NORAが遊びに来るようになってから約1週間。
ちょこちょこと、残り物などを食べさせていたのだが、
最初から、激しく懐いてきたこともあり、
金曜の夜からキャットフードを与え始めた。
今まで、ネコも犬も飼ったことがない。
子供のころ、セキセイインコを飼っていた経験のみ。
ネコの扱いがさっぱりわからず、
ネットで情報収集しつつ、
ネコの生態について学ぶ。
家の中で飼うつもりはないが、
庭を自由に使ってもらう分には構わない。
とはいえ、じゃれて来るネコが病気を持っていては困る。
病気になってしまっても困る。
というわけで、今日は病院に連れて行った。
本当は、ミューズ・クリエイションのメンバーとも訪れた、
動物保護団体のCUPAが運営する動物病院に行くつもりだった。
しかし、車で片道30分と、やや遠い。
ドライヴァーのアンソニーが、
近所の動物病院を知っているという。
NORAを怖がらせないためにも、近場がいいだろう。
ということで、自宅から車で数分の、
このインド的、荒廃感満点の病院へ。
NORAは本当に、いい子である。
カゴに入れられて、最初は出ようと抵抗したけれど、
暴れることはない。
車の中ではミャアミャアと、
不安そうに鳴き続けていたが、
病院に着いたら静かにしていた。
わたしたちの前には、犬に噛まれて負傷したネコが治療を受けていた。
痛そう。
順番を待つ間、
NORAよりもむしろ、わたしの方が落ち着かない。
ドクターは、獣医さんだけに、
ネコに、ものすごくやさしい。
特に検査をするでもなく、
「彼女は健康、問題ない」
とのことである。
そんなもんなのか? とも思うが、
そんなもんなのかもしれない。
なにしろ、超ローカルの動物病院。
ドクターも動物的直感で診察か。
ともあれ、事情を説明し、
伝染病予防のためのワクチンを3種類、打ってもらうことに。
暴れて逃げないように、首にヒモを括り付けられて、
なんだか気の毒なNORA。
ドクターのほかに、助手的なおじさんがサポート。
扱いが荒っぽいが、動物への態度は、やさしい。
両足を押さえているのは、ドライヴァーのアンソニー。
1本目の注射のときには驚いて暴れたけれど、
2本目のときは、少し落ち着いていた。
こんな目に遭わされて、もう我が家から逃げるかもなあ。
と、思いながらも、ともあれ、仕方ない。
病院で、ネコ用のパスポート(カルテ)をもらった。
なにが微笑ましいって……。
インドの、人間のパスポートとそっくり。
ちなみにこれは、わたしの夫のパスポート。
間違えないようにしなきゃ。
ドクター、筆記が乱雑。
この子は、メス。生後7カ月くらいかな。
とか言いながら、「今日の時点で1歳」って書いてるし。
ともあれ、NORAの誕生日は、今年の元旦ということにしておく。
これが、今日接種したワクチンの記録。
1年後、また接種が必要だとのこと。
あとは、飲み薬を2回分、もらった。
余談だが、インドへ赴任する駐在員やその家族は、
ワクチンを接種するらしい。
わたしにとっては、なにしろここは、夫の祖国。
夫が打たないものを、打つべきとも思えず、
ワクチンを接種したことはない。
なんだか、へんな感じだ。
帰宅後、きっとNORAはショックだったに違いなく、
わたしからも、距離を置いていた。
餌をやっても、食べてくれない。
お詫びに、古いクッションに古いタオルを被せて、
座り心地のいい場所を作ってやった。
そうすると、とても気に入ったようである。
態度も、軟化した。
午後、ドクターお勧めのキャットフードを買いに行ったついでに、
首輪も買った。
これからは、半分うちの子だ。
よろしくね。