■寄付金もたくさん集まり、スパイス講座も盛況のよき集いだった。
本日のチャリティ・ティーパーティ。夏休みで不在の方が多かったにも関わらず、今回も20名を超える方々が集まってくださり、よきひとときを過ごすことができた。
新しく赴任された若い世代の駐在員夫人も少しずつ増えて、インドの生活を積極的に楽しもうとされている様子が伝わってきた。
初めての海外生活がインド、というのは、多くの日本人にとって不安を感じさせるものであろうが、せっかく数年を過ごすのであれば、よき部分を楽しむに越したことはない。
米国在住時代には、諸事情につき、日本人駐在員の奥様方との接点は極めて少なかったが、バンガロールでは特段、諸事情がないため、こうして多くの人たちと交流を持つことができている。
わたし個人にとっても、チャリティを名目にいろいろな方とお会いでき、これは何よりな機会であるなとこのごろは思う。
さて本日は、6,500ルピー(約13,000円)もの寄付金が集まった。今回は、野良犬などを保護している動物シェルターへ寄付させていただくことにした。詳細については、また後日レポートしたい。
今回、スパイス講座を楽しみにしてくれた方も多く、気合いをいれて資料を作った甲斐があった。
インド料理の概要にはじまり、インド家庭料理に必要な基本的なスパイス、その他のスパイス、香味野菜、ナッツ類、乳製品、調理器具、チキンカレーのレシピに至るまでを説明した。
それぞれのスパイスの特徴を理解し、基本的な調理法さえわかれば、自分で適宜、アレンジできるスパイスを使った料理。ヘルシーな「薬膳的インド家庭料理」を、ぜひみなさんにも作ってもらえたらと思う。
■インドで入手できる素材で作る菓子の数々。愉しきベイキング!
このごろは、チャリティ・ティーパーティはまた、わたしの菓子作りの時間を持つ好機ともなっている。
夫と二人のためだけだと、量の都合もあり(たくさん作って食べ過ぎてしまう)なかなか作る気にならないが、大人数だと、分け合って楽しく食べることができるので、作り甲斐がある。
そもそも、わたしは子どものころから菓子作りが好きだった。最初にオーヴンを使ったのは小学校6年生のときだったか。あれば確か、グラタン皿で作ったアップル・ブレッドプディングだった。
中学に入ってからは、母の読んでいた雑誌「ミセス」にあったレシピ「アルザス風リンゴのタルト」に始まり、カスタードクリームとフルーツ入りタルト、スイートポテトタルトなど、さまざまなタルトを作ったものだ。
その他、クレープやクッキー、チーズケーキ、アイスクリーム(抹茶味含む)、レモンソルベ……。部活やなんだかんだで、それなりに忙しかった割に、あれこれ作ったものである。
そういえば、学校に持って行って部活の仲間たちにふるまったこともあった。反抗期だったにも関わらず、家族四人で食卓を囲んで食べたこともあった。
あのころから、自分が食べることよりもむしろ、みんなに喜んで食べてもらうことが好きだったようである。
社会人になってからは、すっかり菓子作りから遠のいていたが、結婚してワシントンDCに移ったころから、再び、折に触れて作ってみるようになった。
インドに来てからは、インドで手に入る素材で作ることのできる菓子をテーマに、あれこれと試しているところだ。
●左上写真:今回、インドで初めてチーズケーキを焼いた。夫が好物なので、作ってみたのだ。ちなみにこれだけがメイド・イン・インディアでなく、フィラデルフィアのクリームチーズ(輸入もの)を使用。「舶来品」につき、インドでは無駄に高価だ。乳製品王国インドで、なんとか開発してほしい! 小さい二つは「お味見用」。ちょっと表面が焼けすぎたが、美味である。
●右上写真:いつもと同じレシピでも、なぜか仕上がりの様子が異なるスコーン。Keggsの卵の黄身が黄色く、さらには砂糖が足りなくなってジャガリを使ったせいか、いつもより黄色っぽい仕上がりである。ヨーグルトをやや多めに入れたせいか、しっとり感が強かった。
●左上写真:さて、マンゴーシーズンの終わりを締めくくるように、またしてもマンゴームース。前回はアルフォンソマンゴーのオレンジ色が強く出ていたが、今回はバンガロールで買った薄い色のマンゴーだったので、仕上がりも薄い黄色である。
●右上写真:本当は、久々にブレッドプディングを焼こうかと思ったが、急にアップルタルトが食べたくなって変更。こんなことなら、焼き菓子に好適なグラニースミスを買っておくべきだったと思いつつ、朝のジュース用に買っていたレッド・デリシャスを使用。
北インドで収穫されるインド国産のリンゴは主に冬場、市場に出回り、それ以外の時期は輸入物である。中国産のフジ、それからニュージーランドや米国ワシントン州からのリンゴをよく目にする。グラニースミスはニュージーランドものが多い。
ニューヨーク、SOHOにあるONCE UPON A TARTというベーカリーのレシピブックを参考にした。
ところでスコーンであるが、今回の付け合わせはニューヨークで買って来ていたおなじみサラベスのジャム(アプリコット・マーマレード)に加え、またしても、なんちゃってクロテッドクリームである。
自分としては、英国のクロテッドクリーム(デヴォンシャークリーム)に負けず劣らずおいしいと思っていたのだが、今回、英国在住経験があり、英国のティー文化に詳しい方からも「おいしい! クロテッドクリームとあまりかわらない!」とのお墨付きを得たので、堂々と書く。
ニルギリズ (Nilgiri's)のビニル入り生クリーム(200ml/ Rs. 30) を力一杯撹拌し続けると、お手軽に超新鮮なクロテッドクリームもどきができますよ。
今回はブレンダーで混ぜたが、実際、撹拌器で泡立て続けても、インドの新鮮生クリームが素材ならそんなに時間をかけずにでき上がる。作り方の詳細は、過去の記事を参照のこと。
ところで、わたしがバンガロールに暮らしはじめて3年半の間に、市井にはいくつものスーパーマーケットが誕生した。確かに便利になったけれど、しかし、最も使い勝手がよいのは、昔ながらの「何でも屋」であるTHOM'S(右上写真)である。
この店はベーカリーが併設されていて、焼きたてのパンや焼き菓子が買えるのだが、それ以外にもアルコール販売カウンターがあるほか、トイレタリー用品などもある。
食品については、輸入物の加工食品があるほか、KEGGSの卵に各種野菜、インドのローカル食作りに便利な各種スパイスや豆類、粉もの(穀類)がたいそう揃っている。外には果物屋もある。
また、乳製品も豊富で、我が愛用のビニル袋入り牛乳や生クリーム、カード(ヨーグルト)もある。
日付の新しいものを物色しているうちに、漏れた牛乳やらなんやらで手がべたべたになるが、まあ、それはそれ、である。ちなみに我が菓子作りに必要なものは、ほとんどこの店で調達できる。
さて、ティーパーティのあとは、恒例のワインパーティに突入。数名のゲストとゆっくりと庭で飲み、蚊が出始めたらリヴィングルームに移り、インドワインと会話を楽しむ。
夜になり、アルヴィンドも参加。普段はさほど飲まない彼が、みなに振る舞うと同時に自分もたくさん飲んで、やたらとご機嫌である。
気がつけば、わたしはかなり酔っぱらい。にも関わらず、ゲストをキッチンに招き入れ、夕飯のために解凍していた丸ごと鶏肉の捌き方を披露するなど、しらふの今、なにがなんだか、よくわからない。
「首はハサミで切り落とした方が簡単」
「内臓の周囲の脂肪はしっかりと取って」
「骨は関節のあたりにすっと包丁を入れると、力を入れることなく切れます」
などと、酔っぱらいながらも説明している自分が、我ながらデインジャラス。
ともあれ、
「今日は久しぶりにガールズと話ができて、楽しかったな〜!」
とハッピーなマイハニー。おやじかよ!
確かに、このところ、ガールズと話す機会がなかったから、まあ、うれしいのは仕方なかろう。
そんなわけで、いい一日だった。