昨日の午後、デリーに到着した。暑い。摂氏40度を切っているのに暑い。4月や5月は、気温が高いと同時に空気が乾燥しているが、現在は気温がやや低くなったものの、湿気を伴っている。
つまり、蒸し暑い。8年前の結婚式を思い出す。あのときよりは、まだ過ごしやすい気もするが、高原都市で避暑地ムードな涼風バンガロールや、モンスーンで気温が落ちて過ごしやすくなったムンバイとは違うな、と思う。
インド=暑い国というイメージを裏切らない、首都としての責任感を全面的にアピールするかのごとき天候である。
夕べは就寝中、冷房を入れたり消したり、ファンを回してみたりと、気温の調整に忙しく熟睡できなかった。慣れれば快適な過ごし方を覚えるのだろうが、初心者にはなかなか難しいものである。
ウダイプールに発つのは来週火曜。なんだかんだでデリーには5泊もすることになる。あちこちへ出かけようと思うのだが、義父ロメイシュも義継母ウマも、「日中は暑いから家にいた方がいいよ」と言う。
二人とも暑い都市に生まれ育っているにもかかわらず、暑さに弱いのである。特にウマは、「暑いのが苦手で」としょっちゅう、口にしている。多分、わたしよりも苦手のようである。気の毒ですらある。
気の毒といえば、潔癖性の親戚がいる。マイ石けんを持ち歩くほどの人である。なにかと「ど汚い」インドで潔癖性、どんなにか辛いことだろう。
さて、屋外民芸市場であるところのディリハートには夕方涼しくなってから赴くとして、昼間は屋内のスポットを訪問しようかとも思う。が、今日は睡眠不足がたたって、あまり元気がない。
従っては朝食の後、こうしていつものようにコンピュータに向かっている次第。ロメイシュ・パパ使用のモデムを接続してみたところ、我がMacBookからでもインターネットに接続できた。うれしい。
冷房の効いた部屋で、コーヒーを飲みつつ、コンピュータに向かうひととき。睡眠不足とはいえ、ほっとする、幸せな時間だ。
ところで、デリーの国内線空港は、なんとなく、きれいになっていた。
なんとなく、改築されていたようだ。
外に出たら、大きな黄色い傘を持ったお兄さんたちがいた。
日傘部隊だった。
炎天下の駐車場に行くにあたっての、日よけのためである。
昨日のところはさほどではなかったが、これがアラフォーな気温ならば、灼熱の太陽が降り注いでいたならば、日傘のお兄さんの助けを借りていたことだろう。
ちなみに、日傘にはどこかの企業の広告が入っているだろうと予測されるが、どこが行っているサーヴィスなのか、有料なのか、軽くチップを払えばそれでよいのか、今ひとつよくわからない。
デリー実家を訪れるのは、3月のシムラー旅の帰りに立ち寄り、ホーリーを祝ったとき以来である。あれから5カ月。あのときは滞在短く、ホーリーで商店街は閉店しており、ほとんど街を出歩くことはなかった。
今回は、無理をせぬ程度に、いくつかの場所を訪れてみようと思う。
夕刻になると風も涼しくなった。しばらくは、みなでリヴィングに集い、ワインを飲みつつ、おつまみを食べつつ、近況報告などをお互いに。
ほどなくして、ラグヴァンが、父、ヴァラダラジャン博士を伴ってマルハン実家にやってきた。ラグヴァンもたまたま仕事でIITデリーに来ており、数日をデリーで過ごすという。
ラグヴァン母のロティカ博士は、ナガランドへ研究旅行だと言う。あの、炊飯釜のあるナガランドである。今回、ディリハートで見つかるといいのだが……。
さて夕飯は、毎度おなじみマルハン実家の料理人ケサールによる、美味北インド家庭料理。マルハン家はロメイシュ・パパが「辛いもの苦手」のため、チリ類は一切入っていない。マイルドで、おいしい料理である。
ダール(豆の煮込み)、ホウレンソウとジャガイモの煮込み、マトンカレー、キャベツのソテーなど。いずれも、いつものようにおいしい。
お気に入りTHEOBROMAのチョコレートケーキとレモンケーキ、そしてブラウニーである。
少しずつをみなで分け合う。とてもおいしい。
スジャータも来ればよかったのにね、と話しながら。
さて、そろそろ本日午後の行動予定でも立てるとしよう。