本日、南インドは祝日だ。キレイなブログにも書いたので詳細は省くが、数日間に亘って収穫を祝う祭りが行われているのである。
5年も住んでいながらいい加減な話だが、年中、いろいろな宗教のいろいろな行事があるゆえ、覚えられないのである。というか、覚える気がないのである。いや、覚えても忘れるのである。
さて、本日は土曜日だが、祝日につきメイドも休み。朝から静かにのんびりと過ごそう……と思いきや、10時ごろから上階で激しい槌音。これがまた、ガンガンと頭痛を招くほどに響く。
業を煮やして上階に電話をすれば、「風呂場の水漏れがあるので、タイルの張り替える作業をしている」とのこと。
なにも祝日にやらなくてもと畳み掛けると、平日は仕事で不在だからと返される。水漏れがやがて我が家に波及すると思えば、やってもらっておくにこしたことはないのだが、しかしうるさい。
我が家はデュープレックスで吹き抜けになっている上、大理石やタイルの床であることから、音の反響がすさまじい。
階下で歌うと、まるで「銭湯で歌っているかのよう」に、エコーのきいた、いい歌声になるのだ。
そんな次第で、ハンマーのガンガン打ち鳴らされる音が家全体に響き渡り、夫と二人で庭に避難。
幸いにも、夢のように心地のよい天候である。
太陽の光を身体に受けつつ、暑くもなく寒くもなく、青空は澄み渡り、何匹もの蝶が乱舞し……。
さて、果物を食べながら、新聞を広げれば、あれこれと、新しい知らせ。
我が家のすぐ近所にまたしても、スーパーマーケットがオープンした。わたしたちがこの家に移ったのは2007年3月。
その間に、いったいいくつのスーパーマーケットがオープンしたことか。
しかし、結局はローカルの食材が揃う昔ながらのTHOM'Sや、安全な野菜を販売するNAMDHARI'Sばかりを利用している。
新しいスーパーマーケットを使う機会は少ない。
それは、わたしたちの食生活が、極めてシンプルに回帰しているからでもある。
同時に、新しいスーパーマーケットの中途半端な存在感が、買い物をしづらくしている。
具体的にどういうことなのかを書き始めると長くなるので書かぬが、ともあれ、新しければよいというものでもない。
ところで経済誌mintの土曜版、LOUNGEを開いて、思わず目を見張った。
南ムンバイのコラバに、LE PAIN QUOTIDIENがオープンしていたのだ。
LE PAIN QUOTIDIENとは、ベルギー発のカフェ&ベーカリー。
わたしたちがニューヨークで定宿しているのは、カーネギーホール斜向いのホテル。
そこから2ブロックの場所に1軒あることから、しばしば朝食に利用している店でもある。
パンやスイーツ、サンドイッチなどヘルシーな料理がそろっており、雰囲気もいい。
マンハッタンを訪れるたびに、店舗を増やしているのに気づいていたが、ムンバイにも登場していたとは。
思えば昨年の後半は、ムンバイに足を運ぶ機会がなかった。
実は夫の仕事がムンバイではなくバンガロール拠点になると確定したのが昨年の中頃。
それまでは、いつムンバイ&バンガロール二都市生活になるやもしれず、実は家財道具もムンバイのストレイジルームに預けたままだ。
あれらも、なんとかせねば。
ムンバイとはバンガロール以上に混沌度高く、しかし住めば都。それなりに濃厚で楽しい日々を過ごしていたものだ。
あの、50メートルほど歩いただけで、1キロほども歩いたような疲労感に襲われるコラバの繁華街を、急に歩きたくなった。
そして、LE PAIN QUOTIDIENやら、INDIGO DELIやら、THE TAJ MAHAL PALACEのドアをあけて、別世界にエスケープするのである。
複数の異なる世界が共存するような、あのあたり……。
そういえば、スターバックスがついにはインドに進出するらしい。
わたしたちが移住してからも、幾度かそんな噂が流れたが、実現していなかった。
タタ財閥(タタ・グルーム)傘下のタタ・コーヒーとの提携らしい。
ちなみにタタ・コーヒーは、米国の「エイト・オクロック・コーヒー」も傘下に収めている。
インドと言えば、紅茶の産地として世界に知られているが、南インドはコーヒー豆の産地がある。
庶民もまた、コーヒ好きであるのだ。
もっとも、ブラックで飲むというよりは、チャイ同様、ミルクと砂糖たっぷりのコーヒー牛乳であるが、それがまた美味なのだ。
昨年訪れたクールグのコーヒー農園リゾート、オレンジカウンティ。あのリゾートのほど近くに、タタのコーヒー農園があった。スターバックスはコーヒー豆の生産にも関わるとのことである。
ちなみに最初はやはりタタ・グループのホテルであるTAJ系列のホテルに、スターバックス店舗を展開するという。
インドには、デリー拠点のBARISTA、バンガロール拠点のCAFE COFFEE DAYを中心に、外資系ではCOSTA COFFEEやらなんやらが、あちこちに進出している。
ちなみに、BARISTAはタタ系列だったが、数年前にイタリアのラバッツァに買収されている。
インドにおいて、これらコーヒーチェーンは、大げさではなく、「若者文化と生活習慣を大きく変えた場所」だと思う。
多分、10年くらい前までは、インド都市部では、若者たちが健全に集って遊べる場所が極めて少なかったと思われる。ショッピングモールやカフェが誕生したことで、「デートの場所」も増えた。
5年前にはまだ、若い男女が二人でテーブルを囲んでいる様子を目にすると「妙に目立っていた」気がするが、今では普通の光景になっている。
なにしろ25歳以下の人口が国民の半数以下を占めるインド。その中で、カフェを利用できる層は限られているとはいえ、しかし膨大な数でありポテンシャルである。
十数年前に一度進出した時には、インドの食文化その他への冒涜だとして、一度は撤退していたKFC。ここしばらくは、「ファミリーレストラン」としての位置づけが定着、バンガロールだけでも店舗を次々に増やしている。
あまりにも、さまざまなことが急激に移り変わり、そしてなじんでいるので、ずっと以前からこんな感じだったと錯覚してしまうが、この、わたしが知る限りにおいての、わずか5年間においてすら、ライフスタイルの変貌はすさまじいものだ。
インドのチェーン店以外での、その他のカフェ、についても書きたいことがあれこれとあるのだが、今日のところは、この辺にしておく。
■クールグ。コーヒー農園のリゾートにて:昨年の記録 (←Click!)
インド発、元気なキレイを目指す日々(第二の坂田ブログ)(←Click)