夜、軽い夕食を取ろうと、祇園にあるホテルを出て花見小路通りを歩く。何気なく見つけたおばんざいの店に入った。10名も入ればいっぱいになるカウンター席だけの小さな店。すると直後、お座敷帰りだという芸妓さんが立ち寄られた。
せっかくなので、彼女にビールを勧め、いろいろとお話を聞く。熊本出身の彼女は16歳で舞妓になり、その後、芸妓になって、この道10年だという。台湾など海外へ出張することもあるとのこと。
彼女の着物は京友禅。古いものを譲り受けたとのことだが、縮緬の地模様が繊細で麗しく、色合いも渋みがあってすてきだ。夫は、お酌をしていただき、写真撮影もして、上機嫌。実にラッキーなことだった。パンデミックも契機となり、芸妓さんの数はかなり減っているとのこと。
心ばかりのご祝儀を渡して、店をあとにした。帰路でも、路地を足早に歩く芸妓さんとすれ違う。独特の強いオーラを放ちながら歩く彼女たちの、存在感の強いこと! すれ違うたび、着物をじっくり拝見したいと思わされる。
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