いや、わたしのことでも、あるのだが、一応は、NORAの話題。
一足先に帰宅した夫から届いた1枚の写真。
NORAは元気そうで、一安心だ。どうやら不在中、メイドのマニとドライヴァーのアンソニーが餌を与えすぎたようで、益々増量したようである。動物は飼い主に似るというが、本当に似てしまっている。
これはもう、結婚前からそうだが、ひとりで外食をするのが好きではない夫のために、わたしは出張や一時帰国などの不在の前には、料理を作りだめて冷凍しておくのが常である。外食のヘヴィーなインド料理や辛いものが苦手な彼はまた、当然のように自炊などできない。
米国在住時、彼がフィラデルフィアのMBAに通っていて、ニューヨークに住むわたしと「遠距離恋愛」(←改めて書くと恥ずかしいな表現だな)だったころ、ちょっとだけ料理を教えたことがあったが、あまりにもあまりにも、ハードルが高すぎて、わたしが断念した。
人には、向き不向きがある。彼には、彼の得意な方面の「頭脳」をのみ、使っていただくのが最も効率がいいし、危険度も低い。
というわけで、料理担当のわたしが、毎度作りためておくのである。
「アーユルヴェーダ的」にいえば、冷凍食品を食べることを勧められていない。食べものは作り立てがいちばん。加熱、解凍、加熱を繰り返すうちに食べ物の力が損なわれる。ゆえに普段から、冷凍食品を食べることも少なくなった昨今だが、旅とはごく一時的なことである。ノープロブレムだ。
「キャットフードだけだとかわいそうだから、NORAの分も作っておいてよ」と頼まれていたので、いや頼まれなくても作るつもりだったが、彼女にも蒸したチキンやビーフのソテーを用意し、小分けして冷凍しておいたのだった。
それをアンソニー(クリスチャンなのでビーフを触るのは問題ない)に頼んで、朝のうちに冷凍庫から取り出し自然解凍、夜、与えてもらっていた。キャットフードの量は調整して減らしてね、と頼んでおいたが、きっと多めに与えてくれたのだろう。
★ ★ ★
明日、早朝の出発ゆえ、現在荷造り中である。
夫が帰るときにも、日本米などを持って帰ってもらおうと、何度も体重計に荷物を載せては重量を調整し、スーツケースとは別に10キロ程度の荷物が入ったバッグを用意していたのだった。夫には、「忘れないでね」と何度も念を押していたのだが……。
その荷物を、夫が実家に置き忘れたまま、ご帰国なさった。
そらね、気づかなかったわたしも悪いですよ。でもわたしも、自分の東京行きのことなど準備もあったし、荷物もあるしで、毎回毎回いちいちいちいち、夫の面倒を見ていられません。
羽田行きのフライトに乗ろうとするわたしに、国際線の空港でチェックインをしている夫から「ねえ、あのお米のバッグはどこなの?」という電話がかかってきたときには、本当に、脱力でしたよ。
というわけで、それらの荷物、結局は郵送することに。日本は郵便局が小包を取りに来てくれるので、手間はさほどでもないけれど、それにしたって、無駄である。
「お米、来週のニューヨークで買って来るからさあ」
と、夫。買って来ていただきましょう。
お気に入りのカリフォルニア産コシヒカリ、TAMAKI GOLDを。米国行きのビジネスクラスなら、60キロは大丈夫なはず。いっそ来年の渡米予定の5月まで持つように、40キロ分くらい、米を買って来ていただきましょうか、というものだ。
夫との九州旅の珍道中は、本当に、無駄に、濃かった。
わたしに、それを書き残すエネルギーが、もはや残されていないことが、残念でならない。