今日もいい天気だ。天気がいいというだけで、とてもラッキーだと思える。
特に、時間に限りがある、旅をしているときには。
ミッドタウンで友人とランチの待ち合わせをしている。
セントラルパークを通過して、ゆっくりと歩きながらゆこう。
米国を離れて8年半。以来、少なくとも年に1度、訪れて来たこの街。
戻るたびに、たちまち記憶が過去に引き戻され、
インドでの日常が、遠く遠く、覚束なくなる。
その感覚が、今年は格別に色濃い。
もう、ずっとここにいるかのような気分になってしまい、
セントラルパークを歩きながら、
変幻自在の時間について、改めて思い巡らす。
毎年毎年、同じ時期、
毎年毎年、同じような場所に降り立ち、
毎年毎年、同じような場所へ赴き、
毎年毎年、同じようなことをしている。
わたしはインドで、なにをしていたのだっけ?
と、敢えて思い出さなければ、うっかり忘れてしまいそうな奇妙な感覚。
歳を重ねるにつけ、確かに記憶の構造が変化している。
本日のランチは、友人お勧めの「炙り屋錦乃助」にて。
噂には聞いていたが、行ったことがなかったので、うれしい。
悩んだ末、「サーモンのカマとカキフライのセット」を注文。
ヴォリュームたっぷり、本当においしかった。
ランチのあと、五番街で買い物などをすませ、夫と合流。
ニューヨーク本社とのミーティングなどに出かけたあと。
バンガロールではあまり着ないスーツ姿で。
出会った当初、二人してミッドタウンに通勤していたころを思い出す。
それにしても、彼はちっとも、老けないなあ。
コーチのバッグ、リバイバル?
ではなく、10年前に他界した、我が父の形見。
物持ちがよいマイハニー。
滅多に使うことはなかったのだが、
今回の旅で、なぜか「これ、持って行く」と取り出していた。
お似合い。
「今日のランチはどこに行ったの?」
「あぶりやきんのすけ」
「えええっ! 何だって?! 僕の好きな店だよ。なんで僕を誘わなかったの?」
そうだったそうだった。1年前、彼が一人でニューヨークへ出張に来たとき、ホテルにほど近いこの店が気に入って二度も通ったと聞いていたのだった。
ブラックベリーから写真を発掘して見せる彼。
この手作り豆腐、食べた?
この銀ダラがおいしくてねえ。
この豚肉の煮付けも最高なんだよ。
毎度、国籍不明のコンセプトがほとばしっている。
そして毎年恒例、五番街のユニクロへ。
毎年、MOMAはじめ、さまざまなコラボTシャツを、ついつい買い求める。
今年はアンディ・ウォーホルだけでなく、
ジャクソン・ポロックのシャツもいい感じ。
それよりなにより!
サンリオとのコラボTのなかから、懐かしきパティ&ジミーを発見!
かれこれ40年ほど前から数年間、
ハローキティと張り合うほどに人気だった(気がする)。
このキャラクターが好きで、いろいろと集めていたものだ。
あまりの懐かしさに、くらくらしつつ、
似合うとか似合わないとかはさておいて、買った。
アラフィフの大人が着るものではないとわかっているが、
買わずにはいられなかった。
なにやってるんだろうなあ。