【10月27日(土)から3週間余り、日本へ帰省。講演3本。】
今回の帰国は福岡が拠点。帰国時は遊びと仕事の両方が目的だが、今回は前半が主に仕事。なにしろ途中からマイハニーが合流するので、最初に仕事をすませておかねばならない。
福岡で2本の講演。そのうちのひとつは、福岡中小企業家同友会女性部の主催によるもの。10月31日(水)福岡市のTKP天神シティセンターで開催される。
会員以外の方も参加できるとのことなので、ご興味のある方、どうぞこちらのサイトをご覧いただければと思う。
『NYで起業、国際結婚、激変するインドでの現在』(←Click!)
こう書くと「つやつけとう(博多弁)」って感じやね。
まあ、それはそれ。てか、「国際結婚」について、わたしは何を語るのだろう。
前半に講演を終えて、その後、東京へ飛んで4泊。東京では、いつもお世話になっているクライアントにて、去年に引き続き2回目のレクチャー。去年よりもパワーアップしたプレゼンをするべく、現在準備中である。
夫は11月11日(日)に福岡入り。今日、無事にヴィザが取れた。滞在約10日間に対し、発給してもらえるヴィザはわずか2週間。
夫の日本入国に際してのヴィザ取得に関しては、過去に結構なトラウマを抱えてしまっているので、以来、取れるまでは、ピリッとする。
父が他界した時に、米国の日本大使館から受けた非礼を思い出すと、今でもたまらん。今までの人生で、あそこまで、会ったことのない他人に対して強い怒りを覚えたことはない。あれは多分、わが人生で最大級激怒だった。
そんな話はさておき、たとえそれが夫でも、わずか数日しか与えられない滞在の余白。これが現状。
ともあれ夫とは、今回は奈良辺りを観光しようと思っている。
温泉だ紅葉だ寿司だ刺身だ串カツだ焼き肉だと、夫の妄想は尽きず、旅行の前から胸焼けしそうだ。
【「天中殺?」と思える先週。破壊と再生の渦。】
基本、几帳面。スケジュール遵守どころか前倒しが常。時間に遅れない。きちんきちんと物事を進めたい。
やや神経質(だった)。かなり心配性(だった)。
そんなわたしが、なぜこうも世界観が絶望的に異なるインドで暮らしているのだろう。そしてどうして、伴侶がインド人なのだろう。
これはどういう宿命なのだろう。そんなことに想いを馳せずにはいられない今日この頃である。
日本帰国を数週間後に控え、数本の原稿執筆、リサーチ&レポートのまとめ、プレゼンの準備などを、なるたけ早めにすませようと思い、予定をたてていた。
しかし、先週からのわたしはといえば、「障害物の襲撃」ともいうべく思いがけない事態に見舞われ、すでに前倒しの余白が少なくなりつつある。
ここで焦っても仕方ない。と、気分転換にブログを書き始めた次第。実は首を寝違えて痛いというのに。
発端は水曜日の夜だった。
まず、ドライヴァーのアンソニーから電話。心臓が少し痛むので病院に行ったら、検査が必要だと言われたので、明日は休ませてくださいとのこと。
結果からいえば、それは単なる「胃にガスが溜まった」ことが原因の間抜けな誤診だったのだが、その件で、先週、一番予定が入っていた木曜日の足に支障が出た。
更に木曜の朝、プレシラから「今日は休ませてください」との連絡。義母の容態が悪いのだ。プレシラも、プレシラの夫も、そして本人も、ついには「ホスピスへ」の意思が固まっているのに、2人の義姉が反対しているという。
彼女たちが引き取るというので、そうするとのこと。この件でも、余計なお世話とは思いながら、プレシラの夫であるところのアンソニーと話をする。が、義姉二人は頑固らしい。
痛みに苛まれて苦しむ母親を安らかに眠らせることを拒む。もう、わたしの出る幕ではない。
そんなわけでドライヴァー、メイド不在。しかし、風呂場の抜本的配管工事の最中につき、家を出られない。
そもそも翌日木曜日は、友人のお別れ会のあと、取材へ出る予定だったが、外部のドライヴァーを使って遠出をしたくなかったので延期にした。
……と書き上げていると、なんといろいろ出てくることか。この日の都合をつけるために、あれこれあったのだが、話が長くなりすぎるので端折る。
で、木曜日の夜。
実は上階の住人が我々の工事に触発され、バルコニーの改装工事を始めたことはかつて記した。彼らとは、基本親しくしているのだが……問題行動が多い一家でもある。
まず、エアコンの室外機を、外につけやがった。これ、違反ですから。第一、醜い。庭の端で死角になっているとはいえ、リヴィングルームのすぐ外。
夫とも、これは苦情を言うレベルかどうか、相談していたのだった。ともあれ、工事は完了しておらず、我が家の庭に足場をつけたり外したりすること数回。
と、木曜の午後、別の壁面のグリル(防犯のための鉄のドア)の工事を始めた。規則の午後6時を過ぎても工事は終わらず、7時過ぎ。
暗闇の中で作業をしている彼らを見上げて、一瞬、いやな予感がした。
このときに、苦情の電話を入れるべきだった。しかし、わたしは夕餉の支度に取りかかってしまったのだった。
と、ド〜ン、ガシャ〜ンと激しい音が轟いた。
グリルが崩落。瓦が崩壊。
少しワインが入っていたわたしは、制御不能。即座にかかってきた内線に出るや、こみ上げて来る怒声を抑えられず。
ないわぁぁぁ〜。
瓦の割れ目から青空!
開放感、満点!
この様子は、少なからず精神的なダメージを与えてくれた。が、うれしいこともあったのだ。その日、日本の友人から「新米」が送られて来たのだ。
サロン・ド・ミューズを午後に控え、呑気にランチを食べている状況でもなかったが、こんなときこそ、母国飯。
鍋で炊くこと十分余り。
その間、卵を2つ割り、
くるくるだし巻き卵焼き、
いただきものの梅干し取り出し、
いただきものの紫蘇味噌取り出し、
味噌汁を作っている余裕はさすがになく、しかし、それなりに日本の食卓。
「心頭滅却飯!」と命名し、禅な気分での昼食だった。
この日、サロン・ド・ミューズだったのは幸いだった。友人らに惨事を説明し、惨状を見せることで、少し気分が晴れた。
いや、人に話して気分を晴らしている場合じゃないかもしれん。
しかし、インドで起こることは、憤って然るべきことなのに、あまりにもあんまりすぎて、最早、笑うしかない。という事態が多々あるのが事実。
そんな次第で、金曜のわたしはいつもにまして、妙なテンションだったような気がする。
瓦崩壊事件の最中、作られていたところのバナナケーキ&杏仁豆腐も賑やかに。気分転換あってこそのインド生活。
ちなみに、瓦は土曜日にすべて工事が完了。修理代はもちろん、上階の住人に払ってもらう。ここでもまた笑える一悶着があったが、話が終わらんので割愛。
インドでは、あらゆるモノが壊れる。そして常に、何かが、修理を必要とされている。その事態をして、これは人々が仕事を失わないためのサイクルなのだ、とインド移住後2、3年後から「達観」するよう努めて来た。
たとえ、その不具合が人の命に関わるようなことであったとしても。形あるもの、いつかは壊れる。
そんな話をしているとき、インドの神様に詳しい友人が言った。
「創造と破壊の神様、シヴァ神の国ですからね」と。
その瞬間、わたしは心中で、思い切り膝を打った。そして次の瞬間、更に一段階、インドの深みにはまった自分を自覚した。
そうなのだ。すべてはそういうことなのだ。
もう、我が家のシンボルは象の頭のガネイシャじゃなくて、お父さんのシヴァにしようとさえ思った。ちなみにシヴァ神にはさまざまな名前、姿がある。詳細は、各自、お調べいただきたい。
シヴァのシンボルの一つであるリンガ(男根)だけは、自宅で崇めるには抵抗があるので、マハーカーラ(日本の大黒天)、あるいはマヘーシュヴァラ(大自在天)あたりを崇めるべきか。
バンガロールには、巨大なシヴァの像があるのだが、まだ行ったことがない。一番上の写真がそれである。
これを機に参拝しようかしらん。
シヴァのマントラであるところの
Om Namah Shivaya
を唱えようかしらん。ちなみにこのマントラ、我が家にもCDがある。
ニューヨークに住むアルヴィンドの親戚のチャンドリカ(ペプシコCEOのインディラ・ヌーイのお姉さん)が、数年前にグラミー賞にノミネートされたのが、このマントラだった。
●天は二物を与える。チャンドリカ叔母、グラミー賞ノミネート!(←Click!)
アルヴィンドが一時期、毎朝ヨガのときに聞いていた。
Om Namah Shivaya……を延々と繰り返すばかりのCD。
正直、「いらっ」とさせられてしまう繰り返しだったが、マントラとは、破壊と創造とは、延々と輪廻するものなのだ。聴き唱えるのも人生か。
と、そんな話はさておき、土曜日は瓦の工事。意外にあっさり完了した。
そして上階住人とエアコン室外機の有り様についての相談。夫婦揃ってグリルの落下について詫びてくれた。
しかしご主人が「あれは、不運だった」という言い方をするので、またカチ〜ンと来て「不運じゃなくて、ありゃ、人為的なミスでしょ! 暗闇で仕事させて」とシャウトしそうになったが我慢した。
グリルの件がなければ、そのままにされていたかもしれない室外機問題。何でもかんでもすぐに老朽化して壊れるこの国にあって、この室外機とて、いつ落下して来るかわからんと主張した。
室外機を2つも出しているのね。
ちなみに我が家は1階で、天井が高いことから、冷房なしでも涼しい。
しかし、同じ場所でも上階は、結構暑くなるのだ。
だからといって、このはみ出しぶりはいただけない。
ちなみに、外出時や就寝時は、我が家のドアもこのような「牢獄状」となる。
周辺状況からして99%安全な我が家の庭であるが、念のための防犯対策だ。
延々と協議した結果、室外機の下に、屋根を取り付けることにした。それによって少なくとも、景観は保たれる。
わたしたちにとっても、それは悪くない提案だ。が、その屋根自体が落下して来たらどうする。などということを、ここでは問うまい。
今朝、目を覚ますなり、右肩と首筋に、痛みが走った。久しぶりに寝違えたようだ。が、いつもよりは重症の気がする。
週末、ちょっと根を詰めてコンピュータに向かいすぎていた。数年に一度、それが原因で同じ症状を起こしているので、数十分おきには離れて身体を伸ばしたりしているのだが、夕べはついつい集中しすぎた。
集中すると、息を詰める、瞬きを忘れる、といった事態も伴い、どうにもいかんのだ。
わかっていて、なぜまた繰り返すよ自分! と思いつつ、あいたたたと言いながら起き上がった矢先。メイドのプレシラから電話。
「マダム……義母が亡くなりました」
受話器の向こうで、プレシラが泣いている。義姉に引き取られて3日足らず。お亡くなりになったそうだ。お悔やみの言葉を述べつつも、気持ちは巡る。
結局、ホスピスへは入らないまま。痛みに苛まれながら亡くなられたことを思うと胸が迫るが、しかし義姉たちは、自分たちのそばで看取りたかったのであろう。
「木曜日には、行きますから。3日間、休みます」
電話を切って、ふと気づく。彼女が来ないということは、当たり前だが掃除洗濯わが仕事。よりによって、数年に一度の「首肩の筋を違えた!」の朝に。
またしても、試練な感じの週明けだ。
実は風呂場工事以外にも、内装の修理その他をちょこちょことやっており、未だ大工衆が出入りしている我が家である。
風呂工事の壮絶な感じを映した写真を公開したいところだが、今、それをやる精神的な余裕がない。瓦写真公開でいっぱいいっぱいだ。
ちなみに夕方、アーユルヴェーダの診療所に行き、新しい女性のドクターに診てもらい、世間話などをしたあと、治療をしてもらったのだった。
ところで今朝、首の筋を違えたあとに患部をハーブの入ったヒートパット(インドもの)で温めつつネットでサーチしたら、「寝違えは冷やすべし」の情報が多いのに気づいた。
慌てて今度は氷をタオルに巻いて冷やしたのだが……。
アーユルヴェーダのドクター曰く
「絶対冷やしちゃダメ!」
とのこと。ちなみに治療は温かいオイルマッサージと、薬草入りの温かいバンドル(タンポのようなもの)で患部をトントン叩く治療を施された。
温めたり冷やしたり温めたり! なんかもう、何もかもが渦巻き過ぎ!
トリートメントを受けて、別に小康状態になったわけでもないのだが、なんだか「気持ちが」落ち着いて、やめときゃいいのに、こんな「一気書き」をしてしまった。
さ、そろそろ夕飯の準備。
ちなみに診療所へは5回ほど通う予定。うっかりすると根を詰める自分の心身を緩ませる意味でも、大切な時間だと思うことにしよう。
いつも思っていることだが、身体の声に耳を傾けて暮らさねば。と痛感している。
ここ1週間の出来事の一部をさらっと書くつもりが、ごく一部を描写するだけで、なんとまあ延々と長いことよ。
それにつけても、破壊と創造のインド。
我が家も破壊者(夫)と創造者というか掃除者(妻)という構成だものね。
ミューズ・クリエイション。創造。インドの破壊パワーに負けないように、クリエイション、がんばろう。