吸い込まれそうなほどの青。
この空と、豊かな緑に出合うとき、
自分が住む場所は、高原なのだ。
と、いうことを、あらためて。しみじみと。
緑のグラデーション。
豊かな陰影。
せせらぎの水音がよく似合う。
彩り豊かに食す。
カフェラテ飲みつつ、一仕事。
意外にはかどる。
今年はどんな、出会いがあるだろう。
続くつながりは続く。
続かないつながりは、無理に続けようとすまい。
ひと、ひとり。
生きている分だけ、友が増えるというわけでもないと。
数の多さ、会う頻度の高さ、それは多分、さほど重要ではない。
さあ、晴れ晴れと、背筋をのばして歩こうぜ!
ちりん、と、小さな鈴の音が聞こえてくるかの如き。
やさしく目を奪う、情景。
外へ出れば、鋭い日差し。
抜けるように青く青空。
デカン高原に夏が来た。
このところ、急に夏めいてきたバンガロール。
気温は軽く30℃を超え、外出をすれば暑さに気づく。
しかし我が家は緑に囲まれ、一年中、程よい気温。
庭が暑いとき、部屋は涼しく、
部屋が寒いとき、庭が暖かく、
だから、エアコンが、いらない。
しかし同じアパートメントでも、上階の人たちは、
エアコンが不可欠。
これから数カ月は、室外機のうなりを聞きつつの日々。
この街は、昔ながらのバンガロー(平屋一戸建ての邸宅)が、
本当は相応しい街なのだ。
遠く深く、近く浅く、思い巡らせど。
夜は明けて、朝が訪れ、
さまざまな種類の、無数の鳥たちが、
緑に紛れてさえずっている。
リスが木枝を駆け巡っている。
蝶が中空を舞い飛んでいる。
憂えど、笑えど、嘆けど、歓べど、
まいにちまいにち、朝はくる。
まだ真夏には早い3月。
この地の盛夏は4月5月ゆえ。
蒸し暑い夕暮れに辟易しながら、
しかし日が暮れて、久しぶりの雨。
埃が洗い流されて緑蘇り、
雨に濡れた、土の匂いが家まで流れ込んできて、
大地の匂いだ。
いい匂いだ。
The Leela Palace Hotel@ Bangalore
まだ本調子ではないので、アーユルヴェーダはおやすみ。
ゲストルームのベッドに横たわり、
無数の鳥のさえずりを聞きながら、まどろむ。
暑い夏は、鳥たちにはうれしいのか、
例年よりも鳥の来訪が多い。
一人マッサージを受けてきた夫。
買い物の途中で、花を買ってきてくれた。
ヤシの木、いったいどれほど伸びるのだろう……。
新緑が瑞々しい、インド菩提樹。風に揺れている。
久しぶりに、深い眠りのあと。
遠いところから戻ってきたかのような目覚め。
連日、熱帯夜のデリー。
冷房入れれば寒すぎて、
ファンは温風撹拌するばかり。
温度調整困難で、
夜中に何度も目が覚めた。
なにはともあれ、我が家の気候は最高。
毎年、ニューヨークへ行く前に見かける。
鮮やかに紅い胴体の、蝶。
今年もまた、やってきた。
降りそそぐ、滴る、緑。
高く青く、空。
遠く近く、野鳥らの声。
カプチーノでもカフェラテでもない。
サウスインディアンコーヒーのデコクション。
静かに思い巡らすのに好適の場所。
この街で、好きな場所のひとつ。
気がつけば、月下美人の蕾が。
去年の倍ほども。
来月には、夢のような花の夜。
静かに、成長を見守ろう。
ついに月下美人、開きます!
明日から数日、夫は出張。
いちにち早く開いてくれて、
本当にうれしい。
お友達も見にきます。
ご近所さんにもお知らせしよう。
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