暑い。いや、熱い日々だ。なにがかといえば、インドでの日々がだ。などと改めて言うまでもなかろう。本当に、実に、毎度のことながら、「事件です!」な出来事が起こるインド。
世間からみれば、わたしはこのブログにあれこれと山のように書き綴っていると思われよう。しかし、さにあらず。日常の「ごく一部」かつ「ごく断片」を拾い上げているに過ぎない。
善し悪しを問わず、日々、さまざまが起こるものである。インドに暮らして4年と4カ月。日々の濃密さをして、しかし飽きなさをして、この歳月を長い短いと判断できぬようでもある。
今日はまた、「試用期間中」だったドライヴァーの解雇を巡り、「警察沙汰」の手前となる騒ぎであった。やくざな風貌のドライヴァーは、本当にやくざだった。
我は「姐さん」と化して、なんとか場を取りまとめた。インドに住むと、本当に、度胸がつくものである。インドに住む前からついているといえばついているのかもしれんが。
結果的には笑える話となったが、書けば長くなるので、取り敢えず後回しだ。
■3年の間の、著しい変化。改訂、無理。
相変わらず、デスクワークが続いている。3年前に作ったインドの現状をまとめるレポート(膨大な量)の改訂版を作っているのだが、作業前からの予測通り、改訂、無理。
わずか3年のうちに、あらゆる場面の、あらゆる事柄が、変化してしまったインド。情報は、書いている先から古くなる。インド関係の書籍が多数出ているが、執筆時と出版時ですでに風化が進んでしまうことも大いにある。
ときに人々から、「インドの本は書かないのですか?」と問われるが、時を経ても変わらぬもの、こと、をテーマにしない限り、あまりにも旬が短すぎる。そもそも、インドの何を書けばいいのか、わからない。
ある一時代を捉えていた、という位置づけの本ならばいいだろうが、それにしても栄枯盛衰の著しいことこのうえないのだ。
改訂というよりは、なにもかもが新規である。確かにたいへんな作業ではあるが、しかしまたこれを機に、広く浅くではあるものの、学ぶことは多い。
この3年のうちに、インドも変わったし、わたしも変わった。ある部分では、成長した。かような変化を、仕事を通して明らかに知ることができるというのは、興味深いことでもある。
3年前、予測しなかった世界が今、ここにある。これから3年後は、いかに在るのだろう。
■パリの夜が、そばにある。新しいカフェがオープン
たとえば3年前。バンガロールでおいしいバゲットが食べられるようになるとは、思わなかった。一番上の写真、CAFE NOIRという店が、UBシティにオープンした。パンだけでなく、焼き菓子類も美味である。
この店のオーナーは、このブログでも幾度となく記していイタリアンレストランであるTOSCANOのオーナーシェフのお兄さんだとのこと。
TOSCANOのオーナーシェフであるジャンミッシェル氏は、以前も紹介したが、南仏ニース出身のフランス人。詳しくはこちら(←Click)を。その彼の兄がオープンした店が、CAFE NOIRである。
先日、UBシティにミーティングに赴いた夫が、しかし会うべき相手から30分遅れの連絡を受けたため(インドでは日常茶飯事)、カフェでお茶を飲みつつ、オーナーと話をしたらしい。
その話によれば、彼はそれまでパリでIT関連企業のマネージャー職についていたのだが、50歳になったのを機に、心機一転、新しいことを始めようと、妻子をパリに残して、単身バンガロールへやってきたらしい。
弟の勧めもあったのかもしれないが、未知なる業種の仕事を、それもインドでやろうという心意気が憎い。
なんでまた、インド? という気もしないでもないが。
夫曰く、この店のサンドイッチもかなりおいしかったらしい。わたしはまだ味わっていないので、次回、試してみようと思う。
ちなみにクロワッサンは「いまいち」らしい。クロワッサンと言えば、ムンバイのグランド・ハイアットに隣接するモールのカフェにある「どことなくディーン&デルーカ風」なカフェのクロワッサンが格別だ。
先日、ムンバイからバンガロール宅へ戻る帰りに立ち寄ったので、多めに購入して「空輸」したのだった。冷凍保存したものでも、オーヴントースターで温め直して食べられる。温め直しでも悪くない。
3年前には、UBシティのような複合商業施設が誕生し、ルイ・ヴィトンだのバーバリーだのを擁するモールが誕生し、美味で廉価なイタリアンや、フランスのペイストリーが味わえるようになる、などということを、うまくイメージできなかった。
この目まぐるしい変化は、日常生活のあらゆる側面においてみられることで、今回こうして資料を「改訂版」ならぬ「新規」に作り替えることで、近代化、現代化が一筋縄ではいかず、当然ながら「いいことづくめ」ではないことも実感し、得たもの、失われたもの、守られるべきもの、葬られるべきもの……無数の要素が渾然一体と、とりとめもなく轟々と流れてゆくことを、痛感するのだ。
■アンサナ・スパでリフレッシュの土曜
先週の土曜日は、おなじみAngsana Spaへ赴いた。夫婦揃ってフェイシャル&ボディマッサージである。久々登場のマイハニーは、おニューのシャツがアンサナのロゴマークとおそろいのようである。
実はこのシャツ、Leela Galleriaの地下にあるセレクトショップで購入したNAUTICAのシャツ。
米国在住時は、NAUTICAのカジュアルなシャツをたまに着ていた夫だが、インドのNAUTICAで、わざわざ割高なものを購入することはなかった。
ところが先週、義父ロメイシュの誕生日プレゼントを探しにうろうろとしていたところ、NAUTICA全品六割引、というのを発見して、店内でしばらく物色し、夫にも購入したのだった。
義父のプレゼントに六割引はいかがなものか。と一瞬躊躇したが、品物がよいのだから、よしとした。
ちなみになぜ、六割引、などと漢字で書いているかと言えば、このブログを義理家族も見ているからだ。もしも六十パーセントオフ、と英数字で書いたら、即、ばれるというものである。心遣いである。ふふふ。なにがふふふだ。
ともあれ、同じようなクオリティの衣類が廉価で入手できるインドでは、このような中途半端な位置づけの海外ブランドのファッションは、売れ行きを伸ばすのに困難であろうことが察せられる。
■そして今日は、さくら会のランチであった
本日は、久々に、さくら会のランチに出席した。毎度のことながら、次々に人は去り、次々に人は訪れる。わたしより長くバンガロールに暮らしている人は、本当にわずかになってしまった。
無論、わたしたちは4年のうち2年は主にムンバイだったし、海外へ出ることも多い。
従っては、しっかりとバンガロールに根を張っているいうわけでもないのだが、それでも長いこと住んでいるのだな、と、このような会に出席するにつけ、思う。
ランチの場所は、やはりUBシティ。新しくオープンしたFAVAという店。地中海、中東の料理を出すレストランだ。
雰囲気もよく、料理も美味で、これまた心地のよいひとときであった。
そろそろチャリティ・ティーパーティも開きたい。OWCを口実として、あれこれと企画したいこともあるのだが、今年もまだまだ、落ち着きそうにない。と言っているうちにも、2月は逃げて、3月は去りそうである。
■バンガロール産のウイスキーが世界第三位?!
驚くべきことに、そうなのである。バンガロールでウイスキーが、しかもそんなに価値あるものが製造されているとは知らなかった。それもそのはず、インド国内では販売されていなかったからだ。
数日前の経済誌mintを読みながら、夫が感嘆の声を上げていた。どれどれわたしにも読ませてくれと新聞を見れば、バンガロールにあるAmrutというウイスキー製造会社の記事。
ローカル向けには「安いウイスキー」を販売している老舗だが、6年前から「シングルモルト」をウイスキーのメッカであるスコットランドへ輸出開始。
英国のウイスキー専門ライターによる「ウイスキーバイブル2010」で、世界第三位に選出されたとのことである。そもそもウイスキーの味のなんたるかをわかっていないわたしにとっては、なにがなんだかわからんが、しかし飲んでみたい。
記事よれば、1カ月前からインド国内でも販売が始まったという。本日、早速近所のThom's という酒屋併設のスーパーマーケットへ訪れた。しかしあいにく、「プラスチックボトル入り」の安いウイスキーしかなかった。
店の兄さん曰く、
「シングルモルトは来週の金曜日に入荷します」
とのこと。きちんと来週の金曜に入荷されるとは決して思えないが、しかし、今後こまめにチェックして、「世界で三番目のおいしいウイスキー」とはどんなものか、味わってみたい。
ちなみにインド産のアルコールの代表的なものに、BLACK DOGというスコッチ、それからOLD MONKというダークラムがある。
特にOLD MONKは、カクテルや菓子作りにも重宝する。
しかも廉価。お勧めである。
インド発、元気なキレイを目指す日々(第二の坂田ブログ)(←Click)
■着物の着付け。書道のたしなみ。
■天竺揚羽が舞い飛ぶ庭で。