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今宵もまた、街は光を失い、 喧噪だけを残して、 樹々の梢も、家屋の輪郭も、人々の影も、 深く闇に溶けている。
裸電球照らす、陰翳の軒先にノスタルジア。
線路沿いの、馬小屋の、スラムのバラックのあたり。 裸足の少年も、片目の男も、乾涸びた老人も、 深く闇に溶けている。
小さな教会の、その十字架だけが、 茫漠の闇に浮かぶ。
あらたかな、神の力で。
いや、あきらかに、自家発電装置の力で。