世界各国で「世界最大の大停電」と報道されているのでご存知の方も多いかと思う。一昨日より、インド北部で停電が発生し、現在、22州6億人の生活に影響が出ている模様。
「世界最大」。そら、人口が12億人もいるから、なんにおいても軽く世界最大級を記録できるインドではある。
大停電は確かに大変だし、由々しき問題だ。医療機関で手術を行えない、炭坑の坑内のエレベータが動かず、労働者が閉じ込められている……といった切迫したニュースももちろん見られ、それは非常に深刻な事態だ。
しかし、そのようなニュースを除いては、多分、先進国の人々が想像するほど、電気が通らなくても、この国の多くの人たちは混乱しない。
なにしろ、停電は日常茶飯事だからだ。
もっとも、だからこそ、公共機関の自家発電装置は普及している。大病院やショッピングモール、高級ホテル、高級住宅地といった場所は、自家発電装置を備えているので、さしあたって大問題にはならない。
信号などの交通面には問題があるが、先ほどデリーから戻って来たばかりの友人曰く、確かに大渋滞には巻き込まれたが、飛行機にもつつがなく乗れて戻って来れたとのこと。
そもそも、信号があってもなくてもごちゃごちゃな道路事情だもの。
今のところ、我が家のある南インドは今回の大停電とは関係はないが、この界隈とて、一日に何度も無計画停電している。
我が家には、玄関先にブレーカーボックスがあるのだが、自家発電装置に切り替わっている時には、オレンジのライトが点灯する。
そのライト、一日に、何度も見かける。
一応、新聞には、その日に停電となるエリア名と時間帯が記されているが、その「計画通りに」停電されるとも限らない。
ちなみにインド、そもそも電気が通っている世帯は全体の57%に過ぎない。
以下、ホームページにインドの電力事情を記している。参考までに。
■不安定な電力供給事情。家電の扱いにも配慮を (←Click!)
ついでに、以下の提言も、インドに赴任して来たばかりの方には、それなりに役立つはずである。参考までに。
■インドで暮らすにあたってのご提案 (←Click!)
このごろ、ドライヴァーの話題が出ない。それは、ドライヴァーがあまりにも普通に優秀で、まったくトラブルがないからだ。
時間を守る。機転が利く。道をよく知っている。ともかく、問題がない。問題がないと、突っ込みどころがなく、突っ込みどころがないと、話題がない。
あの、ドライヴァーを巡る諸問題が起こっていた日々が懐かしい。いや、全然懐かしくない。忌々しい。忌々しいが、今、読み返せば面白い、あの濃厚な経験。
「怖いくらいに問題ないところが怖かったムスリムのマジッド」に消息を絶たれてからは、問題がないからと油断しちゃならんと学んだ。
学びつつ、警戒しつつ、気がつけば半年以上が過ぎている。
今のところ、よしとしよう、との思いだ。
それにしても、あのころは、すごかった。我が身に「極道の妻」が憑依したこともあった。
■継続しているドライヴァーを巡る熱い旅路。 (←Click!)
上の記録を記した後も、ドライヴァー問題がまだまだ続き、最終的に今のドライヴァーにおさまっている。ここ2年間に遭遇した「代表的なドライヴァー」は下記の通りだ。
数日試用した人を含めると、人数は更に増える。
・額に傷あるヤクザなラヴィ。道を知らんが態度はでかい(大騒ぎの末、解雇)
・忠犬ハチ公的ベンジャミン。特に問題はなかった(ある日突然、転職)
・赤く濁った目をしたヴィンセント・ダス。主要道路、一方通行を愛好(解雇)
・派手なTシャツ好むやんちゃなアンソニーA(ある日突然、転職)
・一見いい人。実は飲酒運転アンソニーB。飲酒を指摘され逆切れ(解雇)
・影もつ寡黙なムスリムのマジッド。モスク沿いのルートに精通(突然失踪)
・やんちゃアンソニーA、しつこく復職懇願され再雇用するも問題発生(解雇)
・経験豊富と主張するが運転下手。挙げ句ガソリン抜き取りのネイサン(解雇)
そして現在のドライヴァー。またしてもアンソニーである。ちなみにメイドのプレシラの夫もアンソニーである。丘の上の王子様とは似ても似つかんアンソニーが、我が家の界隈にはごろごろしている。
さすがにアンソニーCと呼ぶのもなんなので、現在のドライヴァーは「ニュー・アンソニー」である。
このニュー・アンソニーを巡っても、それなりに「いい話」を書きたいことはあるのだが、「変な話」の方がどうしても書く衝動が強く、いい話を書くに至っていない。
ずいぶん前置きが長くなったが、今日は、そのニュー・アンソニーの、珍しく「困った話題」である。
彼には長女、長男、次男、3人の子どもがいる。長女15歳が、先日、初潮を迎えたという。
ニュー・アンソニー宅はクリスチャン。彼の周辺では、初潮を迎えた娘を祝すため盛大なパーティを開くのが慣例だとのこと。
ニュー・アンソニーは異教徒同士の婚姻。妻はヒンドゥー教徒だったゆえ、いわゆる駆け落ち結婚だ。妻側の家族とは、結婚して以来16年間、音信不通だという。
それもあって、アンソニー側の親戚とは縁を大切にしたいらしい。
「マダム、僕も、このような儀礼は無駄だと思うんです。しかし、パーティをしなければ、親戚からいろいろと言われるんですよ」
「このパーティのために、少なくとも50名を招かねばなりません。新しくサリーなどを買い与えたりもせねばならず……予算は**ルピーなんです」という。
それは、彼の月給の2カ月分以上の数字だ。
彼の口からわたしたちにお金を催促することはないのだが、少なからず支援して欲しいようなニュアンスが感じ取れた。
ちなみにインドでは、初潮を迎えた女性、即ち大人の女性がサリーを着用することになっている。
わたしたちは、すでに彼には平均よりも多めの月給を支払っている。更には、我が家で働き始めて数カ月の時点から、すでに子どもたちの学費の支援も開始している。
一応「たいへんね」と言ったきり、それ以上のコメントを避けた。
ニュー・アンソニーはもちろん、わが夫にも同じ話をしたようだ。
夜、アルヴィンドとその件を相談した。わたしたちから、何かお祝いを贈るべきか否か、を含め。
聞けばアルヴィンドは、その話をされるや否や一刀両断。そんなことにお金を使うくらいなら、子どもの学費に回すべき。そういう不相応な無駄な出費をするのはおかしい。宴など開くべきではない。
と、アンソニーに告げたらしい。
「僕はそんな話、聞いたことないよ」
そら、そうだろう。同じインド人でも、宗教も故郷も生活環境も、何もかもが異質な世界から来たのだから。
アルヴィンドの言うことはわかる。しかし、ドライヴァーの生活圏の中には、彼らの常識があり、ソサエティがある。
それがたとえ、悪しき慣習であれ、無駄な因習であれ、それについて部外者が熟慮せずに「やるべきではない」と断言するのもまた、正しいこととは思えない。
インドに暮らしていると、こういう問題に次々に直面する。枚挙に暇がない。
多様性。言葉で表すにたやすく、実情に精通するに不可能。
ニュー・アンソニーの娘のパーティは次の日曜日。ささやかにでもご祝儀を贈るべきか、クローゼットに眠っているサリーをプレゼントするべきか、迷っている。
庭師問題で頭が痛い旨、先日記した。どうにも、彼は改心して働く気がなさそうなので、ついには解雇通達を出したのだが……。
泣くのである。
泣くくらいなら、働かんね! と言いたいところだが、まるでわたしが人非人であるかのような状況である。
泣きたいのはこっちだという話だ。
酒は飲むは、仕事はせんは、息子に働かせるはで、最早、救いようがない状況であるにも関わらず。
「今月、きちんと仕事をしなければ、解雇です。これがラストチャンスですから」
と言い続けてすでに半年以上がたつ。
これ以上、ずるずると雇用し続けるのも耐え難い。しかし、おやじが泣くのである。
その状況を見ているメイドのプレシラが、
「マダム、もう一度だけ、彼にチャンスを与えてください」
と懇願するのである。ああもういや。あ〜もう、いや!
庭師のキヨシは話にならんので、庭師の妻を呼んで事情を聞き、もう一度、最終調整をする予定ではある。彼らの子どもたちのことを思うばかりに、ここまで引っ張って来たのだが……。判断が、難しすぎる!!
企業、会社の人事担当者が、いかにたいへんな仕事であるか、またしても、想像するだに胸が痛む。人事とは、本当に、たいへんですね。
さて、ここで明るい話題。
「座って、食べたいよね」
と、前回の探検で、微妙に慌ただしく不完全燃焼な気持ちを残していた隊員一同。といっても現在3名であるが、その3名。
PAKAKO隊員のハズバンド、即ちヤクルト王子がお勧めの新しいゴア料理店があるというので、早速、訪れた。
実はその店、我が家から車で20分もかからない圏内。外観は何度か見ていたものの、入ったことはなかったのだ。ゴアと言えばシーフード。楽しみではないか。
先週とはうってかわっての軽やかな気分で店を目指した。
先週の立ち食い探検とは雲泥の差のムードに気取る我々。店内はビーチリゾートのムード満点。アルコール天国のゴアらしく、カクテルなどアルコールメニューも充実している。
我々は飲酒は控えたものの、周囲のテーブルではビールやらカクテルらしきものを飲む人たちも見られ、なにやら開放的だ。
料理はシーフードターリー(定食)のほか、ポークとエビ、それぞれの前菜を追加注文。全体に味付けが濃くスパイシー。辛みを控えたい人は、その旨を伝えて注文するべし。
ターリーはご覧の通り、ヴォリュームたっぷりだ。
そう。昨日は、この店の近所にオフィスがあるヤクルト王子&マイハニーも誘っての探検だったのだ。
世間からの噂を小耳に挟んだところによると、
「アルヴィンドさん、なんのお仕事しているの?」
と詮索する人があるようだ。詮索されても仕方あるまい。なにしろのんきなボンボンと勘違いされてそうなムード満点だからな。
この図を見る限りでも、ヤクルト王子は「ちょっと、仕事を抜けて来てます」というピリッと感が漂っているが、マイハニー、「今日はホリデーです♥」なノリだもの。
ゼスチャーも派手に、オリンピックを熱く語ってるし。
なお、マイハニーも、ちゃんと、しっかり、働いています。仕事してます。念のため。
ヤクルト王子は、食事がすむやいなや、すぐにオフィスへと去った。
一方、「もう、オフィスに戻ったら?」と妻が言うにも関わらず、「ゴア名物のデザートを頼まなきゃ!」
と、メニューをウエイターに持って来てもらう夫。実に、ぬかりがない。
結局、ゴア名物のベビンカ (BEBINCA)、そしてカラメル・カスタード、即ちカスタードプリンを注文。みなでシェアする。これがかなりおいしくて、満腹の隊員一同、別腹状態。
そんなわけで、かなり満足感の高いランチであった。その他の詳細は、隊員のレポートに任せたい。
■CARNIVAL DE GOA (←Click!)
【隊員1号PAKAKOさん】今日の探検はちょっとばかし高級バージョン?で、Ulsoor Lake の近くの「ゴア料理のレストラン」。
ゴアの楽しげな雰囲気を醸し出す店内は明るく、とても綺麗。ゴア料理というだけあり、メニューはシーフードがメイン!
アラカルトのメニューは「こりゃ、ビールでしょ!」と思わせるような品々。
でも今日のところは大人しくビールは無しで無難に150ルピーのフィッシュタリーをオーダー。エビのカレー、3種類の炒め物、揚げたお魚にライス。ボリュームたっぷりで、かなりお得感あり!!
お味は私にはかなり塩味が濃い目でしたが、でもこの濃さはビールにはピッタリですよ♪
アラカルトで何品か頼んで、つまみながら飲む、というのもこのお店は有りだと思います。
食後にプリンをオーダーしたのですが、これが結構お勧めです!口当たりがとても良く、美味❤
MGロード近く(パークホテルの並び)と立地的に便利ですし、とても綺麗なお店ですので、皆様も足を運びやすいと思います♪
私も今度はビールを飲みながら、シーフードつまみに行きたいと思います。
今日は、リラックスした気持ちの良いランチができました。まるで南国にいるような~♪
…というのは言い過ぎかもしれませんが、清潔感と開放感のあるリゾート的雰囲気なお店に、トロピカルな制服の店員さん。
明るい気分で美味しいシーフード料理(インド料理)が食べられました。前回のド・ローカルなお店とは全然違います。。。
味付けは全体的に濃い目でしたが、日本人には馴染みのある魚介の香り(でも生臭くない)が楽しめ、美味しかったです。ビールなどのお酒ともよく合うと思います。
そして、AVさんチョイスのデザートが、甘さがほど良くて、これまた美味しかったです! コーヒーや紅茶が飲めなかったのが残念でしたが…。
塩分は強いかもしれません・・・あ、そして、料理によっては味をマイルドにしてもらうように頼まないと、かなり辛いです。
次回は塩分とチリを控えめで注文してみようと思います。(塩分控えめって頼めるのでしょうか、隊長?)
※作りおきではない料理であれば、塩分、辛み控えめ、頼めると思います。カジュアルな店であれば、ダメもとで、なんでも尋ねてみてはいかがでしょう。(隊長)