片隅の風景＠インド

かつての住まいへ。

ホテルで軽い朝食をすませる。

外は、夢のように、快晴。

ウィスコンシン・アヴェニューを歩く。

樹木の、懐かしい匂い。

これは、なんの木の香りだろう。

ほどなく見えてくる、ALBAN TOWERS。

わたしたちが暮らしていたアパートメント。

かつて、SUITE HOTELだったこの建築物。

味わい深く、眺めよく、

とてもすてきな、住まいだった。

斜向かいには大聖堂の。

アパートメントの斜向いに立つ、

ナショナル・カテドラル。

あのころ、しばしば、訪れては祈った。

父の闘病、そして死。

友の闘病、そして死。

重なったころ。

どれほど、この場所に、

救われたことだろう。

花草木、萌ゆる庭。

長い長い冬のあと、

スイセンの花が咲き始めるころから、

静かに、確実に、春が訪れる。

その時節を待ちわびる日々の、長かったこと。

大聖堂の傍らにあるBISHOP'S GARDEN.

朝な夕な、

渦巻くような鐘の音に包まれて、

散策し、本を読み、文字を綴り、

ときに無心で、そこに在った。

それにしても、

こんなにゴージャスな日曜日は、

住んでいたころでさえ、

なかなか出合えるものではなかった。

プレゼントのような一日に、感謝。

インドへと続く道。

2003年９月から12月にかけての３カ月間。

ジョージタウン大学の英語集中コースに通った。

あのときに記したリサーチレポート。

アジアの頭脳流出について調べるうちに、

テーマは絞られ、転じて、

「インドの新経済」。

それがきっかけで、インドに住んでみたくなった。

この街で、限りなく行き詰まり、息詰まり、

先が見えなかったのも理由のひとつ。

あれからの紆余曲折。

あのときは、若かったのだな、と、

だからこそ、夫を巻き込み、波乱のなか、

インド移住などやってのけたのだと、

しみじみと、思う。

踏み出せる年齢、

無茶をしてもなんとかなるタイミング、

というものは必ずあると、

今回の旅では、痛感している。

この道を下って、ジョージタウン大学へと向かったものだ。

即ち、インドへと続く道、であった。

人の価値観、一筋縄ではいかないものだ。

こんなきれいな場所からなぜ？

なぜインドに？

説明してみたところで。

ただ言えるのは、

ずいぶん、好き勝手をしてきたものだということ。

もちろんそのための努力は、惜しまなかったけれど。

しみじみと、殊更に、７年ぶりのこの場所で。

若冲を見に。

ミュージアムが豊かなワシントンD.C.

中でも好きな場所が、National Gallery of Artだった。

そこで開催されている、

伊藤若冲の展示会へ。

今日が最終日とあって、たいへんな混雑ぶり。

それでも、訪れてよかった。

今からちょうど100年前、日本から米国に、

友好の証として、桜が贈られた。

今年はそれを記念して、盛大な桜祭りが行われており、

この若冲展もまた、その一環だったようだ。

白いクジャクの、すばらしさ。

 

＊情報を教えてくださった、米国在住の読者の方にも、感謝です。

かわるもの、かわらぬもの。

ジョージタウン。この街の様子は、

当時と概ね変わらず、ほっとする反面、

行きつけだったBarnes & Noble。

この書店もまた、なくなっていた。

Bordersが消えてしまい、Barnes & Nobleも。

書店がなくなる日が来るなんて、

本当に思わなかった。

ニューヨークでも気になっていた、

カップケーキのはやりっぷり。

昔から米国の人たちはカップケーキ好きだけれど、

このごろのは、ヴァリエーションその他に凝っていて、

専門店も誕生している。

このカフェにも、オリジナルのカップケーキが、

麗しく陳列されていた。

面白いものだ。

親しかった友と、過ごす夜。

ジョージタウンのワインバー＆イタリアン。

４年ぶりに友と再会。

いつも、カップル同士で会っていた。

彼がロンドン赴任したのち、

二人はブレイクアップ。

彼女は新しい彼を連れて来て、

以前の彼とは全く違うタイプの男性で、

なんとなく、戸惑いつつも、

変わらぬ彼女のフレンドリーな笑顔に、

今の幸福が感じられ、

またいつかの再会を約束し、別れる夜。

 

花曇りの街を歩く。

昨日とは打って変わり、厚い雲に覆われた空。

それでも、雨が降っていないだけ、いい。

ウィスコンシンアヴェニューを下り、

閑静な住宅地を散策。

お気に入りの場所、ダンバートン・オークスの庭。

月曜はあいにくクローズで残念。

それでも、すてきな光景は、あちこちに。

四季のある土地の、自然。

いつだって暖かいか暑いかで、

一年中、そこで過ごすことのできる

我がインドの庭もいいけれど、

四季折々の表情が豊かな、

この優しい緑と淡い色合いの花々の、

なんと心にしみいること。

この次はいったい、いつだろう。

この街を訪れるのは。

こうして歩くのは。

なじみの店の、なじみの料理。

行きつけのピッツエリア、

2AMYS。

月曜の夜だというのに、

あのころと変わらぬ賑わいで、

少し年を重ねて、

しかし同じメートルディーのお姉さん。

あのころと同じメニュー。

あのころと同じ料理を頼み、

本当に、時間の軸がぐねぐね曲がる。

最終日は運転手。

本日、夫は郊外でミーティング。

せっかく来たのだ。

かつてのボスらと旧交を温めるべし。

ビジネス即ちネットワーキング。

西へ北へと走るため、

妻は「進化した」Garminを頼りに、

ステアリングを握り走る。

自分で走ることの、爽快。

まずはなじみのタイソンズコーナー付近。

夫を下ろしたあと、

近所の高級ショッピングモールを散策。

ランチのあとは、ボルティモア行きだ。

今朝方の雨がやんでくれてよかった。

最後の夜は。

夫の希望により、

リーガル・シーフード。

クラムチャウダーにロブスター。

妻はといえば、旅の中盤以降、

実は「外食欲」が激減しており。

早くインドに戻って、

野菜たっぷり素朴ヘルシー料理を作って食べたいと、

身体が切望している。

添加物のない、大地のめぐみを！

さらにはアーユルヴェーダのマッサージを、

身体が切望している。

やっと３つ目の空港。

DCからニューヨーク。

ニューヨークからドバイ。

もう、時間の感覚、崩壊。

さて、バンガロールまでもう一息！

いつものようにチョコレートとワインを買い、

モカチーノ飲んで気分転換。

さて、もうひとがんばり。

まもなく、ただいま。

一筋縄ではいかぬ、ただいま！

へとへとでもただいま！

と思いきや！

スーツケース４つのうち、

一つ乗り遅れ。

一つ車輪損傷。

手続きしてるまに午前４時。

かなり辛いが、わが家はもうすぐ。

それにしても。

精神的距離は近い米国。

物理的には、遠いなあ。

身体が欲するものを！

長旅を経て、帰宅。

仮眠をとったあと、買い物へ。

なにより必要なのはココナツウォーター。

アーユルヴェーダ的にいえば、

わが身体、現在「ピッタ」のバランスが崩れているらしい。

身体の火を抑えるためにも、ココナツウォーターは最適。

それから咳止めに大根とハチミツ。

身体を浄化するメティの葉っぱも。

そして何より楽しみにしていた、マンゴーを。

食べ過ぎは禁物！

なので少しずつ、味わいます。

よ、予備ですかっ？！

我が夫がお気に入りの、UNIQLOコラボTシャツ。

ここ数年、ニューヨークを訪れるたび、コレクションを増やしている。

今までのヒットは、黒地に金色の菊花がきいた「菊正宗」。

「ジム・ジャームッシュ」の映画のシーンを切り取ったシャツもお気に入り。

さて、今年はMoMAとのコラボレーション。

ウォーホルのポップアートTシャツをまずは２枚。

ニューヨーク滞在最終日、わたしがホテルでくつろいでいるとき、

またしてもUNIQLOを訪れた夫。

発売開始されたばかりの、

日本企業のコラボTシャツを仕入れてきた。

「白鶴」に「ゴーゴー・カレー」は知っていたが……。

今日、夫の荷物を整理していたところ、

「一風堂」を発見！

さらにはゴーゴー・カレーがもう１枚！

予備ですか？！

そんなに、お気に召しましたか！！

わが夫ながら、毎度、いい味だしてるマイハニー。

ってか、ゴーゴー・カレーってなに？

月下美人が咲く時節。

気がつけば、月下美人の蕾が。

去年の倍ほども。

来月には、夢のような花の夜。

静かに、成長を見守ろう。

小さな変化が招くやさしいしあわせ。

ジャイプール発のテキスタイルショップ、SOMA。

今日はのんびりと、眺めてみた。

すると、新しいのか、今まで気づかなかっただけなのか、

見たことのない形の、かわいい布たち。

正方形の小さなテーブルマット。リバーシブルなのだ。

ティータイムのマットに。

あるいは、デスクの一隅で、

コーヒカップやお菓子皿コーナーを作ってみるのもいい。

花器の下にしいても、かわいらしい。

これは、鍋敷きにも鍋つかみにもできる。

モクレンの花に、心を奪われた。

レモン柄の丸いマットもまた、かわいらしいこと！

これらもまた、リバーシブルなのだ。

そして、そこはかとなく花鳥風月、花蝶風月なテーブルランナー。

落ち着いた色彩もまた、いい。

こちらは、ピローカヴァーなど。

ガーナチョコは、大きさの目安のために。

毎日すごすテーブルの、テーブルクロス。

デスクのクロス。

そういう場所にあるものが、

「いいな」と思える色や柄に彩られるのは、

ささやかだけれど、いいものだ。

 

天然を飲み干す

切る。

絞る。

飲む。

ほんのりと淡い風味。

やさしい柑橘、ムサンビ。

「スイートライムジュース」は、

インドでもっとも一般的な果汁のひとつ。

アーユルヴェーダでも勧められている、

ヘルシーなジュース。

朝の身体に、染み渡る。