今週もまた瞬く間に過ぎ、5月も下旬となりて。日本の母によれば、福岡は今日、とても暑かったようである。一方のバンガロールはここ数日、雨が多いせいか気温が下がり、過ごしやすい。「高原の避暑地」ムード満点だ。
暑すぎるころには姿を見せなかったチョウたちも、今日はレモン色のモンキチョウや、黒やストライプのアゲハチョウが庭を舞い飛び、鳥たちのさえずりもまた艶やかで。
今月27日はブッダ・プルニマ (Buddha Purunima) と呼ばれる、仏教徒の祝祭日。4月〜5月の満月の日、仏陀が誕生し、悟りを開き、涅槃に入ったことから、毎年この時期の満月の日、ブッダ・プルニマが定められるとのこと。
マハラシュトラ州(ムンバイのある州)の観光案内によると、インドの仏教徒はこの日、「沐浴し、白づくめの衣装をまとい、仏陀の教えを聞いたり、家に僧侶を招いて仏陀の話を聞いたりして過ごす」とのこと。
今年の5月27日は奇しくも亡父の七回忌だということもあり、わたしも仏教寺院でお祈りの一つでもしたいものだと考えた。しかし仏教徒が少ないインド。近所に寺院があるかどうかわからない。
インターネットで調べたところ、わが家から車で5分ほどのところに仏教寺院、Buddha Viharの存在を発見した。27日に突然行くのはリスクが高すぎるので、あらかじめ下調べをしようと出かけたら……。
案の定、裏寂れていた。というか、工事中? のようである。あたりには、誰もいない。だいたい、どこを見ても誰かがいる視界是人だらけなインドにおいて、誰もいないということ事態、寂寥感満点だ。
入り口に南京錠がかかっているのは門からでも見えたが、一応、内部を確認せぬことには落ち着かない。中庭に入り、郵便受けのようなドアの隙間から中をのぞくが、薄暗くよく見えない。
カメラを郵便受けに差し込んで撮影したところ、肉眼で見るよりもきれいに、中の状況が捉えられた。一番上の写真がそれである。寂しい感じで仏像がぽつんぽつんと。そして左側に、ダライ・ラマらしきお写真が……。
ヒンドゥー寺院などの派手派手な内装を見慣れているせいもあり、この寺院がしんみりと見えてしまうのかもしれない。
インドは仏教が生まれた国ながら、仏教徒は少ない。各宗教の信者の割合は、大まかに上の円グラフが示す通りだ。それゆえ、仏教寺院も圧倒的に少ないのである。
現在、インドにおける仏教徒には、ダリット(カーストから排除された不可触民と呼ばれる人々)出自の人たちが多いとされている。
宗教事情に明るくないわたしがあれこれと綴るのもなんなので、興味のある方は、下記ウィキペディアなどを参考にしていただければと思う。
■インドの仏教(Wikipedia)
そういえば、ムンバイには日本山妙法寺がある。ここには日本山墓地があり、からゆきさんをはじめとする日本人が眠っているとのことだ。
からゆきさん。
25、6歳の時、マレーシアのボルネオ島を取材で訪れた。コタキナバルから四輪駆動車で、キナバル山経由し、サンダカンへも行った。あの地もまた、からゆきさんの魂が眠る地。
山崎朋子著の『サンダカン八番娼館- 底辺女性史序章』を読むと、日本がどれほど貧しい国だったかが、愕然とするほどよくわかる。あれほど痛ましい本もなかった。
女衒にだまされ、家族と引き裂かれ、船に乗せられ、見知らぬ国で、年端も行かぬ少女らが身売りを強いられる。まさしくそれも、日本の歴史の、そう遠くない過去の断片である。
ムンバイに住んでいた時には、なぜか訪れる機会がなかった日本山妙法寺。にも関わらず、今、とても足を運びたいという思いに駆られている。
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