山越え谷越え、
夫と二人で、ひとまずはたどりついた、この地。
心地のよい家で、一年を締めくくり、
新たなる年を迎えられることの幸せ。
日本に生まれて育ち、米国で長い歳月を過ごし、
そして今、インドにきた。
天竺、と呼ぶにはあまりにも、
あまりにも世俗の渦のなかで、
誰も、先のことなど、知りはしないのだ。
だから躊躇することなく、
歩いてゆく足がある。
聞きわける耳がある。
嗅ぎ分ける鼻がある。
見極める瞳がある。
そして、つかみ取るこの手のひらがある。
自分を、慈しみ、たよりにしながら。
もっと強く、たくましく、やさしく、懸命で、
ありたいと願う。