昨年の12月、ジャイプル、ジャイサルメール、そしてジョードプルと、ラジャスターン州の三都市を旅した。久しぶりに「旅行らしい旅行」に心身がリフレッシュした、いい旅だった。
その旅からまだ2カ月と置かず、再び、ジョードプルへ。毎年2月に開催される音楽祭、"World Sacred Spirit Festival Jodhpur 2018" に赴くのが目的だった。
12月の旅の最中にこの情報を知った夫から、2月も来ようと持ちかけられた。格別に気に入った街ではあったが、2カ月後とはあまりにも近すぎると思ったものの、プログラムを見ると非常に興味深い内容であることから、再訪を決めたのだった。
ジョードプールヘは、バンガロールからムンバイ経由のフライト。飛行時間は1時間半程度ずつだが、ムンバイ空港での待ち時間があることから、4時間弱を要する。
タール砂漠の入り口に位置するジョードプルは、パキスタンとの国境に近い。小さな空港は、しかし空軍の拠点でもある。
ホテルへチェックインしたあと、わたしはひとり街に出て、バザールなどを探訪することにした。
南インドのバンガロールの光景と比べれば、別の国かと思うような雰囲気を漂わせてもいる。
喧騒のバザールを散策した後、前回の旅で購入した「ヤクの毛のブランケット」を追加で購入すべく、いくつかのテキスタイルショップへ。友人にも頼まれていたのに加え、自分でも予備を購入しておきたかったのだ。
パシュミナのストール。上品な刺繍に心奪われる。他の店も見て回り、最終日に再訪しようと思っていたが、思いがけず別の予定が入ってしまって来ることができなかった。このとき、思い切って買っておくべきだったと、写真を見て小さく後悔……。
刺繍、ミラーワーク、パッチワーク……。遥か昔から、ラジャスタンの女性たちが育んできた、伝統的なテキスタイルが次々に。
布の海に溺れつつ、しかし最終日は買い物をするつもりだったことから、店主には「また来ます」といって、別れを告げたのだった。
取り敢えず、頼まれていたヤクのブランケットだけは先に買っておこうと、前回訪れた店へ足を運ぶ。このときに買っておいてよかった。結果的には、このバザールへ再訪できなかったのだから。
前回、2枚購入し、1枚は日本の母に送ったのだが、今年の冬は格別に寒かったがゆえ、暖かさに重宝したようだ。ストールとブランケットの間のような存在感ゆえ、ひざ掛けなどにもちょうどいい。
ホテルへの帰路、ドライヴァーがお勧めの店に立ち寄り、再びテキスタイル鑑賞。どの店も、同じような技法の、同じようなベッドカヴァーを、ジャ〜ンと広げて見せてくれる。
そしてどの店でも「これはKENZOから発注されたものだ」とか、「アルマーニに卸した商品だ」とかいうものがあり、「写真撮影はさせられない」ともったいつけられるのだ。ちなみに、それらの商品には、個人的には全くそそられないのだった。
結果的には、ヤクのブランケットと、カジュアルなパシュミナのストールを2枚購入したにとどまる、今回のジョードプル旅ショッピングなのであった。