雲が浮かんでいる。
空を見上げている。
ちりん、と、小さな鈴の音が聞こえてくるかの如き。
やさしく目を奪う、情景。
服のデザインと、コーヒーカップ。
なんだか、お似合い。
それでは、行って来ます!
外へ出れば、鋭い日差し。
抜けるように青く青空。
デカン高原に夏が来た。
このところ、急に夏めいてきたバンガロール。
気温は軽く30℃を超え、外出をすれば暑さに気づく。
しかし我が家は緑に囲まれ、一年中、程よい気温。
庭が暑いとき、部屋は涼しく、
部屋が寒いとき、庭が暖かく、
だから、エアコンが、いらない。
しかし同じアパートメントでも、上階の人たちは、
エアコンが不可欠。
これから数カ月は、室外機のうなりを聞きつつの日々。
この街は、昔ながらのバンガロー(平屋一戸建ての邸宅)が、
本当は相応しい街なのだ。
遠く深く、近く浅く、思い巡らせど。
夜は明けて、朝が訪れ、
さまざまな種類の、無数の鳥たちが、
緑に紛れてさえずっている。
リスが木枝を駆け巡っている。
蝶が中空を舞い飛んでいる。
憂えど、笑えど、嘆けど、歓べど、
まいにちまいにち、朝はくる。
樹木に覆われた西の空。
小枝の隙間から、こっそりとのぞくように、二つの星。
今日の星空、きれいです。
まだ真夏には早い3月。
この地の盛夏は4月5月ゆえ。
蒸し暑い夕暮れに辟易しながら、
しかし日が暮れて、久しぶりの雨。
埃が洗い流されて緑蘇り、
雨に濡れた、土の匂いが家まで流れ込んできて、
大地の匂いだ。
いい匂いだ。
The Leela Palace Hotel@ Bangalore
降りそそぐ、滴る、緑。
高く青く、空。
遠く近く、野鳥らの声。
カプチーノでもカフェラテでもない。
サウスインディアンコーヒーのデコクション。
静かに思い巡らすのに好適の場所。
この街で、好きな場所のひとつ。
母の日おめでとう。
贈り物は今、空を飛んでいます。
少々お待ちを!
爽やかで、心地よい。
ああ、高原だな、と思う。
青く今日も澄み渡り。
歯科治療の前にひと仕事。
の、つもりで立ち寄ったホテルのカフェ。
ぼーっと光景、眺めてばかりで、
少しもはかどらない。
雨季なのに、
降りそうで降らない。
朝のそら。
天竺の、デカン高原の、夜明け。
やさしげな日暮れ。
日差し照りつける、暑い朝。
庭師が休みでしたので、自分で水を撒きました。
樹々や葉や、壁の埃も落としてしまおうと、
ホースの先を天に向け、
あたかも、雨が降り注ぐかのごとく。
と、気がつけば、どこからともなくやってきた、
無数の蝶たちが、
庭の至るところで乱舞しているではありませんか。
その数は、十、二十……。
見上げれば、大樹の枝の周辺のそこここでも、
ひらひら、ひらひら、ひらひらと。
潤い、土の匂いを漂わせた大地に休むものあり、
2匹、3匹でくるくると楽しげに舞い飛ぶものあり、
あるいは果敢に、ホースからこぼれる雨に向かうものあり……。
大きな声で夫を呼び、
二人しばらく放心で、
わたしはホースを握りしめ、
夢のような光景に、見入っていたのでありました。
蝶は、数種類飛んでいた。
中でも、一番多かったのは、「リュウキュウアサギマダラ」。
その名の通り、沖縄でもよく見られるという。
黒に浅いブルーが麗しく。
なんとありがたき、
恵みの雨。
埃まみれの緑を洗い、
乾いた大地を潤し、
暑さ熱さを鎮め、
波立つ心抑え、
強く静かに、夜降る雨。
今日は終日、書斎で仕事。
窓の向こうでは、風が、
木々揺らし、葉を泳がせ、
青空仰げば、旅情。
あてもなく、列車に揺られ、
放浪した日々が蘇る。
あれから幾星霜。
ひとりで、遠くまで、旅をしたい。
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