約半年前にミューズ・クリエイション結成以来、初のバザールを昨日、開催した。
本当に、すばらしい一日だった。
ミューズ・クリエイションのメンバーはもちろん、参加してくれたヴェンダー、そして来訪してくれたゲストも、みながハッピーな気分になれたに違いない、そんなバザールだったと実感している。
先週は曇天や雨が多く、不安定な天気だったのだが、昨日は快晴だった。
雨さえ降らなければ、どう転んでもうまくいくだろうと、思っていただけに、当日、青空の広がりと空気の軽さを感じただけで、すでに朝からガッツポーズである。
OWCのクリスマスバザールからわずか2週間。ミューズ・クリエイションの布チーム、紙チームの作品の多くがすでに売れていたから、メンバーはみな、またしても作品作りに追われていた。
今回は、他のヴェンダー(出店者)も入るから、無理のないように、と伝えてはいたものの、みなさん、目標があるとなると、たいへんな底力。
さまざまな作品が仕上げられ、バザール前日の一昨日は、値段の設定や値札付け、商品のディスプレイなどが着々と進められた。
今回、開催場所が自宅だということもあり、どれほどの来訪者に対応できるかが未知数であった。
そもそも、当日参加できるミューズ・クリエイションのメンバーだけでも25名余り。加えてヴェンダーが13。関係者だけで50名ほどになる。
来訪者は50〜100名程度だろうか……との曖昧なイメージを抱きつつ、バザール開催の告知をしたのだった。
まずは、バンガロール在住の日本人女性からなる「さくら会」。ここには現在、100名を優に超える会員がいることから、さくら会を通して告知させてもらった。
あとは、メンバーたちの友人知人、Facebookを通しての宣伝だ。OWCのメンバー全体に告知をすると、万一多くの人々が詰めかけたら対応できないと判断したため、今回は依頼しなかった。
結果的に、ゲストは60数名。決して人数的には多くはなかったものの、ミューズ・クリエイションの商品はほとんど完売。
参加してくれたヴェンダーの商品もかなりたくさん販売され、みなさんに喜んでもらえた。
ちなみにヴェンダーは、NGOなどの非営利団体に対しては、無償で場所を提供。それ以外は売り上げの5%を寄付してもらった。
数字的な結果を先に報告しておくに、バザールへの入場料、布/紙製品の売り上げ、不用品の売り上げ、そしてカフェ・ミューズの売り上げにヴェンダーからの寄付を加えて、合計62,850ルピーに達した。
2週間前のクリスマスバザールの売り上げと合わせると、10万ルピー近い。
日本円で15万円程度。日本の物価で考えれば、たいして大きな数字に思われないかもしれない。しかし、インドで15万円は、日本のそれよりも、ずっとずっと、有効で有意義な結果を生むことができる。
ミューズ・クリエイションの活動は、売り上げの金額を重視しているわけではないから、数字のことはさらっと流したいのだが、ただ、活動の結果の目安として、記録しておく限りだ。
上記の売り上げから、布代やスコーン作りの材料費、コーヒー、紅茶の原価を差し引くことになるが、それにしても、メンバーが「楽しみながら」これだけの成果を上げられたことは、本当にすばらしいことだと、切に思う。
以下、昨日の写真を紹介しつつ、ハッピーだった一日をシェアしたいと思う(写真はクリックすると拡大します)。
会場は午前11時につき、準備は10時から。大幅に遅れてきたヴェンダーが2件ほどあったが、それ以外は11時までにほぼ準備も完了。
メンバーのネームタグや張り紙、案内のサイン、すべて経費を節減するために「手づくり」である。
左上はミューズ・クリエイション「チーム布」の作品の数々。右上は「チーム紙」の作品。
一昨日、チーム食のメンバーが鬼のように焼いたスコーンと、防腐剤不使用の新鮮生クリームを熱血して泡立て、水分を分離して作ったフレッシュバター、そしてMADE IN INDIAの各種フルーツジャムのセットを販売。
カフェ・ミューズのウエイトレスが着用しているサンタのエプロン。これらはなんと、チーム布のメンバーのお手製なのだ! エプロンもウエイトレスも、かわいいでしょ?
これは、我が家のファミリーフレンドのラナが提供してくれたコーヒー。コーヒー&紅茶のマイスターである彼は、南インドのクールグにコーヒー農園を持っているのだ。
このコーヒー豆は、数日前にローストしてもらったもの。本当に香り豊かで優しい味わいがするコーヒーだ。カフェ・ミューズでは、このコーヒー豆を使ったコーヒーと、紅茶を提供したのだった。
このコーヒー豆も販売したのだが、完売。もっとたくさん仕入れておくのだった。バンガロールにお住まいの方で、このコーヒー豆に興味がある方、どうぞ坂田までご連絡ください。入手方法をお知らせします。
【非営利団体】
・BELAKU TRUST
・HCT: Helpline Charitable Trust
・OBL: One Billion Literates
・Shepherd Crafts KASHMIR
・Bornfree Art School
・OWC
・MUSE CREATION(布/紙/リサイクル/カフェ)
【ビジネス】
・ANU'S
・so & fi
・Lotus Vibe
・J. Nicole Designs
・SACRED LOTUS
・Jacaranda
・KAHAWA FRESH: Indian Arabica Roasted Coffee
左上はデヴィカ(Shepherd Crafts KASHMIR)。あのすばらしきカシミール手工芸品の旅を主催してくれた彼女だ。彼女は羊飼いの女性たちが作る刺繍製品を持参してくれた。
右上はLotus Vibe。布製のバッグやヨガマット入れ、バックパックなどを販売。廉価でなかなかにかわいらしい商品を販売していることから、OWCのクリスマスバザールの際に出店を依頼したのだった。
この「ブナの木」の繊維で作られた衣類を販売するSACRED LOTUSも、OWCのバザールで発見。ともかく、質がよい快適ファッションだったので、このブランドはぜひとも来てもらいたかった。
左上は、ここでも幾度かご紹介したOBL: One Billion Literatesのアナミカ。ミューズ・クリエイション結成後、初めて訪問したのが、OBLが支援する公立学校だった。
こちらはブラジル人の女性たちが支援する貧困層救済の施設、NEEM。手づくりの素朴な小物類が用意されている。
左上は、ここでも幾度か紹介したBornfree Art Schoolの実生さん。
右上は、木綿のカラフルな子供服を販売するso&fi。OWCのクリスマスバザールで見かけ、とてもかわいいい子供服だったので、出店を依頼した。
今回、人気、売り上げともに一番だったのが、この天然石のジュエリーショップ。ホワイトフィールドに暮らす彼女、ジェニファーが自ら手がけたジュエリーは、その色合いといいデザインといい、とても素敵。
日本人女性の好みであるに違いないと確信し、やはりOWCのバザールで出店を依頼したのだった。結果的には、日本人だけでなく、ゲスト全般の人気を集めていた。
本来は売り上げの5%を寄付してと頼んでいたのだが、彼女は「とてもいい仕事をさせてもらえたから」と、10%を寄付してくれたのだった。
ちなみにわたしも、カラフルながら上品なブレスレットを購入した。
こちらは、ミューズ・クリエイションのメンバーに声をかけて集めた家庭の不用品。コンディションのよい不用品を集めての「リサイクルショップ」だ。
日本語の本、衣類、玩具、小物、その他、山のように商品が集まったが、販売担当メンバーの、状況を見ながらの「叩き売り」が功を奏して、こちらも完売。
余ったら慈善団体に寄付する予定だったのだが、日本語の本以外はほとんどが売れて、よかった。本は、また別の機会に販売するとして、それまでは、一時期「図書館」にしようかとも思う。
半年前、ミューズ・クリエイション創設の日に開催したバザールでも出店してくれたBELAKU TRUST。貧困層の女性たちによる手づくりの工芸品が山ほど。テーブルが一つでは足りず、どんどん脇に進出の図。
こちらは「キッズ・ミューズ」@サンルーム。メンバーの方が貸してくれた子供の玩具などがたっぷり用意されていて、準備は万端!
なのだが、お子様連れの方はあまりいらっしゃらず……。
楽しんでいただけたかしらん……。
ところで今回のバザール。
11時から5時までという設定にしていたのだが、大半のゲストはランチ前に訪れた。
従っては、ランチ前が大わらわで、午後はのんびりという状況である。
これは予想外のことであった。
もっとも、ゲストとしては、早い時間の方が売り切れなくてよいというイメージがあったのかもしれない。
午後にもう少しゲストが入ってくれればと言う思いもあったが、結果的には、ミューズ・クリエイションの25名を超えるメンバーが、午後は自分たちの買い物もゆっくりできたのが、よかった。
加えて、ヴェンダー同士がおしゃべりをして、交流を深められたのも、よかった。
この込み合うキッチンの情景。ランチタイムである。ドミノピザとKFC、両方から注文。ビザはすべてヴェジタリアンを注文し、ヴェンダーのみなさんにもお配りする。
それにしても、こういう食べ物、みんなで食べると、格別においしく感じるから不思議。
ジャンクなフライドチキンが、ことのほか旨い!
ドミノのピザが、かなり辛いのには驚いた。
午後はメンバーたちも精力的にお買い物。カシミールの羊飼いの女性たちによる刺繍が施されたバッグ。その作られるバックグラウンドを知ると、その品物の意味合いが一段と増す。
というわけで、メンバー、互いに勧め合いつつのショッピング光景だ。
カフェ・ミューズも非常に好評だった。緑一杯の庭。心地よい風が吹き、蝶が舞い、花が揺れる。日本の駐在員の奥様方も、たくさんいらした。
また、時々カフェだけでもオープンしようかしらん。というくらい、いい感じである。
サロン・ド・ミューズ(すなわち、我が家)の一隅に、ショーケースを常設し、手工芸品を販売する……というアイデア。実は、以前から考えていたのだが、「カフェ・ミューズ」と併せて実現させるのもいいかもしれない。
ファミリーフレンドのラナと妻のディーピカも立ち寄ってくれた。本当にすてきなカップル。ディーピカは昔、キャセイのスチュワーデスだった。今は小原流の生け花の師匠でもある。
昨日のもう一つの「華」はチーム歌の合唱であった。バザールの開催中、都合3回、「ミニコンサート」を開いたのだった。
我が家の構造は、このコンサートのためにあったのではなかろうか、というくらいに、そらもう、いい感じでのレイアウトである。
ゲストのみなさんの中には「どこから歌が聞こえてくるの?」ときょろきょろする人もいる状態。その後はもう、みなさん、首が痛くなるんじゃないかというくらい、見上げつつ、聴き入ってくださった。
曲目は、『ホワイトクリスマス』『椰子の実』そして『Oh Happy Day!』。ゴスペルである。
すべてのチームに首を突っ込んでいるわたしは、チーム歌のメンバーでもあり。
この『Oh Happy Day!』では、リーダーより重責を指名された故、坂田は日本旅から戻って以来、日夜、夫から「もう、やめて」と言われるくらい、歌いまくって練習したのだった。
昔なら、あっという間に覚えられた歌。大人になると、覚えが悪いのなんのって。中でも『Oh Happy Day!』は簡単そうに聞こえて非常に難しい!
まずは手本とした歌手の歌い方をまるごと真似するところから始まり、ややアレンジを加えることにしたのだった。が、覚えるところで当日を迎え、アレンジにはいたらず。
これまで、「形が見える」布や紙、食チームの活動ばかりがアピールされがちだったが、このチーム歌の活動もまた、「雰囲気を盛り上げる」非常に貴重な存在なのだ。
毎週金曜日、サロン・ド・ミューズでは、すばらしいキーボードの生演奏に合わせて響き渡る歌声をBGMに、みなが作業をするのである。
ともあれ、コーラスは大好評。会場はたいそうな盛り上がり!
坂田には、途中からウーピー・ゴールドバーグが降臨する始末。もう、自分が日本人であることを忘れて、観衆に投げキッス状態だ。
喪服。ではない。コーラス舞台は黒い服にパールのネックレスという揃いのファッションで集ったのだった。インドでは、みながカラフルな服装だけに、黒集団は目立つのだ。
タイミングが合わず、みなの熱唱を聞きそびれたゲストがいらしたのは、本当に残念だった。また、近々、どこかで歌う機会を見つけたいと思う。
まずは「慈善団体訪問時」に、子どもたちの前で歌う。頼まれなくても歌う。そこから始めよう。
そんなこんなで、閉場を1時間後に控えた4時ごろからはもう、メンバーの一部は気もそぞろ。というのも、冷蔵庫には、たっぷりのビール(KINGFISHER ULTRA)が待っているからだ。
先日のOWCのクリスマスバザールのあとで飲んだビールの味が忘れられず、今回も打ち上げ用のビールを用意しようと、しっかり心に刻んでいたのだ。
4時半にはもう、会場の整理。ヴェンダーたちはにこやかに立ち去り、我々は片付け。お金の計算なども速やかに、本当にみなさんのチームワークと手際のよさには感嘆させられるのだった。
それに加えて、適材適所。
みなが均等に、同じ技量を持っているわけでは、決してない。だからこそ、それぞれの人が持つ潜在的な力が生かされる場所があると、個性が生きる。
都合がつかず、早めに帰宅されたメンバーもいたが、ともあれ残ったメンバーで乾杯!
感無量!
スコーンやらピザの残りをつまみに、ひとしきり飲んで、やんややんやと語り合い、挙げ句の果ては、みなで合唱。
楽譜まで取り出して、熱唱する人々。
まさに学園祭! 青春過ぎる。
まだ6時過ぎだというのに、この盛り上がりっぷり。奥様方、お夕飯の支度は大丈夫ですか?
ちなみに、演奏がワンダフルすぎて、実際に演奏されていると思われなかった方もいらっしゃったようだが、実は『ホワイトクリスマス』と『椰子の実』は生演奏だったのだ。
階下はバザールでごった返すことが予測されたため、2階のベッドルームにてキーボードを設置しての演奏であった。
ビールを飲みまくったあとでも、淡々と完璧に演奏される後ろ姿に、感涙。
そしてみなさん、残りのスコーンなどをお持ち帰りしていただき、7時ごろには解散。非常に濃密な一日が終わったのだった。
関係者のみなさん、お疲れさまでした。
そして、バザールに立ち寄ってくださったみなさん、ありがとうございました。
★
「駐在員とその家族」という立場にあるみなさん。わずか数年間のインド生活の中で、こうして束の間、一緒に活動をし、思い出を作ることができるのもまた、意義深いことだと思う。
近々バンガロールを離れるメンバーが4名。別れは寂しいが、それは一つの節目。
出会いと別れが渦巻く場所で、ミューズ・クリエイションは、なるたけ長く、確実に、続けていくことができたらな、と切に思う。
ミューズ・クリエイションの活動に興味のある方は、どうぞこちら(←Click!)をご覧ください。見学も、お気軽にどうぞ。