日差し照りつける、暑い朝。
庭師が休みでしたので、自分で水を撒きました。
樹々や葉や、壁の埃も落としてしまおうと、
ホースの先を天に向け、
あたかも、雨が降り注ぐかのごとく。
と、気がつけば、どこからともなくやってきた、
無数の蝶たちが、
庭の至るところで乱舞しているではありませんか。
その数は、十、二十……。
見上げれば、大樹の枝の周辺のそこここでも、
ひらひら、ひらひら、ひらひらと。
潤い、土の匂いを漂わせた大地に休むものあり、
2匹、3匹でくるくると楽しげに舞い飛ぶものあり、
あるいは果敢に、ホースからこぼれる雨に向かうものあり……。
大きな声で夫を呼び、
二人しばらく放心で、
わたしはホースを握りしめ、
夢のような光景に、見入っていたのでありました。
蝶は、数種類飛んでいた。
中でも、一番多かったのは、「リュウキュウアサギマダラ」。
その名の通り、沖縄でもよく見られるという。
黒に浅いブルーが麗しく。