■ニゴンボ Negombo:静寂が似合うブティック・ホテル。旅の始まり
目覚めれば、朝靄に包まれた庭が、麗しい。
箒を携えて庭を履く女性の姿が、美しく見える。異国だな、と思う。
なぜならそれは、インドと似て非なるディテールだからだ。
インドでは、なぜか人々は「柄が非常に短い箒」を使い、腰を曲げて掃く。路上などでは、たまに2本の箒を両手に持って、二刀流でワシワシと掃いている人を見かける。
決して優雅ではない。
ところが、日本同様、きちんと柄のある箒で姿勢よく履いている姿は、それだけで所作が美しく見え、光景全体が端正に見える。
日本に似ているから、そう感じるのだろうか。
漁村であるせいか、庭にも猫が多い。それにしても、なんと居心地のいい宿だろう。ついうっかり、2泊ほどしたくなる雰囲気だ。
外観は欧州の片田舎を思わせるが、木材の温もりが味わい深い家具調度品は、ニューヨークのメトロポリタンミュージアムでも見かけるところの、フランク・ロイド・ライトの建築物に似合いそうな風情。
ちなみに、アールヌーヴォー風味のあるこの椅子は、のちに非常に有名なホテルにて、同じものを見かけることになる。ということは後日記す。
これまで、さまざまな国の、さまざまな土地の、無数の宿に、滞在してきた。
バックパッカーのころの安宿から、高級なラグジュリアスホテルまで。
今回の旅を通して、「ホテルの存在感」についてを、考えさせられるに至る、いい経験をした。旅とホテルについては、別の機会にテーマを設けて記したいところである。
が、あっさりと言うならば、世間的評価はさておき、「自分が好きと感じるか否か」「居心地がよいと思うか否か」に帰結する。
周辺の環境や、旅の有り様、目的などのさまざまな要素が絡み合ったうえでの。
今回、いくつかのホテルについて記述することになるが、著名な建築家なるホテル、あるいは高級なホテル、といった冠を取り払ったところの、個人的な嗜好と視点で以て、綴っていこうと思う。
とりたてて、どうということのない、フルーツとスクランブルエッグの朝食。コーヒーや紅茶もセルフサーヴィス。
しかしながら、旅をはじめる気持ちを湧き立たせるような、静かな歓びを感じさせてくれる。
それは、海に近い場所特有の、風の匂いや、樹木に囲まれた敷地内の静寂や、スタッフたちの静かな微笑みや、訪れている人たちの、静かな様子のせいかもしれない。
スリランカに到着して、まだ10時間もたっていないというのに、「ああ、ここはいいところだ」と感じさせてくれるところが、うれしい。
朝食をすませ、荷物を車に積み込んで、さて、これから島の東、内陸にあるダンブーラを目指してのドライヴだ。
■VILLA ARALIYA (←Click!)
上の写真が、今回の旅の車だ。
旅行会社から提案された数台の中から夫が選んだ、トヨタのハイブリッド車。途中、山道などがあるゆえ、それにふさわしい車がいいのではないかと思ったが、これもまた旅行代理店から勧められたらしい。
ハイブリッド車に乗るのは初めてのこと。もったりとした走り出しに違和感を覚えたが、車内は快適だ。ただ、ドライヴァーのサミートは、この車を運転するのがはじめてということで、どうにも運転の切れが悪い。
運転のせいなのか、車のせいなのかわからんが、微妙な違和感を覚えつつも、その燃費のよさに驚きつつのドライヴであった。
しかし、この車を選んだことが原因で、その後、痛い目に遭うのである。
左上。モニターが100%日本語につき、操作に困るサミート。なんでもオーナーが日本から直輸入したらしい。
車内だけではない。車窓からも、日本語が目に飛び込んで来る。
日本の車両がそのまま走っているのだ。
スリランカは、自動車の製造が需要に追いついていない(極めて少ない)とのことで、日本から中古車を輸入しているとのことである。
しかし、なぜ塗装せず、そのままなのだろう。読めない日本語ゆえ、そえは模様みたいなものなのだろうか。
そらもう、道中のあちこちで、このような日本の車両を見かける。「ここはどこなんだ?」という状況だ。
そのほか、NIPPON, JAPAN, TOKYO, OSAKAといった文字のある看板が、随所で見られる。ペイント、セメントなどが主立ったところか。
と、とあるところで、「ONARA」と書かれた看板を発見。
「ミホ、オナラだってよ、オナラ!!」
アルヴィンドが興奮して叫ぶ。日本語を話せない夫だが、日本料理店のメニューと、しょうもない身近な単語だけは、理解できるのである。
それもこれも、妻の不徳の致すところだ。
そんな話はさておき。
噂に聞いていた通り、インドとこんなに近いのに、インドとは違ってゴミが落ちていない。光景がきれい。
いったい、なぜインドはああも、著しくとっ散らかっているのか。
途中、タイル工場などを眺めつつ、片側1車線の道路を、のんびりと走る。ちなみに今回の旅では、合計1,000キロ以上を走破したが、その大半が片側1車線の主要道路であった。
さて、途中でココナツジュースを飲もうと、車を停める。幾度となく記したが、ココナツジュースは非常に身体によい。体内に速やかに吸収される、いわば天然のポカリスエットだ。
体調不良時に食事がとれないときは、ココナツウォーターをたっぷり摂取するといい。点滴のような役割を果たしてくれるのだ。
ところでスリランカのココナツは、インドで見かけるグリーンのココナツと異なり、黄金色。「キングココナツ」と呼ばれているらしい。
飲み慣れたインドのココナツよりも、味が若干濃厚で、おいしい! しかも水分量がかなり多い。夫婦揃って、たちまち気に入ってしまった。
仏教徒が7割を超える国。しかも日本とは異なり、敬虔な信者が多いこともあって、随所で大小さまざまな仏像を見かける。
日本の仏像とは異なり、ウエストラインがスリムなシェイプだ。またしてもメトロポリタンミュージアムの話題だが、アジア美術のコーナーはまた、非常に興味深い。
インドから大陸を経て日本にたどり着いた仏教。その仏像の体型や顔立ち、表情の変遷を見るのがおもしろいのだ。
中国から朝鮮半島、日本にいたるにつれ、目が細くなり、顔がふっくらとなり、胴体が太くなっていく。
日本とスリランカの仏教の違いについて、手元の書物に的確な記述があったので、以下、原文のままに抜粋させていただく。
釈迦(前463-前383)の開いた仏教は、インドではイスラーム教徒の侵入とともに13世紀初頭には滅びたが、他方ではアジア各地に伝わり現在でも信仰されている。
この現存する仏教は、
①パーリ語(釈尊にごく近い時代のインドの民衆語)の仏典に基づくスリランカ・東南アジア(ミャンマー・タイ・カンボジャ・ラオス)の上座部仏教
②漢訳仏典に基づく中国・台湾・朝鮮半島・日本・ベトナムの東アジア的な大乗仏教
③チベット語訳の仏典に基づくチベット・ブータン・モンゴルのチベット仏教とサンスクリット語(インドの古典的な雅語)の仏典に基づくネパールの仏教という密教的な大乗仏教(金剛乗)
の三つに大きく分かれる。
※『インドを知るための50章』明石書店「仏教の衰退と拡大」の項より
上記にある「上座部仏教」とは、一般に「小乗仏教」と言われているそれに該当するが、上座部仏教側からすると、蔑称になるとのこと。
ところで、スリランカンエアに乗ったときから、気になっていたスリランカ女性のファッション。
フライトアテンダントの女性が着ていたのは、インド的サリーにひらひらとしたフリルがついた民族衣装であった。フリルつきは、キャンディアン・スタイルと呼ばれるそうだ。写真はのちに掲載する。
一方、インドと同じ着用法による、サリーを着ている女性もいる。しかし、主には年配の女性。聞いたところでは、結婚式などハレの日には、若い人たちもサリーを着用するという。
しかし、道中で見る限りにおいて、ロングスカートを普段着として着用している女性が多かった。ギャザーの寄ったものや、二段、三段と切り替えがあるものなど。
インドの場合、足首を出すことが基本的にタブーなので、サルワールカミーズにしても、下にパンツ状のものを着用する。
そのせいか、スリランカの女性が膝下を出しているのが、妙に新鮮に感じる。
ヤシの木揺れる、南国的風景が続いたかと思えば、「ここは日本?」と思わせるような、懐かしさのある田園風景が広がる。短い道中にも、起伏に富んだ光景が広がっており、ドライヴが楽しい。
途中で、特に有名でもない、しかし考古学的に意義深いらしい「7,000年前の墓地」を見学。左上の写真がそれである。
7,000年前の遺跡が、無造作に、ごろりと転がっている。
■妥協を許さぬ夫の「食欲」が探し当てた、美味なるランチ
約3時間半のドライヴを経て、正午過ぎ。ダンブッラの石窟の近くまで到達した。石窟を訪れる前に、ランチをとることにした。
ドライヴァーが勧めてくれたレストランは、こてこてのツーリスト向け。ツアーバスが横付けされている。
料理はといえば、ブッフェがメイン。それもスリランカ料理ではなく、パスタなどのコンチネンタル。その上、値段が高い。
スリランカに来たのだから、最初くらいはスリランカの料理が食べたい。しかし、小さな地方の街。ドライヴァーとて、ローカルで美味な食堂などわかるはずもなく。
アラカルトを注文できるかと問う夫に、ウエイターは非常に億劫そうに言う。
「できるには、できますが、時間がかかります。最低でも20分ですね」
最低20分ってことは、どれだけ待たされるかわかったものではない。時間を無駄にしたくないし、ここはブッフェで妥協しようと言う妻に、
「僕はこんなところで、ツーリスト向けのブッフェなんか食べないからね!」
と断言。いい店を探すと言い張る夫。そうは言っても、わたしたちもツーリストやん。と妻は言いたいところだが、こうなると頑固なマイハニー。
夫は、無駄なこと、価値のないことにお金をかけたくない男だ。まあ、ケチ、と言えばそれまでなので、「堅実な人」とでも表現しておこう。
なお、わたしとて、身の丈重視の堅実な方だが、しかし、つい面倒になって、太っ腹に支払う場面もあり。そのささやかな価値観のずれが原因で、夫婦喧嘩勃発は、日常茶飯事だ。
などという話はさておいて。
こんなところで、おいしいスリランカ料理を出す店なんて、簡単に見つからんやろう。
と思っていた妻の予想を裏切り、夫が「ここ、車停めて!」と叫んだ場所は、看板さえまだ出ていない、新しいレストランであった。
カジュアルかつモダンなカフェで、サンドイッチなどのメニューが見られるが、一方、「鶏肉か魚のカレーと、野菜カレー3種&ライス」というメニューもある。
インドでは「ミールス」とか「ターリー」と表現される定食だが、スリランカでは「ライス/カレー」という単語が全面に出されているのが一般的なのだろうか。
このあたりも、どことなく日本的だ。
ともあれ、ここの料理は、思いがけず、ヘルシーで美味であった。
特に、緑の葉っぱの千切りのようなものが旨い。ダル(豆の煮込み)もスパイシーなのだがなぜかマイルド。南インド料理に似てココナツミルクがきいているものもある。
ただ、メインとなる魚のカレー以外は、どれも冷めたまま出される。これはこの店に限らず、他の店でもそうだった。アツアツを出さないのもスリランカ流なのか。
加熱し直すと、素材の栄養が飛ぶとか? つい好意的に考えたくなる、冷めてもおいしい、滋味豊かな料理であった。
インドの外食は、たいてい油っこいのだが、これらは油分が極めて少なく、胃にもやさしいのだ。まさに「薬膳的味わい」である。
もっとも、頼んだパイナップルジュースが水で薄められていてまずかったのと、コーヒーがどうにもおいしくなかったのが残念。
スリランカでは、コーヒーよりも紅茶を選ぶべきだな、と朝食&ランチの経験を通して学んだ。
■ダンブッラ Dambulla:世界遺産の石窟寺院で、タイムスリップ
ダンブッラ初日の今日は、最も楽しみにしていた場所のひとつ、ユネスコ世界遺産の「ダンブッラの黄金寺院」を見学する。入り口には、巨大な黄金色の仏像が建てられているが、これは新しいもの。
ここから坂道を15分ほどのぼった先に、その石窟寺院はあった。
途中、ファンキーなヘアスタイル(?)&耳の形が印象的な猿に出合ったりしつつ、息を切らして丘の上へ。実に見晴らしのいい場所だ。
なお、ヒンドゥー寺院やモスクなどでもそうだが、スリランカでも、寺院などを見学する時には靴を脱がねばならない。
場所によっては、地面(石)が熱で熱くなっているので、靴下をはいて入るのがおすすめだ。
世界遺産であるところのこの遺跡。詳細を綴ると尽きないので、関心のある方は、ウィキペディアの記事を「参考までに」読んでいただければと思う。
■ダンブッラの黄金寺院/ウィキペディア (←Click!)
紀元前3世紀から、時代時代に手を加えられ、姿を変えつつ、スリランカを代表する仏教寺院へと発展していったダンブッラの黄金寺院。
以下、五つの石窟からなる寺院の写真を、ランダムに載せる。
ここを訪れる前に、昨年、「アジャンター&エローラの遺跡巡り」をしておいたのは、本当によかったと思う。いろいろな意味で、視点の幅が広がった。
この石窟寺院は、アジャンターのそれと同じような構造だが、規模はぐっと小さい。アジャンターに比して石窟内の絵画は鮮明で、仏像らも「新しい」印象を受ける。
個人的な印象からすれば、アジャンターの絵画の方が格段に、「芸術的な躍動感」や「生き生きとした生命力」が潜んでいると感じた。
もっとも石窟内は薄暗く、それらをじっくりと見入る環境があまり整っていないのが残念であったが。
だからといって、このダンブッラの黄金寺院に見応えがないのか、というわけでは、決してない。
現代の旅行者が束の間、旅人として訪れる限りにおいては、そのプレゼンテーション、一見してのインパクトは、このダンブッラが強いとの印象さえ受けた。
特に第二の広大な石窟。涅槃仏(寝釈迦像)を中心に、さまざまな仏像が並ぶ様子は圧巻だ。
更に言えば、アジャンターよりも観光客が少なく、静かに見学できるのがよい。
見るべき場所が少ないことは、逆にいえば、一カ所にじっくりと集中できるということでもある。
ここで見る仏像は、しかし、わたしの目に仏像は、あまり優しげにはうつらない。
感情を排した、無機質な表情に見える。ドレープ波打つ法衣をまとい、ただ、無口に鎮座している。静かに強い迫力が、ずしんずしんと伝わって来る。
気に入った 第二の石窟の一隅に座り、しばらく、ときを過ごした。
静かに般若心経を唱え、身近な、亡くなりし人々を忍びつつ。心鎮めてこの空間を、心身に刻み込む。
ここもまた、生涯決して、忘れることのできない場所となった。
■1500年以上を遡る旅。石窟内に広がる仏教世界へ。 (←Click!)
石窟寺院では、心ゆくまで、時間をかけてゆっくりと、すごした。
満たされた気持ちで、さて、今夜の宿を目指す。寺院からは車で30分ほどの人工湖のほとりに立つリゾートだ。
湖を望む脇道に入った途端、緑豊かな光景はいっそうの輝きを増した。思わず車をとめてもらい、外へ出る。こんな長閑な光景を見るのは、ずいぶん久しぶりのことだ。
緑の有り様を見ているうちに、ハワイのカウアイ島の光景を思い出した。
水田とヤシの木と、潤う緑のある光景。
あれは何年前の旅だったろう……と思いを馳せるに、もう6年もたっている。
旅。できるうちにいくらでも、旅をすべし。
命短し、旅せよ乙女。我がキャッチフレーズを改めて噛みしめつつ。
客室が12というこぢんまりとしたニゴンボのブティック・ホテルに対し、今日は客室数も多い、ツアー客を受け入れるリゾート。
風情はまったく異なるものの、雰囲気は悪くない。
ウェルカムドリンクは爽やかなアイスティー。アロマオイルのいい香りのする冷たいおしぼりで汗を拭き、冷たいドリンクを飲む瞬間の気持ちよさ。
木漏れ日がやさしい庭を通り抜け、コテージの部屋へ。なぜかアップグレードしてもらえた部屋は、リヴィングとベッドルームのスペースがわかれたラグジュアリー・ルーム。
ところで、スリランカでもまた、アーユルヴェーダは古くから根付いている伝承医学だ。スリランカでもマッサージを受けてみたく思っていたのだが、しかし、夕暮れの景色を見逃すのも惜しく。
夫がプールで泳いでいる間、結局はひとりでゆっくり、湖畔を散策する。白鷺が舞い飛び、傾いた日差しは静かに湖面を照らし、なんと清澄な光景だろう。
対岸の山間に、見えるか見えないかの、建築物が存在している。今回、宿泊するか否か迷ったホテル、カンダラマ・ホテルだ。
このホテルを建築したのは、スリランカが生んだ著名な建築家、ジェフリー・バワだ。
アマン・リゾートにも影響を与え、数々のアジアのリゾートの原点になったとも言われる「知る人ぞ知る」建築家である。
かく言うわたしも、つい数年前までは彼の存在を知らなかった。
2007年に日本に帰国した際、たまたま購入した旅行雑誌で、彼の手なる、ゴールの「ライトハウス・ホテル&スパ」の記事を読んで、初めて知ったのだった。
以下のホームページのリンクを見ていただければわかるように、自然の景観を最大限に生かした、考え尽くされた設計による建築物らしい。
建築に造詣が深いわけでも、強い興味があるわけではないものの、関心はある。
1泊くらいは泊まってみたいと思ったが、地理的に奥まっていて不便なのに加え、ゆっくりと館内の建築を満喫するような時間もない。
せめて時間があれば、ランチか夕食だけでも訪れたいと思っていたが、今回の旅では、その時間の余裕もなかった。
以下、ジェフリー・バワ及びカンダラマ・ホテルに関するリンクだ。ちなみにホテルのサイトは、建築のよさがあまり伝わらない、残念な作りだ。
■ジェフリー・バワ/ウィキペディア (←Click!)
■HERITANCE KANDALAMA HOTEL (←Click!)
規模が大きいこともあり、団体客が訪れることから、ダイニングルームの雰囲気は今ひとつ。欧米各国、中国、日本と、大小のグループがテーブルを連ね、各国の言葉が賑やかに飛び交う。
うるさすぎる。正直、風情がない。
このような場合、またしても料理はブッフェである。
スリランカ料理のほか、コンチネンタル料理、パスタコーナー、肉類のバーベキューカウンターなどがあり、国籍混沌状態。
アラカルト・メニューはあるにはあるが、今ひとつ魅力に欠ける。
「わたしたちは、スリランカの料理が食べたいのだけど、どれがお勧めですか」
と、ウエイターに問うたところ、ブッフェのスリランカ料理だけを、割引した値段で食することも可能だとのこと。それはナイスだとばかり、スリランカ料理のみを味わったのだった。
昼に続き、夜の料理も、インド料理の外食とは異なり、油脂が控えめで野菜が豊かに使われている。おいしい。
そもそもスリランカもまた、ヴェジタリアンが多く、野菜料理が豊かな国だ。もっとこの国ならではの料理を試したいと思いつつ、料理を味わう。
ところで今回の旅行中、食事がヘルシーだったせいか、胃腸の調子がとてもよかった。
普通なら、どの国を旅しても、1週間以上外食が続くと、身体が重くなるのだが、今回はきちんと食事をしたにも関わらず、増量することもなかった。
スリランカの食事は、スリランカ料理以外も、おいしかったのだ。ということは、また追々、記そうと思う。
食事を終えて、庭を散歩する。夜空を埋め尽くすかのように、満天の星空! あまりの星の多さに、きれいを通り越して恐ろしいとさえ思えるほどだ。
見慣れているオリオン座の周辺にも、見たこともない小さな星々が、それはもうたくさん鏤められている。なんということだろう。
なんという、ところだろう。
スリランカに入国して、わずか24時間。
すでに濃密な経験をした気分だ。この国のことを、すっかり、好きになってしまった。
■AMAYA LAKE: DAMBULLA RESORT (←Click!)