バンガロール郊外にあるアンサナ・スパ&リゾート (Angsana Spa & Resort) については、これまでも幾度か記して来た。バンヤンツリー・グループが経営するスパで、訓練を受けたスキルの高いタイ人女性たちがマッサージを施してくれる。
アーユルヴェーダとは異なるタイ式のマッサージが中心だが、わたしたちはここのトリートメントもまた好きで、時折、郊外まで車を走らせ出かけていた。
さて昨日。ホワイトフィールドの住宅地にも同経営のアンサナ・スパ (Oasis Spa) がオープンしたと聞いて、そちらに予約を入れた。尤も、ホワイトフィールドも市街からは1時間ほどかかる郊外なのだが、土曜日の今日は45分ほどで到着した。
二人揃ってフェイシャルとマッサージのパッケージを予約したかったのだが(男子のフェイシャルも、なかなかによいのである)、あいにく一人分しか予約がとれず、アルヴィンドにはわたしがフェイシャルをしてもらっている間、待ってほしいとも思ったがそれも気の毒なので、二人マッサージだけを受けた。
久しぶりに、アーユルヴェーダとは異なるプレッシャーの効いたマッサージが心地よく、ゆっくりと90分間、リラックスできた。
マッサージの間、そよ吹く風に乗って、遠く近く、ビルディングを建設する槌音が響いて来る。
ここへ来る途中にも、建設中のアパートメントビルディングやオフィスビルディングをいくつも見た。
市街だけでなく、郊外の変貌もまた目覚ましい。
バンガロールの街は、郊外へ向けてどんどんと拡大している。
訪れるたびに、新しい何かがあちこちに誕生していて、貧しい労働者が裸足で土砂を運ぶその前時代的な作業の様子からは信じられないほどのスピードで、あたりの光景は変貌を遂げている。
さて、マッサージの後、ホワイトフィールドに住むユカコさんとビルの家にお邪魔した。二人にはこの1月末、男の子Jくんが誕生している。わたしは出産の直後、病院へ会いに行ったが、アルヴィンドは初めての対面だ。
大人が大声でしゃべっていてもすやすやと寝ている。授乳のあと、ちょっと抱かせてもらった。すべすべふわふわのお肌が本当にかわいらしい。アルヴィンドもまた、抱かせてもらった。
実はアルヴィンド、赤ちゃんを抱くのは生まれて初めてだとかで、緊張のせいか硬直しており、それはそれで微笑ましかった。
しばらくしてのち、5人で近所の北インド料理店へ赴き、久しぶりに典型的なタンドーリチキンやマトン、エビなどを味わう。たまに食べると、インド料理は実においしい。
週末、家族連れで賑わうファミリーレストランで、しかしJくんはすやすやと寝ており、大物ぶりを発揮していた。
さて、日曜日の今日。午前中は締め切りの迫った原稿を書き、午後には、蝶の舞う庭で、木の葉の揺らぎを眺めながらぼんやりと過ごしたり、本を読んだり。
まだ日の高いうちにワインを開け、夫とDVDを見て、夕食にはポテトとタマネギたっぷりのチキンひき肉入りグラタンを作り、平和な一日である。この平和なひとときを慈しむように、かみしめるように、大切に過ごす。
なにしろ来週は火曜から金曜までムンバイ。いよいよ仮住まいを探すべく、日々が始まるのだ。1年前の今ごろは、新居の内装工事に追われていたが、今年はムンバイで、また一からだ。
2005年にワシントンDCを離れて以来、カリフォルニア、バンガロール移住初期、バンガロール新居購入、そしてムンバイ宅開拓と、まるで年中行事のように移動している気がする。
もうちょっと、落ち着きたいものだが、まだしばらくは、流動的な日々が続きそうである。楽しんでいこうと思う。