ホールというよりは、大きめの音楽室。一番前の席で、こんなに間近で音楽を聴けることの幸せ。学生といっても、すばらしい技術を持つ人たち。わたしたちの耳には十分の音楽だ。
弦楽四重奏にコンチェルト、ともかく、楽しい。気分がいい!
弦楽四重奏で思い出すのは、プラハ。今から20年前、欧州を3カ月、放浪旅をしたときのこと。プラハには本当に、音楽があふれていた。
スメタナ劇場で聴いたドヴォルザークの交響曲、本当はスメタナの「我が祖国」を聴きたかったが、さておき、すばらしかった。
エステート劇場でのバレエ鑑賞も楽しかった。そして何より、ふらりと散歩をしていると、教会などで行われているサロンコンサート。弦楽四重奏を、目前で楽しんだのは、このときが初めてだった。
貧乏旅行だったけれど、当時のプラハでは、本当に廉価でチケットが買え、すばらしい音楽に触れ合えたものだ。
もっともジュリアードのこの学生たちによる披露は課題の一環でもあるということで無料であり、しかも平日は観客もまばらという状態。普段着でふらりと立ち寄り、音楽が聴けることのすばらしさ。