今日もまた、少し曇天だ。とはいえ、小雨程度なので、街歩きに問題はない。
今回の旅は、気持ちがインドから遠く離れてしまっている。
いつもなら、そろそろインドのことを思って、少し帰りたい気持ちになるのだが。
現実に引き戻すため、不在の家の管理を預かってくれている、
ドライヴァーのアンソニーに電話をして近況を聞く。
このごろは、少し雨が降り始めているようで、モンスーンの訪れだろうか。
バンガロールが、遠いなあ。
ランチタイムは、ニューヨーク在住のミュージシャン、
ユウコ・ダージリンさんと過ごした。
彼女と、やはりミュージシャン(著名な作曲家)である
ご主人の小田裕一郎氏のご自宅が、数カ月前、火災の被害に遭われた。
お二人がご無事だったことは、本当によかった。
とはいえ、火災、それに伴う煙のすさまじさは、
ニューヨーク在住時、住んでいたビルディングの斜め上の部屋が火元で燃え、
恐ろしい経験をした経緯があることから、切に想像できた。
お二人がお元気だとはいえ、多くの大切なものを失われた苦悩は、
当事者にしかわからない。
わたしは、火災やテロ(ニューヨークやムンバイなど)を身近に経験してきたが、
個人的に、失い喪ったものは、ほとんどない。
失ったことがあるかないかの二者には、雲泥の差がある。
だからこそ、気軽に励ましたり、声をおかけすることも、
正直なところ、憚られた。
憚られたが、声をかけずには、いられなかった。
更には、インドがお好きな彼女のために、
せっかくインドからニューヨークへ訪れるのだから、
「インドの香り」をお届けしようと思った。
わたしが日常使っているスパイスや日用品のごく一部をお土産に。
喜んでいただけて、本当によかった。
もちろん、ランチは楽しいひとときだった。
ランチのあと、紀伊國屋に立ち寄り、しばらく過ごす。
久しぶりに、日本のファッション雑誌を開いたり、
専門書などを眺めたり。
そして、数冊を購入。
なぜこれらの本なのか。
今は詳細を綴る気分でもないので、取りあえず写真だけでも。
いずれにせよ、知っておく必要があると切に思うので。
夕刻、コロンバスサークルにあるThe Museum of Art and Designへ。
毎年、いつもいつも前を通り、
時にはミュージアムショップで買い物をしておきながら、
一度もミュージアムに足を踏み入れたことはなかった。
予想以上に、楽しい空間だった!
このミュージアムの最上階のレストランの存在も、初めて知った。
オープンして4年もたっているらしいが、
なにしろ、すばらしい眺め!
というわけで、滞在中に、一度は訪れようと思う。
インドの映画、Lunch Boxも上映されていた。
「歌って踊って」のない、すてきな大人の物語。
わたしの好きな俳優、イルファン・カーンが主演。
気持ちが少し、インドに引き戻されるが、遠い。