ムンバイのご近所はといえば、数日前からお祭りムード満点だ。唐突に花火あり。唐突に爆竹あり。炸裂する最初の一発目は、心臓に悪い。夜の窓からあたりを見回せば、色とりどりのネオンがほどこされた、チカチカと輝く窓辺があちらこちらに。
わたしたちは、今年もまたバンガロールでディワリを迎える。明日、金曜の夜、義姉夫婦の家を訪れ、プジャーをしたり、花火やら爆竹やらをする予定なのだ。
さて、荷造りは朝のうちにとっととすませた。メイドやドライヴァーへのボーナスも準備した。しかし、ディワリ前にすませておこうと思っていた仕事を仕上げたいところだが、どうもだめだ。
何かしらやる気が出ず、すぐに気軽なブログ書きに逃避してしまう。
このごろは、集中力が持続しない。なにかしら、だらだらとしてしまう。こんなことではいやなのだが、どうしたものだろう。ここはひとつ、自らにがつんとパンチを食らわさねば。
ところで、数カ月前に書いた携帯電話の原稿が、こちらのサイトに掲載されている。ご興味のある方は、ご覧いただければと思う。
過去の記事はこちらから。
昨日は、所用で再びTHE TAJ MAHAL PALACEへ赴き、午前中をここで過ごした。
ナリマンポイントで打ち合わせを終えた夫が、午後のミーティングの前に時間があるから、一緒にランチをとろうというので、SEA LOUNGEで待ち合わせをした。
「時間がないから、今すぐ注文しておいて。10分後にはそっちに着くから。フィッシュ&チップスがいい」
時間がないわりに、がっつりとしたものを食べたがる男である。わたしはクラブハウス・サンドイッチを注文する。
スーツ姿の夫と、ランチの待ち合わせをするのは久しぶりのことだ。
出会ったばかりのころ、彼がまだニューヨークで働いていたころは、ときどき待ち合わせてロックフェラーセンター界隈のビストロや、日本料理店で、ランチを共にしたものだ。
それにしても、わたしたちは、よく「一緒に食べている」と思う。わたしは一人で食べることに抵抗がないのだが、彼は一人で食べるのが嫌いなのだ。
食べ物の嗜好が一致していることが、夫婦円満とは言わんが夫婦でやっていくための、少なくとも我が家では大切な要素である。これで食べ物に文句を言ったりうるさいことを言うような男だったら、やっとられんというものだ。
そんなことはさておき、午後の打ち合わせに出かけた夫を見送り、コーヒーを飲んでしばらく過ごした後、ホテルの周辺を歩いた。蒸し暑い。しかし、隣接するGOOD EARTHで買い物をしたかったこともあり、歩いた。
ホテルの、オールドウィングは、グランドフロア(1階)のブティックやレストラン、そして1階(2階)のこのSEA LOUNGEやバンケットルームなどは営業を再開しているものの、上階の客室はまだ、工事中だ。
見上げれば、焼け焦げた天井や煤けた壁などがわずかに見える。
11月26日。あのテロから1年がたとうとしている。普段、自然に目に飛び込んでくる、見えるところだけ見ていると、いかにも傷はほとんど癒えたような印象を受けていた。
しかし、視線を変えて、目を凝らしてみれば、癒えるどころかまだまだ、血を流している。
改めて犠牲者の冥福を祈りつつ、流血の戦いに至らねばならない世界に思いを巡らす。