片隅の風景＠インド

そして５年目。アーユルヴェーダで過ごす年の瀬。

メリークリスマス！

肌寒い朝。

ベッドから抜け出るのが少し辛い。

庭を歩き、ヨガをして、朝食に向かうころには、

陽光が庭の緑を照らし始めて麗しく。

フルーツや、ドサなどを味わい、

食後、甘く温かいチャイを飲む。

本を読みながら、幸せのひととき。

 

夫はといえば、

朝のヨガが入念につき、

いつもわたしより、一足遅れで朝食に。

ドサを注文するにも「こだわり」を見せる彼。

昨日はお気に入りの「帽子型」を注文していた。

今日は「クリスピーに」と頼んだところ、

なんだか巨大なドサが登場。

ぱりぱりと、おいしそうに食べている。

ムンバイを舞台にした『シャンタラム』。

その小説の世界に引き込まれ、

インドの広さ深さを思いながら、

物思いに耽っていた妻は、

一気に現実に引き戻され。

それにしても、そのTシャツ。

今年の誕生日、日本から遊びに来ていたF夫妻からのプレゼント。

お気に召している様子の「厄年」。

なんだかよくわからないが、メリークリスマス！

翳るころ、麗しき時刻。

毎年、滞在３日目ごろには、とてつもなく、無口になる。

誰ともしゃべりたくなくなる。

ひたすら本を読むか、ぼんやりしている。

その傾向は年々強くなり、今年はもう最初から、無口だ。

世界各地から訪れる異邦の人々とも、

最低限の言葉しか、交わしていない。

今日は、夫がどうしても大切な打ち合わせがあると、

朝から「娑婆」へ出て行ったので、

ことのほか、静かに、静かに過ごせた。

ヨガ、呼吸法、瞑想。

そして朝晩のセラピー。

五感はいつもより遥かに冴え渡り、

ゆらゆらと沈む夕日の、

舞い降る光の粒の音さえ、聞こえてきそうな静寂。

遠く近くで、鳥のさえずり。

遠く近くで、車の走り行く音。

遠く近くで、自分の呼吸する音。

朝の散歩。一日のはじまり。