水曜の夜。デリー滞在も一週間となった。最初は「この蒸し暑い時期のデリーに10泊かよ!」と、悲観的になっていた我であるが、「転んでもただでは起きんぞ」という本能ゆえか、それなりに日々、楽しんでいる。
思いがけずこうしてゆっくりとデリーに滞在することで、今まで気がつかなかった都市の様子、デリー実家の暮らしぶりや価値観、同じ国なのに、ムンバイともバンガロールとも異なる側面をあちこちに見ることができ、いい勉強になっている。
「身体のあちこちが痛い」と、熱の余波はまだ残っているものの、概ね平常である。
無理をしてウダイプールに飛ぶことなく、こうして養生できたのは、結果的にはよかった。
さて、昨日は終日家にこもっていたが、午ごろ雨が降ってくれたおかげで過ごしやすく、かなり心地よかった。
全国的に埃っぽいインドだが、デリーはムンバイ、バンガロールに比しても、より埃っぽく感じる。
室内にいるにも関わらず、ラップトップの表面がざらっとする。
停電多く、電流供給は不安定。自家発電装置も軌道に乗るまでは「寄せては返す波状態」でふらふらとしている。電化製品はよほどタフでは持たないだろうと思わされる。
電力供給に関しては、ムンバイ宅があるカフパレードが一番安定している。停電はほとんどなく、あったとしても自家発電との切り替えが非常に速やかなのか、停電していることに気がつかない。
バンガロールは、水不足による計画停電を含め、一日に数回の停電があるが、自家発電装置が「やや速やか」なため、やはりさほどの不便は感じない。
ところで、ヘアドライヤーが壊れた。インドのフィリップス製であるが、不安定な電力に耐えられなかったのか、壊れた。デリーでドライヤーを壊すのは、結婚式で初めてデリーを訪れた時以来、これで二度目。
首都とはいえ、まだまだ、インフラストラクチャー面での不安定さが目立つデリーではある。
それにしても、同じ国でありながら、別の国にいるような他の都市との異なりを経験するのは、興味深い。思えば8月15日、インドの独立記念日をデリーで過ごすのは始めてのこと。盛大な式典が行われるようである。
式典を見に行くことはないにしても、なんとなく、楽しみだ。
さて、今日は今まで訪れたことのなかったHAUZ KHAS(ハウズカス)というエリアに足を運んだ。テイラーの多い地区である。が、熱射鋭く、のんびり歩ける状況でもなく、早々に撤退。何がなんだかよくわからなかった。
先日ディリ・ハートで見つけたオーガニック農業を支援する団体のショップを見つけた。この組織に入会するメンバーシップのフォームを入手した。定期的に情報誌などが送られてくるようなので、入会しようと思う。
それにしても炎天下の中、店頭での仕事は、見るからに暑い。それでも、黙々と働く人々。プロである。それはそうと、宙に浮かぶ赤い椅子の理由はなんだろう。風景にアクセントを添える飾り? ミステリアスに溢れたインドの日常風景である。
さて、ランチのあとは、本日お待ちかねのスパである。夫の看病に疲弊した身体を癒すべく(!)、マッサージである。ウマに聞いたところ、ASIAN ROOTSという小洒落たスパがあるという。
彼女自身は人に身体を触られるのがいやなので、マッサージをしてもらうことはないらしいが、友人に噂を聞いたという。ともあれ、自宅からもさほど遠くないし、LOVE INDIAにもお勧めとして載っているし、予約を入れておいたのだった。
デリーでは「雰囲気のよいスパ」として知られているらしいが、確かに雰囲気はよいものの、どことなく「温泉旅館的」な裏寂れたムードも持ち合わせている。
節電のため、照明をあまり使っていないせいかもしれない。
なにしろ値段は高級ホテルのスパ並み。
雰囲気だけで言えば、高級ホテルのスパの方がいいのではないか、と思わされる。
さて、1時間半のマッサージを選んだのだが、マッサージ自体はなかなかによかった。
「指圧的」に、かなりぐいぐいと強めのディープティシューなマッサージにて、全身がほぐされていく。ときに痛いほどであったが、終わった後はずいぶんとリラックスしていた。
終わった後はスチームサウナでオイルを肌に吸収させ、それから軽くシャワーを浴びる。身体が軽くなったような気がする。
いろいろと、綴りたいこと募れど、いい加減に、仕事にかからねばならない。
しからば、これにてご免!