*この記録は、昨日開催したClubhouseの話題に関連しての情報を整理したものです。
【部活/ Clubhouse】「男女平等」ってどういう状態? 実例を共有しながら「日本の女性の立場」を考える
➡︎https://museindia.typepad.jp/2021/2021/04/ch009.html
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【✏️はじめに】
①平等(Equality)とは何か
「平等」とは、違いや得手不得手が認められつつ、均衡がとれている状態のことであり、「同一性(Uniformity)」ではない。
②ジェンダー(gender)とは何か
生物学的な性別(sex)に対して、社会的、文化的に、男女の役割の違いによって定義づけられる性別のことを指す。(例)「料理は女性がすべきこと」「力仕事は男性に任せる」
*生物学的な性別(sex)と、社会的なジェンダー(Gender)は混同されるべきではない。
③フェミニズム(feminism)とは何か
女性解放思想、およびこの思想に基づく社会運動の総称。政治制度、文化慣習、社会動向などのもとに生じる性別による格差を明るみにし、性差別に影響されず万人が「平等な権利を行使できる社会の実現」を目的とする思想または運動。
🌸参考資料①上野千鶴子
●上野千鶴子による、平成31年度東京大学学部入学式の祝辞
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/president/b_message31_03.html
「女性学を生んだのはフェミニズムという女性運動ですが、フェミニズムはけっして女も男のようにふるまいたいとか、弱者が強者になりたいという思想ではありません。フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です」
◉上野千鶴子(1948年生)フェミニスト、社会学者。専攻は、家族社会学、ジェンダー論、女性学
1980年 マルクス主義フェミニズムを知り、紹介者・研究者に。
1982年 『セクシィ・ギャルの大研究』
1989年 『スカートの下の劇場 ― ひとはどうしてパンティにこだわるのか』
1990年 『家父長制と資本制/マルクス主義フェミニズムの地平』
1990年代以降も家族・建築・介護・福祉の問題や文学・心理学・社会心理学などの学問領域で論じている。近代家族論として『近代家族の成立と終焉』(1994)などがあり、それを発展させて近代国家論を取り扱った『ナショナリズムとジェンダー』(1998)や、介護問題に派生させた著作もある。
●上野千鶴子氏の東大スピーチ「納得と、それでも消えない疑問」(上記「祝辞」のスピーチを受けて)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64173?imp=0
🌸参考資料②ジェンダーとは/より具体的な定義や解釈などを各種機関のサイトより引用
🌏アジア経済研究所 独立行政法人日本貿易振興機構
https://www.ide.go.jp/Japanese/Research/Theme/Soc/Gender/200608_murakamimurayama.html
ジェンダーとは、生物学的な性別であるセックス(sex)と区別して、社会的な性別を意味します。
ジェンダーという概念は、1970年代に欧米のフェミニズム運動をきっかけとした議論の中から誕生しました。女らしさや男らしさ、女性の役割と男性の役割を、生物学的差異に由来する不変のものとして考え、性差別の存在を認めない立場に対して、フェミニズムの論者たちは、これらが社会的な現象であり、解決可能な問題として位置づけたのです。
その後の議論で、ジェンダーは、異なるが対等な関係といった種類の区分ではなく、男性を標準、普遍とし、女性を差異を持つ特殊なものとする、タテ型の階層性をもつ区分として認識されるようになります。
ジェンダーは、男のジェンダーと女のジェンダーという二つの項(ふたつのジェンダー)ではなく、男女の分割線、男女の社会関係(ひとつのジェンダー)として把握されるわけです。
また生物学の発展を背景として、セックスが曖昧な個体(インターセックス)を含む連続した概念であるのにたいして、ジェンダーは男か女かの二分法であり、セックスにもとづいてジェンダーが規定されるのではなく、その逆であることが指摘されました。
90年代になると、ポスト構造主義の影響下で、男女間の差異だけでなく、女性内部の差異が問題化されるようになります。「女性だから清廉で汚職をしない」「女性は平和を愛する」といった女性をひとくくりにする言説は批判され、民族やエスニシティ、階級、カーストなどにもとづく、女性という集団内部の差異を見ることの重要性が指摘されました。この立場によれば、ジェンダーとは、男性による女性のあからさまな支配だけでなく、男女それぞれの、これらの社会関係・集団の成員としての役割と行為を通じて構成されます。
ジェンダーは、現在も展開を続ける流動的な概念であり、さまざまな問題に新しい切り口や視点を提供してきました。
途上国関係でまず思い浮かぶのは、「ジェンダーと開発」(GAD:gender and development)でしょう。1960年代の途上国援助の理念は、開発の担い手としての女性に注目しました(WID:women in development)。80年代にジェンダー概念がとりいれられると、女性の状況を改善するためには、女性自身の能力向上だけでなく、男性との関係を問い直し、女性に差別的な制度や社会システムを変えることが必要だと認識されるようになりました。
「ジェンダーと開発」は、実践的な関心にもとづくいわばジェンダー研究の応用編といえます。では、途上国社会におけるジェンダーのありように迫るにはどんな方法があるのでしょうか。ここでは一例としてジェンダーと民族・エスニシティの相関に注目してみましょう。
先進国社会内部のエスニック・マイノリティや途上国社会の女性は、ジェンダーに加え、国内・国際的な階層・階級という二重のくびきにつながれていました。これらの女性の経験は、まず男性との共闘を通じてエスニック・民族集団の自律・独立を目指すという、先進国女性とは異なる経路をたどったのです。そこで必要とされたのは中産階級出身の白人女性の思想である欧米のフェミニズムとは異なるフェミニズムでした。
90年代以降、ナショナリズムとフェミニズムの葛藤を背景として、近代国家の建設期に多くの社会で見られた女性の地位向上運動の再評価が行われています。一見、女性の自律性の表出にみえる運動が、実は西洋のまなざしに対抗するための手段として利用される側面をもったことが指摘されています。
「遅れた」女性が民族の象徴とみなされ、女性の「近代化」を目指す運動が民族の地位向上運動に取り込まれたのです。そこではジェンダーのありようが民族によって媒介されているのです。 ジェンダーについての研究は、フェミニズムから出てきたこともあって、今まで社会科学が見過ごしてきた女性を中心とする研究が主体となってきました。しかし、男性論や同性愛論など新しい研究領域も盛んになりつつあります。
🌏ユニセフ unicef
https://www.unicef.or.jp/about_unicef/about_act02_01.html
ジェンダーの平等/ジェンダーは、何が女性的で、何が男性的かを表す、社会的・文化的に構築された概念です。しかし、社会で構築されたルールや習慣は、女の子や女性を教育や社会参加などから遠ざけ、未来への可能性を閉ざしてしまう要因にもなっています。
ユニセフは、平等と無差別という基本的人権の原則を、ジェンダーの平等を考える柱として認識し、ジェンダーの平等を推進しています。各国における支援プログラムを通して、女性と女の子が、コミュニティの政治的、社会的、経済的な発展に、全面的に参加できるよう支援しています。
特に教育分野においては、女の子や男の子に関わらず、すべての子どもが教育の機会を得られるように取り組んでいます。
状況は確実に改善されているものの、以前として約3,200万人の初等教育就学年齢の女の子が小学校に通えていません。特に困難な状況下の地域や中等教育で、女の子が教育を受けるにあたり、依然としてさまざまな壁が存在しています。
<女の子の教育を妨げる原因>
社会・文化的習慣や規範
不十分な法整備
家庭の経済的問題
プライバシーが守られた、男女別のトイレの欠如
女の子が暴力や搾取、体罰などにあう可能性がある、安全が守られていない教室
女性教員の不足
<女の子の教育がもたらす効果>
女の子の教育は、すべての子どもが持つべき権利を守るだけでなく、そのほかの国連が定める開発目標の達成にも大きく貢献します。たとえば、教育を受けた女の子は児童婚をする可能性や出産・妊娠時の死亡率が低下し、健康な子どもを産む確率も高くなります。また、青年期の女の子が教育を受けることで、HIV/エイズなどの病気にかかりにくくなり、将来の自立につながる知識やスキルを得ることができます。
ユニセフはすべての女の子と男の子が、教育を受け、自身がもつ可能性を最大限に引き出せるよう、国家、地方自治体、地域レベルでの政府の活動を支援しています。そして、安全で健康的な、ジェンダーに配慮した「子どもにやさしい学校」の普及や啓発活動も行っています。女の子や女性が地域の一員として活躍できるようになってはじめて、社会全体の発展につながるのです。
🌏国連ウイメン日本協会(2011年創設)
http://www.unwomen-nc.jp/
《自立支援 女性のエンパワーメント(経済自立支援)》
●女性・少女の移民の保護
●女性・少女のための職業・技術訓練
●女性・少女が厳しい状況から立ち上がるためのカウンセリング
●ビジネス機会創出のための女性の支援
《人道支援》
●災害、紛争、差別などによる危機の影響を受けた女性と少女への支援
●セーフスペースや多目的センターを設置し、人道支援とリカバリープログラムの実施を支援
《暴力撤廃支援》
●暴力からの解放
●心理カウンセラーへのアクセスの向上
●トラウマ治療プログラム
●生活改善への役立つプログラム
●男女への啓発・教育
持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)
ジェンダーの平等は、持続可能な開発のための2030アジェンダを構成する17のグローバル目標の一つであり、また、そのターゲット5.cにおいてジェンダー平等の促進が謳われている。
🌸参考資料③現在の、日本人女性の地位や環境に関して Wikipediaより抜粋
●世界男女格差指数(Gender Gap Index : GGI)
男女格差指数、ジェンダー・ギャップ指数は、世界経済フォーラムが2006年より公表しているレポートにて公表される世界の各国の男女間の不均衡を示す指標。スコアはランキングの形で示される。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E7%94%B7%E5%A5%B3%E6%A0%BC%E5%B7%AE%E6%8C%87%E6%95%B0
●ジェンダーギャップ指数2021、日本は120位 G7最下位は変わらず低迷
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6062cdc4c5b65d1c2818ac86
●世界120位「女性がひどく差別される国・日本」で男より女の幸福感が高いというアイロニー
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/president/bizskills/president_44903?fm=twitter
🌸参考資料④宗教に見る男女の在り方 Wikipediaより抜粋
●キリスト教
世界人口の4割を占めるキリスト教では、神が男性であるというイメージが保持されている。かつては神の使者たる天使も成人男性の姿でイメージされていたが、近世以降は赤子や女性のイメージで描かれることも多い。カトリックやオーソドクスでは聖職者の特定の地位になることが男性にしか許されていない。プロテスタントでは女性の教職者が認められている教派が多い。
●仏教
大乗仏教では、仏陀は男性であるとの主張が法華経の一節の解釈から生じており女性は成仏しないが来世に男性として輪廻すれば、成仏する可能性があるとの考えが一部存在する。また、法華経という経典において、法華経の功徳で、女性が今生で男性に変化して成仏する場面が説かれている(変成男子)。上座部仏教では、あくまで悟りを目的としており成仏を目的としていない。経典で複数の女性が在家、出家を問わずに涅槃に到達しており(阿羅漢果という)仏が必ず男であるなどという大乗仏教の考えは大乗仏教の異端性を示すものとして捉えられている。
●神道
日本の神道では、明治以降は最高神が女性であるアマテラスとされている。また、国産みは男神・イザナギと女神・イザナミの共同で行なわれている。
●道教
道教では、陰と陽はそれぞれ女性と男性の属性であり、女性は月に、男性は太陽に支配されていると考えられている。
🌸参考資料⑤日本における女性の社会的立場の変遷/トレンド&ライフスタイルなど
〜複数の資料より抜粋〜
女性をめぐる社会的環境の歴史的展開 ──女性史年表の記載項目から─
https://appsv.main.teikyo-u.ac.jp/tosho/thirano_khirai23.pdf
◉平塚らいてう1886〜1971)
日本の思想家、評論家、作家、フェミニスト、戦前と戦後にわたって活動した女性解放運動家。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E5%A1%9A%E3%82%89%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%86
◉市川房枝(1893〜1981)
日本の婦人運動家、政治家(元参議院議員)。
第二次世界大戦の前後、日本の婦人参政権運動を主導。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%82%E5%B7%9D%E6%88%BF%E6%9E%9D
◉奥むめお (1895〜1997)
日本の婦人運動家、政治家。参議院議員。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%A5%E3%82%80%E3%82%81%E3%81%8A
🌷1950年代/主婦の自立と賃労働への進出の是非を巡る論争
石垣綾子の主張する主婦「第二職業論」を受けて、主婦の自立を達成するためには第一職業つまり賃金の支払われる労働に進出することが必要と主張する立場と、主婦の社会的地位は家事労働の遂行を通して家庭を維持し、社会的再生産に寄与することによって向上するとし、主婦の賃労働への就労は家庭から主婦を引き離すため家庭崩壊の恐れがあると主張する立場をめぐっての論争の時期。
🌷1960年代/戦後の高度経済成長
主婦労働の有償化という考え方。主婦労働を有償化することによって主婦の地位を職業婦人の地位と同等にしえるの主張と、有償化はむしろ主婦の社会進出を抑制し、女性解放へは結び付かないとする意見の対立。
・1967年「女性に対する差別撤廃宣言」
🌷1970年代/戦後の高度経済成長から安定期へ。
従来の論点が、男性的価値つまり賃労働領域への女性の参加に置かれていたのに対して、女性(主婦)という存在の独自の価値を主張。男性的価値を象徴する「生産人間」と、女性的価値を象徴する「生活人間」を対置。資本主義の搾取構造の中にある労働疎外状況下の「生産人間」的価値か ら、主婦労働時間を極限まで縮減して、大幅な自由時間の獲得と共生と再 生産を中心とする「生活人間」的価値への転換が主張された。
・1979年「女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」
・第一次オイルショック(1973)
・「私作る人、僕食べる人」ハウス食品工業のTVCMが婦人団体から抗議を受け放送中止に(1975)*
・キャリアウーマン(1978)
・英国サッチャー首相就任
・使い捨てオムツの普及
・ウーマンリブ
・翔んでる女
・ディスコブーム
・核家族ファミリーレストラン
・キッチンドランカー
*遠藤周作が『毎日新聞』で、このCMが女性に不快感を与えるのであれば撤回し「その代りに、その社のシャンメンを男と女が店屋で食べて(中略)女『わたし、食べる人』 男『ぼく、払う人』といえばいい」と書いた。
🌷1980年代/高度経済成長期からバブル経済、グローバル化
1985年の「男女雇用機会均等法」制定に伴い、法的整備が進行。女性が社会へ進出する条件が整備されつつあったことに連動して、第1期と同様、女性に対する雇用機会の均等の保障が、女性(主婦)が家庭を放棄する危険を招来するとの見解が主張された。
*木本喜美子「主婦の経済的自立の必要性を説く石垣綾子の問題提起をきっかけに起こった主婦論争が、『一般の専業主婦にとってはピンとこない無縁の論争のままで終わった』のは、『主婦こそが女性の幸せ』と信じて疑わなかった女性たちが、マジョリティを形成していたからにほかならない。その意味ではこの論争に参加した人々は、時代を先取り的にとらえた パイオニアとして位置づけられよう」
・林真理子『ルンルンを買っておうちに帰ろう(1983)
・土井たか子が社会党委員長に就任。女性初の衆院議長に (1986)
・「男女雇用機会均等法」が施行。雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 (1986)
・結婚相手の条件に「三高」(高学歴、高収入、高身長)
・女子大生ブーム。女子大生がトレンドの牽引役
・アグネス論争(1987)/アグネス・チャンがテレビ番組の収録スタジオに乳児を連れてきたことに対し、林真理子、中野翠などから痛烈に批判。
・DINKS、オバタリアン、『金曜日の妻たちへ』(不倫)
・W浅野によるトレンディドラマの全盛
🌷1990年代/ バブル経済の崩壊と平成不況のはじまり
・アッシー、メッシー、ミツグくん
・外務省勤務だった雅子妃のご成婚(1993)
・女子高生ブーム
・女子大生就職氷河期
・松田聖子が「ママドル」に
・『結婚しないかもしれない症候群』(1991)
・『東京ラブストーリー』(1991)
・『29歳のクリスマス』(1994)
・『ロング・バケーション』(1996)
・夫婦別姓問題
🌷2000-2005/ 平成不況、デフレの時代
・『やまとなでしこ』(2000)
・キャリア志向の女性の増加
・正社員より派遣社員のマーケットが拡大
・『負け犬の遠吠え』酒井順子(2004)
・友達風の母娘
・スローライフ、ていねいな暮らし
🌷2005-2010/ デフレ脱却の時代
・草食男子、肉食女子
・勝間和代のブーム
・森ガール、ゆるふわ
・美魔女
・ギャルママ
・男性の育児休暇(イクメン)の萌芽
🌷2011-2014/
・東日本大震災 (2011)
・朝活、就活、婚活、妊活などのコンセプト
・婚活ブーム
・シングルマザーの貧困問題
🌷2015-/
・育休、イクメンの認知度の高まり
……今後、情報を追加していく予定です。
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