先週行ったチャリティ・ティーパーティで集まった寄付金と寄付の品々を持って、OWCが支援する慈善団体の一つであるアシュウィニ (Ashwini Charitable Trust) を訪問した。
アシュウィニは、スジャータという女性によって、2000年に創設された、貧しい家庭の子供たちのための、「塾」あるいは「学習センター」のようなもの。
右写真の中央に立っているのがスジャータだ。
企業や個人の寄付やヴォランティア活動によって成り立っているというこの施設。
教師らには賃金が支払われるが、スジャータをはじめとするスタッフはみな無償での労働だという。
現在、4歳から15、6歳までの子供たちが、放課後、ここに集う。
スジャータ曰く、アシュウィニで採用している教育方法論は、米国の心理学者、ハワード・ガードナー(Howard Gardner) のメソッドに基づいているとのこと。
子ども一人一人の個性を重視し、長所を伸ばすべく、机に向かっての学習だけでなく、ダンスやスポーツ、音楽や美術など、多岐に亘るアクティヴィティを体験させている。
ちなみにインドにおいて「貧しい人々」の幅は非常に広いため、支援の対象となる子供たちの家庭の経済状態を知るのは大切なこと。生徒は家庭訪問などを通して選んでいるという。
創設当時は9人だった子供たちは、今では122人となり、学校の建物も2カ所に分かれている。
アシュウィニに通っているのは、施設のあるULSOOR LAKE周辺在住で、中でも父親がアルコール中毒などで仕事もままならず、母親はメイドとして働き、しかし母親の平均賃金は月給500ルピー(1000円程度)、つまり1カ月の世帯収入が3000円程度の家庭の子供たちだという。
インドにおいては、メイドといってもピンからキリで、ここでいうメイドは中流階級の人々が雇うメイドのことである。富裕層や駐在員が雇うメイドの相場に比して1割程度の収入だ。
このような家庭の子供たちは、学費の安い公立高校に通っているが、7年生(日本でいう新中学生)になると急に学費が上がるため、子供たちを学校に通わせなくなる家庭が増える。
アシュウィニでは、そのような子供たちの学費の援助に加え、施設内での教育や食事、制服の支給などを無償で行っているとのこと。
さて、わたしたちの寄付した6500ルピー。
たいていの施設は小切手でしか受け付けないため、小切手を持参した。
ところが、この施設は外国籍の名義の小切手を受けられないとのこと。
慈善団体としての登録の際の、申請の形態にもよるようだ。
ともあれ、州政府からの検査が入ることもあるとかで、むしろ現金であればいいとのこと。
小切手を持参したものの、現金で支払った。なお、わたしたちの寄付金の使途先は、現在一番不足している食料費に充てられるとのことだ。
今回、同行してくれたOWC日本人会員の方々とともに、しばらくスジャータと話をする。
いつもに比べると、子供たちと触れ合う時間が少なかったものの、バンガロールにおける日本人女性のことを知ってもらう上でも、いい機会だったと思う。
情操教育を重視していることもあり、ぜひとも折り紙などを教えに来てほしいとのリクエストもあった。定期的に通うのは難しいかもしれないが、単発的な訪問なら可能な人もあるだろう。
機会を見て、今度は子供たちと接するべく、おりがみを教えに行きたいとも思った。