焼きたてのおやつと、温かい紅茶。
わたしたちの部屋には、午後、おかしを焼く、甘い香りが立ちこめていた。気になって、階下を探索したら、ベーカリーがあった。小窓からのぞくと、おじさんがクッキーを焼いていた。わたしたちに気づいたおじさんは、焼きたてのあったかいクッキーを、一つずつくれたのだった。ほろほろと、軽い焼き上がりのクッキー。夕暮れの、このティータイムのための、クッキーだったのだ。
前 | メイン | 次