マルチ・スズキのマネサール工場で暴動が発生し、死傷者が出てから1週間以上が過ぎたが、再開の見通しは立っていないようだ。
■マルチ・スズキで暴動。本当に、難しいインド。 (←Click!)
スズキの工場に限らず、低賃金で働く労働者の問題は、昨今のインドでは全国の随所に満ちあふれている。
上の新聞は、今朝のローカル版。
"The issues raised by workers in distant Manesar would seem familiar to industrial workers in Bangalore."
で始まるこの記事。10年間で人口が倍増した、このIT都市バンガロール。1990年代後半からの都市の変貌はめざましく、すさまじく、貧富の差は拡大するばかり。
この記事では、アウトソーシングによって、低賃金で働かされているローカルの人々の労働環境についてが記されている。
たとえば、バンガロールに約30万人はいると見られている衣料産業(アパレル産業)従事者、即ち縫い子の女性たち。1日12時間労働で、給料はひと月3500ルピー。日本円で5000円ちょっと、というところか。
上の写真は、彼女たちの労働組合が、デモを行っている様子である。
彼らの暮らしぶりは、自分たちのメイドや庭師、ドライヴァーたちの話を聞けば、想像がつく。わたしは彼らの家を訪問したこともあるのだが、その周辺環境を見るにつけ、現状の厳しさを突きつけられる。
彼らにとって大きな問題は、医療。上記の女性たちは当然のこと、多くの低所得者層は、社会保障のない世界で生きている。
その一方で、病気にかかりやすい、怪我になりやすい環境で生きている。治る病気を治せずに、命を落とす人もごまんといる。
話題はかわって。昨日、書店で偶然見つけた本。表紙を目にした途端、その内容が想像できて、一気に気分が盛り上がる。
Amulというのは、インドの乳製品大手。バターを中心に、ヨーグルトや牛乳、チーズなどを販売している。そのAmulの広告が非常に興味深いことは、このブログでも時折記してきた。
特にムンバイに住んでいたころは、アムールのビルボードを見るのが楽しみであった。ちなみに数年前より、バンガロールでも、新聞に広告が載るようになった。
インドだけでなく、世界の時事、トレンドを素早すぎるほど素早くキャッチして、広告にするのである。ダジャレ風コピーもウィットに富んでいて、面白い。
尤も、ヒンディー語がわからないわたしには、解説をしてもらう必要がある広告も多々あるのだが、それでも、なお、である。
以下は過去、ビルボードを撮影し、コメントを記している記事である。参考までに。
■座布団一枚! 乳製品大手AMULの広告
■INDUSに初参加。テキスタイルZEBAの工房見学。
■アップル。贈り物。語る午後。ガネイシャ祭り。
さて、この本は、アムールの50年に亘る広告史のダイジェスト版である。この本をめくれば、インドのトレンドの一端が垣間みられて非常に面白い。
仕事にも、結構、役立つ。
ボリウッド俳優やクリケット選手の登場は定番。世界情勢にも敏感だ。
町中に米国発ファストフードがあふれる現在では信じられないかもしれないが、KFCが初めてインドに進出した1995年。さまざまな問題が発生し、閉店に追い込まれている。
右上は、その現状を伝える広告だ。
閉店に至った理由は、店頭での反対運動や破壊活動のようである。鶏肉が化学物質漬けであるとか、インドの食の伝統を侵害するとか、MSG(化学調味料)を含有しているとか、さまざまな要因があったようだ。
ちなみに1号店は、ここバンガロールだった。
それから10年を経て、2005年。KFCは再度インドに進出。現在はめまぐるしい速度で、店舗数を増やしている。
ところでKFCの広告の上は、スズキのZENが発売開始されたときもの。
インドは未だに日本を"JAP"と表現する人が多くて、困る。メディアでも、平気でやっているところが困る。悪意はないとわかっているのだが、微妙。
テクノロジー関連の話題にも敏感。アップル社のロゴに合わせて、自社のロゴもアップル風の書体にするあたり、フレキシブルすぎて驚く。
右上、下の広告は、スティーヴ・ジョブスを追悼するもの。リンゴを蠟燭に、リンゴの葉を灯火に見立てているようだ。
自社のロゴは、左下に小さくある。最早、アムールの広告だとはわからない暴走ぶりだ。
ミッション・インポッシブル(任務不可能)にかけて、アドミッション・インポッシブル(入学不可能)。合格発表の様子が描かれており、落ちた子が泣いている。
当事者にとっては、まったくもって笑えない広告だ。
ダークさでは右上のIncredible India!も秀逸だ。Incredible India!とは、インドの観光促進キャンペーンのキャッチコピーである。
Incredibleという語には、「信じられない」という意味がある。
観光促進においては、もちろん「信じられないほどすばらしい」というポジティヴな意味合いで用いられている語だが、それを、ネガティヴに用いたのがこの広告。
背景は、数年前のデリー。コモンウェルスゲーム開催を控えて、交通インフラなどが突貫工事で行われていた際、さまざまな事故が発生した。
広告では、工事中の高架が倒壊した様子を描いている。
このように、例を挙げればきりがないほど、この広告は面白いのである。ダイジェスト版ではなく、すべての広告を掲載し、解説した本を一冊出して欲しいとさえ思う。
このクッションカヴァー。先日、カシミール旅で注文しておいたチェーンステッチの商品が、届いた。あの、夫が来襲した日に訪れた工房である。
その場では「これ!」というものが見つからず、1枚だけ見つけた「年代物」のサンプルが気に入った。
それをもとに、地色が異なる2種類、合計6枚が届いたのだ。
この布に包まれた「伝統的」な小包の姿。
インドである。
確かに手間はかかるが、テイラーに持って行けば廉価で包んでくれる。
エコロジカルといえば、エコロジカルである。
そもそも、こまごまとしたインテリア雑貨を置かず、比較的シンプル目の我が家であるが、このごろは、カシミールものが彩りを添えている。
先日の旅で買い求めたお気に入りの工芸品を、いつかご紹介したいと思いつつ、かれこれ1カ月。機会があれば、ご紹介したい。
毎週金曜のサロン・ド・ミューズも、相変わらずオープンしている。ようやく釣り竿数本と、たっぷりの魚介類が準備できたので、魚釣りセットは完了!
8月中旬の学校訪問ではもう、力一杯、遊べる。あと、バトンも数本できた。これは、バトントワラーなメンバーが学校訪問に同行してくれればノープロブレム。
折り紙は、大量にある千代紙などを「ユニット折り紙」にして、クリスマスのオーナメントとして販売できないか試作中。
千代紙で織り上がったものは、重厚感があって、とてもすてき。うまく展示すれば、買ってくれる人も少なからずいるのでは、と思われる。
ところで、これらは、なんでしょう? とMiPhone@Indiaにも載せたが、ここでも載せてみる。庭の大改装と書いているが、一部、増築である。
その部分にもちいるこれ。南インド風建築(ケララ界隈)の意匠を取り入れているのだ。完成した暁に、ここにもご紹介したい。
さてさて。今日はこれからデリーのロメイシュパパ&ウマ(義継母)が、デリーから遊びに来る。
明日から「プチ親孝行」として、アーユルヴェーダグラム滞在をプレゼントしたのだ。
ちなみに日本のわが母。2年前に膝のトリートメントを受けて以来、日本では「手術をするしかない」といわれていたのに、ほとんど、問題ないらしい。
こちらに来る前は、膝の水を抜いたり、ヒアルロン酸を打ったりと、あれこれやって、しかし膝がむくんで、見るからに痛そうだったにも関わらず。
調子が悪くなったら、またこちらに来てトリートメントを受ければいいよね、と言っていたのだが、効果が2年も維持していることが、うれしい驚きだ。
アーユルヴェーダについては、わがホームページにも記している。以下より、概要および体験レポートを見ていただける。
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