料理関係の話は、なぜかしら積極的に読まれるようである。ほどほどに、と思いつつも、生きて行く上で欠かせぬ「食」の情報。せっかくなので、今日も少し。
前回、「発芽した豆」の話を書いたが、発芽した豆は、栄養価がよりいっそう高いのである。しかも一旦発芽させたら調理が簡単。そのままサラダとしても食べられるし、炒めてもよい。
ムンバイの蒸し暑い気候は、発芽に便利な時期でもある。ちなみに上の写真。昨日の午後1時ごろ、よく洗った豆を水に浸し(夜までに数回水を替えた)、夕食の後に水気を切ってザルに移し、蓋をしておいた。
寒い時期なら2日ほどかかるだろうが、この蒸し暑さがよいのかもしれない。
ただ、暑さで水が悪くなりやすいので、こまめに新鮮なものと換える必要がある。
詳しくは、関連サイトなどで検索していただきたい。
ちなみに、新鮮なオーガニックの豆の方が発芽しやすいようだ。
インドはともかく、豆王国。
さまざまな豆が廉価で入手できる。
小振りのひよこ豆や大豆なども、発芽させて食べられる。
尤も、わざわざ自分で作らずとも、発芽済みのものを購入することもできる。ただ、自分の家で作る方が水がきれいなので、生でも安心して食べられるのがよい。
●このごろのインド:同性愛が認められた。
これはインドにおいては、歴史的な出来事、と思われたので、記事をリンクしておく。
インドには、以前、アガペ・チルドレンセンターのルーベン牧師のことを書いた時にも記したが、ユーニックの人々(←文字をクリック)がいる。
加えて、街では男の子同士、もしくはおっさん同士が仲良く手をつないでいて、「ひょっとして、ゲイ?」と思わせる光景に出くわす。しかし彼らはゲイというわけではなく、「仲のよいお友達」であることが一般的だ。
ともあれ、「同性愛は犯罪である」としていたのは、そもそも英国植民地時代の名残であるとのこと。
●このごろのムンバイ:『約束の橋』が、ようやく。
南ムンバイと北ムンバイを結ぶ橋、「バンドラ・ウォルリ・シーリンク (Bandra-Worli Sealink)」が、8年という長い工事を経て、ようやく昨日、開通した。全長4.7キロ、インド初の、海に渡す橋である。
上の写真は、開通を前日に控えた6月30日の新聞。「15分のドライヴのために、8年間の旅」と、開通前夜にしては、あまりにも冷たい表現。
さて、この橋ができたことによって、これまでウォルリからバンドラまで40分ほどかかっていたのが15分に短縮されるという。これは南ムンバイに住むわたしたちにとっても朗報で、空港への往復時間も短縮されるはずだ。
右上の写真に具体的なデータが記されている。
「それぞれのケーブルは、900トンの重量を積載可能。それはアオクジラ8頭分に匹敵する」
なるほど! アオクジラ8頭分ね!
と、ピンと来る人がいるのだろうか。ともあれ、開通したのは、多分めでたいことである。ところで気になる赤い数字。1963とある。
なんと、この橋の構想は、1963年に端を発しているとのこと。古っ! 関門大橋ができる前から、構想だけは存在していたらしい。
開通から数日間は無料だということで、一時は大渋滞となったようだ。
もちろん、物見遊山なドライヴァーたちが殺到したのであろう。
ところで2日目の今日、北ムンバイで打ち合わせがある夫は、さっそく橋を利用してみたらしい。
橋の上から電話をかけて来て、
「まるでアメリカにいるみたいだよ!」
と、うれしそうに報告してくれた。ちなみに橋の上での渋滞はなかったものの、降りてからが、雨のせいであちこちが込んでいて、結局はいつもよりも時間がかかってしまったらしい。
今後も、料金所のトラブルやらで渋滞し、テロ対策で渋滞し、で、滑らかに活用されるまでには、多分時間がかかることであろう。
アメリカでは、いろんな橋を、渡ったものだ。ワシントンDCからデラウエアへ向かう途中、チェサピーク湾に浮かぶベイブリッジ。
父が亡くなってすぐの、痛くてツ〜ンとする、あの夏を思い出す。
そういえば、今日は亡父の誕生日だ。
橋のことを考えていたら、佐野元春の『約束の橋』のメロディーがぐるぐると脳内を巡り始めた。
今までの君はまちがいじゃない。
君のためなら七色の橋を作り河を渡ろう。
いい歌だ。もう、すでに20年もたっているとは。
佐野元春の音楽は、好きな曲がいろいろあるけれど、1984年5月に発売されたVISITORS というアルバムは、とても思い出深い。
その年の、19歳から20歳になる夏、わたしは初めて日本を離れ、米国ロサンゼルスにホームステイした。米国にいくつかのカセットテープを持って行ったのだが、その一つが、これだった。
あの夏のカルチャーショックが、VISITORSに収められた旋律とともに、鮮やかに蘇ってくる。
ニューヨークのことが、たくさん歌われていた。VISITORS。
あのときは、自分がまさか、ニューヨークに暮らすことになるだろうなんて、思いもよらなかった。