移住当初の6年前から比べると、本当に見事なほど、あらゆる側面において変貌著しいインド。外食産業にしても然り。
次々に新しいレストランが、ショッピングモールが、高級ホテルがオープンし、新しい味覚を試し、新しい食材を入手できるようになった。
日本料理店に関しては、まだまだ少ないとはいえ、それでもITC Gardeniaに日本食レストランの「江戸」がオープンし、寿司や刺身をはじめとする日本食が楽しめるサンデーブランチが登場したのは、画期的だった。
日本食が好きな夫も大喜びで、折に触れ、訪れている。
さて、上の写真は昨日のもの。バンガロール市街西部に1年ほど前にオープンしたSheraton Hotelのグランドフロア(1階)、Feastというコンチネンタルのダイニングの一隅。
このレストランのブッフェで、今日から約10日間に亘り日本料理フェアが開催されるとあり、メディア向けの試食会に招かれた次第。
寿司シェフの森田創(はじめ)氏は、ウェスティンホテル東京の日本料理店「舞」からいらしたとのこと。
初の海外出張がバンガロール、しかも準備期間が3日間。それはなんともチャレンジングだ、との印象を受ける。
海外渡航経験、あるいは海外在住経験のある富裕層やNRIのなかには、日本料理を好む人は非常に多く、ヴェジタリアンでもお勧めの店を尋ねてくる人がいる。
などというインドの日本食事情を書き始めるとまた長くなるので、この辺にしておく。
森田さんが、握りや巻き寿司のデモンストレーションをし、その後、会食。あくまでも各種料理が揃ったブッフェの一部、ということもあり、料理数はさほど多くはない。
この日、用意されていたにぎり寿司は、サーモンとマグロと「カニかま」の3種類。素材の調達上、仕方ないのかもしれないが、カニかまの握りは、個人的に食指を動かされなかったので、遠慮した。
寿司の握り具合は、これぞ「日本の寿司」という感じで、刺身の大きさといい、全体のバランスといい、しっくりときて美味である。
で、右上の写真。この「不思議ちゃん」とでも呼びたくなる「なんちゃって日本人形」は、見る限りにおいて、ホテルのスタッフが「手作り」した日本人形である。
この微妙な人形が随所に配されており、日本人にとってはついつい突っ込みたくなる情景だが、まあ、日本のインド料理店がオーセンティックなインド風インテリアかといえばそんなわけはなく、ここはスルーしたいところ。
写真を見ていると、不思議ちゃんと自分がそこはかとなくいている気がして、これまた、微妙。
そんなどうでもいい話はさておき、以下、ホテルのサイトより情報を転載しておく。
Come join us at the Feast starting today for a sumptuous Japanese Food Festival with the special touch from Chef Hajime Morita who specializes in Sushi, Tempura and other Japanese preparations.
Try some of the traditional Sake Cocktails from the specially designed a la carte menu along with the huge spread of Japanese delicacies.
Lunch - 12:00pm to 3:30pm and Dinner - 06:30pm to 11:30pm
Duration - 6th to 17th June 2012
Cost of buffet - Lunch Rs. 950 (+Tax) and Dinner Rs. 1100 (+Tax)
For reservations please call - 080.42521000
こちらは月曜日の写真。バンガロール在住の女性たちからなる「さくら会」のランチの際に、ミューズ・クリエイションのメンバーの方々と撮影をした。
メンバー全員がランチに参加しているわけではないので、きっとこの先も、「全員集合」の写真を撮る機会はないだろうけれど、これは活動を告知するブローシュア(チラシ)などに掲載させてもらうために撮影した。
自分のでかさが気にならんでもないが、「雰囲気写真」として小さく載せるので、よしとしたい。
ちなみに昨日の「世界環境デー」に先駆け、会場となったホテル側から鉢植えを贈られた。以下の写真は、その模様を撮影した記事。
The Times of India, The Hindu, DNAといった新聞のローカル面は、非常に小さなイヴェントでも、カメラマンが気軽に駆けつける。
実は昨日の日本食フェアの際にも、同じカメラマンと遭遇して、「昨日会ったよね!」みたいなのりである。
さて。今日は終日自宅。早朝のFM熊本の収録をすませたあと、久しぶりにクローゼットなどを片付け、不要な衣類などを選別。チーム布での制作活動に使えそうな物を発掘する。
午後には、またしても、旅人な学生が訪ねて来たので、数時間、なんやかんやを語リ合う。
今年に入ってから、7、8人の若者たちが、ブログを通して連絡をくれ、訪ねて来ている。大学を長期休学している人、インターンの人、さまざまだ。
詳細は記さぬが、ともあれ、「がんばれ、日本の若者!!」と、今日もまた、思うのであった。
ところで、ローカルフード探検隊に所属していたビリヤニ命のTARO隊員は、無事に就職の内定をもらったそうだ。実にめでたい。
日本に帰ってからもビリヤニばっか作って食っての記録がFACEBOOKに載っていたので「就職、大丈夫か?」とインドの母はそれなりに心配していたのだが、杞憂だったようだ。
彼は将来インドに駐在したいとのことで、インドにも拠点のある企業を選び、そこにパスしたという。
ローカルフード探検隊に、静かに、しかし確実に参加して、ただひたすら食べるだけの、個性豊かな青年。思えば、ろくに話をしておらず、鮮明に覚えている会話と言えば、ただ一つ。
トライアスロンやらフルマラソンやらの経験豊かなU-KO隊員やPAKAKO隊員に対して、「すごいですね」と感嘆するのではなく、
「ドMですね!」
と言いきったことだ。ドMかよ! 意表をつくレスポンスが、かなりわたしのツボにはまった。
いい味だしてる青年である。そんな彼が、就職内定の知らせをメールで送ってくれた時には、実にうれしかった。しかし、文末に、
「夏頃にインドに行くかもしれないので、その時はまたローカルフード探検隊に混ぜてください。」
とあったのには、笑えた。どこまでも、ポイントはそこなのね。
今日やってきた青年も、世界各国旅の途中らしいが、将来はインドで働きたいとのこと。
そして、TARO隊員同様、インドに来訪の折には、ローカルフード探検隊に参加したいとのこと。
静かに、しかし熱い支持者がいる限り、こちらの活動も地道に続けなければな。