昨日から、雨が降り続けている。インド南部から北部にかけて、サイクロン(台風)がやってきているらしい。この時期にサイクロンなど、とても珍しいことらしい。
さて今日は、AWCのチャリティ・バザールを訪れるべく、ウォルリ地区にあるフォーシーズンズ・ホテルへと赴いた。
アラビア海を望むマリン・ドライブの北端、この信号待ち交差点界隈は、物乞いが次々に現れるスポット。
車内に常備しているビスケットが一番はける場所である。
しかし大雨が降りしきる中、物乞いたちもひとときの休息をとるべく、バス停の屋根の下に待機している。天井から吊るされているのは、赤ん坊だ。
映画『スラムドッグ・ミリオネア』でも出て来たが、物乞いが抱きかかえている赤ん坊は、「レンタルされている」場合が多いのだという。
あの赤ちゃんたちは、どこの誰の赤ちゃんなのだろう。
いったいどんな子どもに、大人に育つのだろう。
数日前の新聞記事を思い出した。
ある共働きの夫婦が、ナニー(子守り)を雇って赤ん坊を託し、仕事に出ていた。ある日、妻が予定よりも早く帰宅したところ、ナニーはテレビを見ており、赤ん坊はいなかった。
ナニーに問いただしたところ、仲介者を通して、物乞いに赤ちゃんを貸し出していたという。貸し出すことでナニーが得ていた日当は100ルピー。仕事をせずに、さらなる収入を得ていたというわけだ。
「夜、子どもを見ると、とても疲れているようでおかしいと思っていた」
とは両親の弁。日中、彼も働いていたのである。記事によれば、この両親はこの出来事を警察に訴えることもせず、国外に移住するべくムンバイを離れるとのこと。
いかなる事情があったのか、知る術もないが、ムンバイの「起こっても、なんの不思議もない」と思われる、一面である。
さて、フォーシーズンズ・ホテルの「場所提供」により、在ムンバイ慈善団体のブースが賑やかに並んでいた。スラム在住の子供たちや、女性たち、あるいは身体障害者による手工芸品が展示されている。
わたしもクリスマスに因んだカードやギフトバックなどもあり、せっかく買い物をするのなら、こういうところで買うべきだと思い、先日に引き続き、いくつかよさげなものを選んだ。
そのあとは、AWCメンバーらとダイニングでランチ。そろそろムンバイを離れると思うと、こうしたイヴェントのひとつひとつが、とても大切なことのように思われる。
いきなり料理の写真である。左上は、昨日の夕食。雨が降って買い物にいけず、野菜は常備菜のタマネギとトマト、そして残っていたピーマンしかない。
肉類はバンガロールのBamburie'sものを大量購入してムンバイまで運んで来ているため、まだ残っている。
冷凍庫を眺めつつ、ポークスペアリブで豚の角煮風を作ることを思い立った。インド料理には不可欠な圧力鍋は、煮込み系の料理に好適で、豚の角煮などあっというまにできあがるのだ。
煮汁のおいしさも楽しみたいと思い、今日のところは日本米を炊いて「どんぶり風」にすることにした。野菜はまとめて炒め、すべてを一皿に盛りつける。
率直に言えば手抜き料理だが、しかしおいしそうに仕上がったので、記念撮影である。
豚肉は柔らかくほくほくと炊けていて、相当に美味であった。余った煮汁は、明日の夜、何かの料理に応用しようと思う。
最近は、インド食材を用いた家庭料理に磨きがかかり、我ながら、自分の手料理が毎日おいしい。
従っては、外食欲が、かなり落ちている。
先日も、外食で結構ショッキングなことがあり、ムンバイでのお気に入りレストランがひとつ減ってしまった経緯もあって、家庭料理の有り難みを痛感している昨今。
このショッキングな事件については、時を改めて記したい。
ところで右上の、見た目地味なスポンジケーキは、「バナナケーキ」である。インドの美味バナナ(熟れ気味)と、濃厚な黒砂糖と、風味豊かなバター、それに小麦粉と卵、ベーキングソーダを混ぜ合わせて焼いただけ。
これがまた、美味。
英語圏のどなたかのレシピであったが、ここに訳して転載させていただく。珍しく親切。
しっとり濃厚バナナケーキの作り方
【材料】
小麦粉 2カップ
ベーキングソーダ 小さじ1
塩 少々
バター 1/2カップ
砂糖(ブラウンシュガーなど) 3/4カップ
卵 2個
熟れたバナナ 2 1/3カップ
【作り方】
1.オーブンを175℃に熱しておく。
2.大きなボウルに溶かしたバター、砂糖、溶き卵、潰したバナナを入れ混ぜ合わせたものに、粉物をふるい入れる。
3.全体がなじむまで軽くかきまぜたら、型に入れて焼く。
焼き時間その他は、型やオーヴンによって異なるので、様子を見ながら判断していただきたい。
マフィン型に入れて焼いたら、即ちバナナマフィンになる。ウォルナッツ(クルミ)などを入れて焼くのもいいだろう。アメリカにありがちなマフィンに仕上がりそうだ。端の方が少しパリッとなるくらいに焼くのもいい。
特にインドのバナナはおいしいので、インド在住の方にはお勧めのレシピである。砂糖のかわりにジャガリを使っても、濃厚でいけるはず。砂糖はこのレシピより少なめでもいいかもしれない。