長い歳月を重ねて、小高い場所に屹立する「城塞」や「砦」という場所は、ただそれだけで、魅惑的な存在感だ。
わたしが初めて異国の城塞都市を訪れたのは1991年。取材で訪れた南フランスのカルカソンヌだった。「カルカソンヌを見ずして死ぬな」と言われているほど、そこは麗しい場所で、城塞のなかの町も、またホテルも、味わい深い場所だった。
以来、風に吹かれ、雨に打たれ、孤高に立ち、歴史を束ねて威風を損なわぬ有様に、心引かれるようになった気がする。
イタリアのアッシジや、サンジミニャーノもまた、そのような場所だった。
そしてこのインドにも、斯様な場所は、まだまだたくさんある。
訪れたい場所は尽きない。