開くだろうか。上の写真は、我が家の庭の一隅。カシミールの湖上マーケットの花屋で買った睡蓮の種を植えた水盆だ。
芽が出るまでは殺風景な水面につき、庭の花々を浮かべる。
スリナガールの湖面に浮かぶ、あのレモン色の睡蓮。ここで咲いてくれると、うれしい。
【お祭りシーズンが訪れてをり。】
2012年も後半で、インドのお祭りシーズンがやってきた。これから、なんだかんだと祝祭が続き、各宗教、各コミュニティ、誰かがどこかでどんちゃん騒ぎ。
そうこうしているうちに、あっというまに2012年も終わるだろう。
【毎朝トレッドミルで汗を流しているけれど……】
毎朝、トレッドミルで早歩きを20~30分。iPhoneのポッドキャストでCNNやBBCニュースを聴きながら、英語の聞き取り勉強もできて一石二鳥である。
わたしは、汗をかきにくい体質なので、ヨガでは汗をかかないが、しかしこの有酸素運動は身体が温まり、毎朝、いい汗を流している。
そのあと、シャワーを浴び、朝食を食べ、爽やかな朝を迎えており、気分は非常にいい。
しかし、そうそう簡単に減量できるものではないのね。運動した分だけ食欲旺盛だから仕方がない。ともあれ、運動をすると身体が引き締まる気がして気分がよい。
これからも続けていこうと思う。
【1年ぶりに日本。夫は4年ぶりに。】
来月下旬から3週間ほど、日本へ帰国する。今回は途中で夫も合流。率直に言えば「一人で身軽に帰りたい」ところだが、まあ、いろいろある。
夫とは、日本で10日ほどを共に過ごす故、その前に用事をすませるべく、これから予定を調整だ。夫はどうにも、「紅葉を見たい」らしく、自分の予定を紅葉の時季ぴったりに合わせている。お見事だ。
彼は4年前、京都を訪れたとき、素晴らしい紅葉を見たことが忘れられないらしい。
わたしはと言えば、京都最終日の朝、ホテルのテレビで「ムンバイ同時多発テロ」の様子を見て、深い衝撃を受け、ど〜んと深みにはまり……。
京都全体の思い出が、記憶の底に封じ込められていたのだった。
メイドのプレシラの家が大変だ。プラシラの夫のアンソニーは、母親(75歳)がステージ4の胃がんだとわかって以来、激烈に落ち込んでいるらしい。
非常にしっかりした印象のハズバンドだったが、毎日、泣いているという。
ろくに食事もしないという。
「わたしは、彼と結婚して14年ですが、彼の涙を初めて見ました」
とのこと。
泣くくらいは許容範囲だが、「母親の死を見るくらいなら、自分が先に死にたい」といっているらしい。びっくりするほどのマザコンだったらしい。
看病その他は、嫁であるプレシラの負担が大きい。義姉たちはプレシラに雑事を押し付ける。夫はすっかり頼りない大黒柱となってしまい、プレシラが、なんとも気の毒だ。
世帯収入15,000ルピー程度の家庭で、医療費もかなりの負担である。
にもかかわらず、現在入院している母親が、「個室に移りたい」と主張しているらしい。現在は1日350ルピー。それが950ルピーになるらしい。入院が長引くことを考えると、どう考えても、捻出できる額ではない。
それでも夫は、母の願いを叶えたいというらしい。
彼らの財政は間違いなく破綻する。
プレシラには、万一の際には貧困層向けの、無料のホスピスなども紹介すると伝えているのだが、夫アンソニーが拒絶しているとのこと。明日からは抗がん剤治療が始まるという。
抗がん剤治療がどういうことなのか、よくわかっていないプレシラに、副作用のことなどを教えつつ……本当に、病は辛いものだ。
貧しい人たちにとってはもう、よりいっそうの試練。
【今日は「さくら会」のランチであった】
バンガロール在住の日本人女性による「さくら会」のランチに訪れた。わたしがバンガロールに来て以来、多分、倍以上に増えているメンバー。
最近は、若い駐在員も増えているようで、赤ちゃんや幼児の数も増えているように見受けられる。
ちなみに、バンガロールには、単身赴任の駐在員も少なくないようだ。もっとも「単身赴任」とは、非常に日本的な形態である。
各家庭、それぞれに事情があるだろうし、干渉すべきことではまったくないが、しかし敢えて個人的な意見を言うならば、インドのような国こそ、家族揃って赴任する方がいい。
その理由は枚挙に暇がない。ので、今日は枚挙しない。
この水盆も、庭の一隅。毎朝、庭に、ブーゲンビリアの花が散らばっている。隣家からせりだすインド菩提樹の枝に、ブーゲンビリアが絡み付き、花を咲かせているのだ。
その花が、風の日などは、日々、はらはらと舞い落ちてきて、庭を彩る。それらを拾い集めて、水盆に浮かべる。
【大学生たちが、来訪。母国の味が、効く!】
先週、レクチャーをした大学生たちが、拙宅へ遊びに来た。家全体が「インド」の我が家は、話のネタが満載なので、ライヴなプレゼンテーションをお楽しみいただける。
わずか2週間のバンガロール滞在。彼らはかなり一生懸命、視察の成果を出すべく、行動をしていることに感銘を受けた。
自分が大学生のときのことを思い返せば……、たいてい、おばかであった。な〜に考えてたんだろうなあ。と思う。
それはそうと、顔色の悪い男子が1名いたので、大丈夫かと尋ねたところ、お腹がくだり気味だという。
そこで、友人からお土産にもらっていた「自然派のしいたけ茶」を入れ、それに、やはり別の友人からもらっていた梅干しを入れて、
「これ、飲んでみ!」
と渡したところ……。飲んで数十分もたたないうちに、彼の顔には赤みが戻り、元気そうになっていることに驚いた。
恐るべし、若者の回復力!
薬よりもなによりも。やっぱり弱っている時には、「ソウルフード」ともいうべく、母国の飲食物が、心身を癒すのだなと目の当たりにした次第。
【スーパーモスキートを巡って。蚊パラダイスなバンガロール】
バンガロールの気候はいい。気候はいいが、年中、蚊が出るのが、実に忌々しい。以前は、出ない時期もあった気がするが、このごろは、ずっといる。
ハーバルな蚊取り線香や「ベープ風の」の蚊取りリキッドなどを常備している。寝る前の数時間はベッドルームにそれをつけて、あらかじめ駆除しておき、寝る時にスイッチを消す。
ところで今朝は早起きでFM熊本の収録だったのだが、爽やかな目覚めが望まれる朝に限って、その前夜、「スーパーモスキート」に襲撃される。
蚊取り線香やリキッドなどの一切に対しての抗体を持つ、不死身の蚊。その羽音がまた、うるさい。サイズも、普通の蚊より大きい。
とにかく、「プワワァァァ~ン」「プワワァァァ~ン」と、壮絶に忌々しい音をたてながら、我々の枕元を旋回する。
寝ぼけた夫が、羽音に反応して、力一杯、自分の頬を叩き、"Oh Shit!!"と叫ぶ声で目を覚まし、それからは、悪態をつきながら、蚊との戦いだ。
寝ぼけ眼で電気をつけ、ラケットを片手に中空を凝視。
ラケット?
そう。インドでよく見かけるこれ、蚊取りラケットなのだ。
ガットの部分が金属のワイヤになっていて、スイッチを押すと電流が流れる仕組み。
これを振り回して、蚊や蠅を一網打尽するという武器である。
我が家のこれは充電式だが、電池式も売られている。
これがなかなかに使える武器。獲物を捕らえた瞬間に、
「バチッ!」「バチッ!」
とかなり大きな音をたて、小さな火花が散る。
今まで、一つしかなく、せめて1階と2階、それぞれに常備しておかねばね、と話していたのだった。
さて、一昨日のこと、夫がいつものように、「おかえり〜」と言いながら帰宅。
いつものように「ただいま、でしょ!」と言いながら、上階から玄関フロアを見下ろせば、夫が華麗なフォームで、テニスの素振りをしている。
「ミホ! 新しい蚊取りラケットを買ったよ! 300ルピーだった」
「へえ。値上がりしたんだね。わたしが買った時は、確か200ルピーもしなかったと思うけど」
「ミホ、これは高品質なんだよ。まずね。ラケットの形が、本物のテニスのラケットに近いんだ」
形が洗練されている!
しかも、グリップが握りやすい!
握るとついつい、オートマティカリーに素振りをしたくなる!
「それだけじゃないんだよ。
これには秘密兵器がついているんだ」
ライトが装備されているではないか。
たとえば暗闇で、光で蚊をおびき寄せつつ、一撃を食らわせるという作戦も有効だ。
かくなる次第で、夕べのスーパーモスキートはこれで仕留めた。
……というしょうもない話を長々と書いてしまった。
さて、仕事仕事!!