルドな男に豹変するからおもしろい。それが鶏だろうが豚だろうがマトンだろうが、骨まで食らう勢いだ。実際、軟骨程度なら、ボリボリと食べ尽くす。
しかしその癖、胃が弱い。毎度のように、「よく噛んで!」と警告せねばならず……頼むよ。
情報誌、TIME OUT MUMBAIを見ていたら、気になるエキシビションが目に留まった。がん患者のためのアソシエーションが主催するインド新進画家たちの作品展、即ち展示即売会である。
ムンバイには大小さまざまなギャラリーがあって、そのうちのいくつかに足を運んだことがある。しかし、未だ「欲しい」と思う絵には巡りあっていない。
「好きな絵」だと思っても、自分の家の壁に飾るとなると、不似合いなものが多いのだ。
3年前のムンバイで、夫がニューヨーク時代、大学卒業直後に勤めていたマッケンジー&カンパニーのアラムナイが開かれた時、絵画の販売が行われていた。
あのとき、二人して気に入った絵を一枚見つけたが、しかしあまりにも寂しい絵で、部屋に飾るには陰鬱すぎるからと諦めたのだった。
家に飾る絵を買うというのは、なかなかに難しいものである。版画などならまだしも、オリジナルともなればなおさらだ。
さて、本日。ギャラリーに入るや否や、百を超える絵画のプライスリストを渡される。数十万円〜数百万円と、その価格は幅広い。
買うつもりではなく「見るつもり」で来たのだが、一応、絵と値段とを見比べて、その価値の具合を学んでみる。よくわからないものだなあ、とも思う。
●オーガニック食材の専門店であれこれ調達。
アートギャラリーのあるブリーチキャンディの界隈をうろうろしつつ、ケンプスコーナーまで歩き、そこで車を呼んでHEALTH SHOPへ。
以前気に入ったヒマラヤの手作り石けんを追加購入したく、ヒマラヤ山麓の製造元まで問い合わせたところ、ムンバイではこの店に卸している、と聞いて訪れたのがこの店だった。
その石けんに対するマイブームは沈静化したものの、この店の、ごちゃごちゃとしてはいるが、しかしオーガニック食品やサプリメントの豊富さにひかれて、時折足を運んでいる。
今日の目的は、突如昨日から「ブーム」となっているフラックスシードオイルの調達である。
実はバンガロールのマーケット、NAMDHARI'Sにてインド製のフラックスシードオイルを見つけて購入していたのだが、まだ封を開けずにそのままだった。
ムンバイでも購入したいと思って足を運んだところ、予想通り、あった。オイルだけでなくパウダーも売られていたので、まとめて購入する。
この店には、オーガニックのヘルシーな食材を用いて作ったオリジナルのスナックやビスケットなどが売られている。
以前、炒りごまを買ったところ、おいしかったので追加購入。
と、そのそばに、フラックスシード入りのムクワス (MUKHWAS)が! これはインドでおなじみの「食事のあとのお口直し」。フェネルシードを基本として、アニスやココナッツやゴマなどがブレンドされたもの。
砂糖でコーティングされたものもあり、これが慣れるといけるのだ。特にスパイシーなインド料理を食べた後は、口中がさっぱりするし、消化の助けにもなる。これは、銘柄や店によって、さまざまなブレンドがある。
ちなみにわたしはJET AIRWAYSの機内食についてくるブルーのパック入り (AFTER MINT) が気に入っている。甘いけど。そういえば、以前バンガロールのサフィナプラザで、その販売風景の一例(←文字をクリック)を撮影した。
さて、この慣れると病みつきになるムクワス。それにフラックスシードが入っているとなると無敵だ。なにがどう無敵なのかよくわからんが、ともかくは、「買い」である。
その他、バナナのスナックなども試しに買ってみた。ときどきココナツオイルで揚げた、やたら強烈風味のフライがあるが、これはシンプルなオイルらしいので、あっさりした風味に違いない。
ところで右上の写真。このブランドのシリアル(ミューズリ:Muesli)は、かなりいけるのだ。パッケージが今ひとつ冴えないばかりに、しばらく手を出さなかったのだが、以前、試しに1種類、買ってみたところ、おいしくて驚いた。
ちなみに3箱とも、同じ会社の製品である。同じ会社の製品にも関わらず、パッケージに統一感がなさ過ぎる。加えてロゴマークのインパクトが弱い。もっとなんとかすれば、手に取る人も増えるだろうと、大きなお世話だが気になるところだ。
ちなみに今のところ4種類ほど試したが、どれもそれぞれに、おいしかった。輸入物のシリアルも幅を利かせているインドだが、おいしくて安いメイド・イン・インディアで十分にOKである。
興味のある方は、"Light" あたりから試してみるといいだろう。なお、もしもあなたのお口に合わなかったとしても、わたしを責めないでほしい。
BAGRRY'S ←ウェブサイトは、思ったよりも充実している。
●進化するファブインディア Fabindia。
これまで何度も登場して来た店なので、詳細は割愛するが、Fabindia。興味のある方は、右側のブログ内検索にて、Fabindiaをキーワードに検索されたい。
全国各都市に数店舗ずつあるFabindiaの中でも、一番気に入っているのは、ムンバイのフォートにあるこの店舗。
天井が高いロフト風の建物を利用した広々とした店内には、衣類だけでなく、家具や小物類、カーテンやベッドカヴァー用のテキスタイルも種類豊富に販売されている。
最近では、オリジナルのオーガニック・プロダクツも充実。スパイスやシリアル、豆や小麦粉、お茶などの食品ほか、天然素材の石けんやシャンプー、基礎化粧品なども売られている。
一時期、試行錯誤していたのか、パッケージがころころ変わり、今ひとつ統一感に欠けていたが、ここにきて売り場も美しく整理され、特に石けんやシャンプー類の充実度が高まったように見える。
ハンドクリームやモイスチャライザー、トナーなど、手の甲にサンプルを塗ったり振りかけたりして、使用感を試し、くんくんと匂いをかいだりしてみたところ、どれもこれも、なかなかによかった。今日のところは買わなかったけど。
伝統的なクルタなどはさほどの変化は見られないが、「ウエスタン」なトップやスカートのヴァリエーションが増えたのだ。
蒸し暑い日本の夏にも好適なトップスがあれこれと見られ、母や妹を連れてきたいと思う。
ちなみにサイズはSからXLまでと幅広いのもよい。
ところで以前も書いたが、左の写真がお気に入りの「グラノーラ」である。
上のBAGRRY'Sものに比べると若干高いが、食べごたえがある。しかし、同じ系統のミューズリは今ひとつであった。
ちなみに我が家では、インド版ケロッグのスペシャルKや玄米フレークなどの上に、グラノーラやミューズリを振りかけて食べている。
グラノーラやミューズリだけではカロリーが高すぎるはずである。
●ジューンブライド、だもの。
今日、6月30日は我々の米国における結婚記念日だった。
当時ワシントンDC郊外のヴァージニア州アーリントンに住んでいたアルヴィンドと、ニューヨークに住んでいたわたしが、2001年の今日、ヴァージニア州において結婚をしたのである。
ちなみにわたしたちが出会ったのは1996年の7月7日。
インドで結婚したのが2001年の7月18日。
アルヴィンドの誕生日が8月9日。
インドの独立記念日&日本の終戦記念日が8月15日(あまり関係ない)。
わたしの誕生日が8月31日。
と、ここしばらくは祝祭日が続くのである。そのせいで、むしろ祝福気分が分散し、どの日も適当な感じになってしまうのがいけない。
そんなものであろう。
とはいえ、妻としては雰囲気を盛り上げようと、買い物の帰路、MOSHE'Sに立ち寄り、彼の好物であるフィラデルフィア・チーズケーキを買ったのだった。
ここのチーズケーキは、インドにしては濃厚でおいしいのだ。
名前からして、フィラデルフィアのクリームチーズを使ってます!
ということであろう。
夕飯は、おなじみTRISHNAから、出前でお気に入りのカニを注文した。
副菜は、各種野菜炒めを作った。
こんな大げさなカニ料理などを出前してもらえるというのは、なんとも便利である。有り難み指数が高い。
家で作れない料理(というか素材を入手するのが超難儀)を出前で取れるのは、とても「意義深い」感じがしてよい。
ちなみにフラックスシード関連商品、封を開けたら以下のような状況であった。パウダーが個別包装されているのには驚き!
しかし、日本のように「どこからでも開けられます」みたいな、至れり尽くせりな包装ではなく「どこからも開けられません」な状況なので、ハサミが必要だ。
人間、ハサミくらいは、使わんとね。
ところで、8年前の我々の「地味婚@米国ヴァージョン」について興味のある方は、こちらの記録(←文字をクリック)をご覧いただければと思う。
ハエにまとわりつかれている。
フォアグラが、おいしすぎた。
ともあれ、あれから8年。まだまだ新婚さん、である。