南アフリカへ赴いていた夫が、昨夜、約2週間ぶりに帰って来た。
スーツケースを開くなり、さまざまなお土産。
滞在していたワイナリーのワインなど。これはうれしい。大切に味わいましょう。
経由地ドバイに2泊した際、買ったという、わたしの好きなPatchiのチョコレート。とはいえ、Patchiはドバイではなく、レバノンはベイルート生まれのチョコレート。
これもまた、ドバイ土産。イスラム世界をモチーフにしたモダンアート。これは我が家ではなく、ムスリムの隣人にあげたら喜ばれるのではなかろうか。あげないけど。
ピンクフロイド『アニマルズ』のLP。なぜにLP? 我が家にプレイヤーはないのだけれど。ともあれ、1970年代の、メッセージ性の高い音楽。ジョルジュ・デ・キリコの描く光景を彷彿とさせるすてきなジャケット。
ネルソン・マンデラの棺が故郷に運ばれ、埋葬された日の新聞記事。ちょうどこの時機に訪れた夫にとっては、忘れ得ぬ思い出だろう。
「お土産店にあるような、観光客向けのお土産よりも、こういう方がいいよね。これは伝統的な手づくりの陶器だよ」と夫。かわいい。確かにこういうの、うれしいお土産。カクテルタイムのおつまみ入れにも好適。
「それからもう一つ、手刺繍のクッションカヴァーも買って来たよ。すごく南アフリカらしいモチーフ。丁寧に作られてるんだ。ミホ、こういうの、好きでしょ?」
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怖いよぅ。
かわいくないよぅ。
部屋のどこに置いても、視線が気になって落ち着きません。
いくら「手工芸品」が好きだからって、そら、モチーフによるというもの。
しかし夫はいたく気に入っている様子。
さすがマイハニー。毎度、予想外の展開を見せてくれる男。
ううむ。静かに、クローゼットの中でおやすみいただこうかと思う。