今日のランチは、ブロードウェイを挟んでホテルの斜向い、徒歩約1分の場所にある地中海料理店、Boulud Sudへ。Bouludとは、マンハッタンで久しく有名なフレンチシェフ、Daniel Bouludがオープンした新しい店だとのこと。
毎年、このホテルに滞在し、確か昨年、この店を目にしてはいたが、特に名店だと気づくこともなく、隣接するベーカリーで、クロワッサンなどを購入しただけだった。
今回、友人の真由美さんの勧めで、ここでランチをご一緒することに。アドレスを見て、ホテルからあまりにも近いことに驚いたのだった。
真由美さんと出会ったのは、1998年のこと。当時、ミューズ・パブリッシングを起業し、この地で働いていたわたしは、地球の歩き方の別冊『地球の暮らし方:ニューヨーク編』の編集者から取材を受けることになっていた。
そのとき、日本からの編集者の女性と、ニューヨーク在住のフォトグラファーの女性が、二人そろって来訪された。
わたしが自身のバックグラウンドを語る中「大学は、下関市にある梅光女学院大学というところです……」と言った瞬間、それまで静かにわたしの写真を撮ってくれていたフォトグラファーが、突然、「え〜っ! わたしも梅光です!」と声を上げた。
それからはもう、うぎゃうぎゃと叫び合ったのを覚えている。
というのも、梅光女学院大学。お察しの通り、非常にマイナーな大学で、大学卒業以来、偶然同窓生に会うことなど、一度もなかったのだ。それがこのニューヨークで出会うとは、たいへんな感動である。しばしインタヴューが中断されたのは言うまでもない。
その後、編集者が「テープ起こしおとき、あの時点だけ、音量がすごかったです」と言っていたことを、今でもはっきりと思い出す。
そのときのフォトグラファーが、真由美さんだ。彼女は今年でニューヨーク在住暦29年。市民権を持つ米国人となっている。
ところで、当時の記事をネット上にアップしているのを見つけた。結婚前なので坂田美穂。しかも32歳。確か1歳間違えて記載されていたので、実際は33歳。が、そんなものは、今となっては誤差である。
編集プロダクション社長。まあ、確かにそれはそうだが、社員がいるわけでもなく、すべて一人でやっていたゆえ、社長という自覚はなかった。ともあれ、なんだか微笑ましい、若かりしころの我。
スパークリングワインで乾杯し、おいしい料理を味わいながら、近況報告。それからは日本の話題、米国の話題。
やはり避けて通れぬは、大統領選の話題である。市民権を持つ真由美さんは、もちろん選挙権もある。一方、わたしは永住権を持っているが、選挙権はない。真由美さんが国勢に敏感なのは、言うまでもない。
まさか、冗談でしかないと思っていたトランプの大統領選出馬。暴言やら何やらが取りざたされる中、むしろ人気も注目度もアップして、あれよあれよと言う間に、共和党の予備選挙を勝ち抜いている。
彼の言葉を額面通りに受け取れば、なんとひどい、なんと横暴な……と、いくらでも反論が出て来るのだが、彼の言葉が「人々の心を煽る」べく計算のもとになされている、とするならば、それはそれで、恐ろしい。
なにしろ、まさか、の事態が今、米国で起こるかもしれない、のだから。日本とて、他人事ではない。日米安全保障条約をはじめ、それはもう、さまざまな面において、日米の関係は深く絡み合っているのを、影響を受けずにはいられないだろう。
日本人によるトランプ氏にまつわる記事、理解しやすいものがあったので、リンクをはっておく。この意見に賛同するか否かは別として、こういう見方もあるという点において、興味深い記事だった。特に佐藤氏のコメント。
■あなたに真似できる? トランプ氏の悪の交渉術 (←CLICK!)
■佐藤優が斬る!もしトランプが大統領になったら、世界はこう変わる (←CLICK!)
ホテルの部屋の窓から見える光景。左端のビルディングは、トランプタワー。セントラルパークの南西端にそびえ立つ。
わたしがニューヨークに住んでいたころ、このビルは出来上がった。最初は、わたしの部屋からセントラルパークの南西端の緑が見えていたのだが、このビルが徐々に成長して、すっかり視界が塞がれてしまったことを思い出す。
あのときはまさか、トランプ氏が未来の米国の大統領選に出馬するなど、誰も考えてはいなかっただろう。
ゆっくりとランチを終え、真由美さんと別れを告げたあと、ミッドタウンへ。今回、夫は次々にミーティングが入り、ほぼ毎日出かけているので、自由行動である。
夫のスーツを一着しか持ってこなかったが、二着用意しておけばよかった。
夜、ジャケットとズボンを別々にハンガーにかけ、バスルームに干したあと、シャワーを浴びる。そうすると、蒸気と湿気で、スーツの皺が伸びて、いくらか、さっぱりする。軽く消臭効果もある。
それはそうと、この写真はロックフェラーセンター。
SAKS FIFTH AVENUEを訪れ、その後、履き心地のよいサンダルを買うべく、GEOXへ。それまでは快晴だったのに、店を出るや否や、雨が降りだした。
時計を見れば午後5時。夫に電話をすると、すでにミーティングを終えていて、わずか10分ほど前に、彼もお気に入りのGEOXへ来ていて、靴を1足購入したのだという。
というわけで、彼が雨宿りをしているというプラザホテルへ、わたしも雨を縫いつつ、赴く。
プラザホテルは、フェアモント傘下のホテルになっていた。なぜかインド国旗が翻っている。
二人でホテルへ戻り、しばらく部屋でくつろいだあと、夕食へ。二人とも疲れ気味なので、近所のお気に入り「だった」メキシカンレストラン、ROSA MEXICANOへ。
アペタイザーのワカモレは、まあ、よかったが、メインは一皿しか頼んでいないのだが、それが大きすぎて、食べられない。肉が多すぎる。
外食が続くこと1週間。それなりに小休止を入れつつ食べ過ぎ飲み過ぎに注意はしているが、胃腸が疲れてきた。
そろそろ、自分が作るさっぱりとしたごはんが食べたくなってきた。が、まだステーキも寿司も刺身も食べていないではないか。無論、夫は打ち合わせで日本料理を食べに行ったらしいが。
やれやれ、気持ちに身体がついていかない、残念なことである。