10日前の旅の記録を、ようやく完了。日々、記しておきたい出来事があふれるインドの日常。溢れかえってオーヴァーフロー。1日2000文字程度で収まるわけもなく、毎日綴っても断片だ。このごろのわたしは、古代遺跡や寺院などへの関心が強まっている。ゆえに、間が空いてしまったが、この記録は残しておきたい。
2泊3日のリゾート滞在を終え、わたしたちは2台の車に分かれてバンガロールへ戻ることにした。急いで戻る必要があるメンバーは他の1台に、わたしは別の寺院へ立ち寄るというArchanaの車に乗せてもらった。
目的地は、リゾートのあるSakleshpurからさらに南西へ車で2時間ほどの場所にある。西ガーツ山脈の懐にあるクッケ・スブラマーニャ寺院 (Kukke Shree Subrahmanya Templ)だ。バンガロールとは反対方向だが、せっかくの機会。腰痛があるので、長距離ドライヴは控えるべきかとの思いも脳裏を過ぎったが、①Archanaの車はファーストクラスの如き快適さ ②ドライヴァーの運転が上手 ③昨今のインドの道路事情はかなり向上している……という3点において問題ないと考え、同行させてもらったのだった。
結果、これもまた稀有な経験だった。ちなみに、この旅のあと、腰痛はかなり軽減している。4つもの寺院を巡ったご利益か、素足で温まった石を歩きパワーを享受したおかげか、とにかくここ数カ月の間で最も調子がよい。ありがたい。
地図を見れば、海に面した街、マンガロールがすぐそばだ。デカン高原の西側、海岸線に沿うように、南北およそ1,600kmに渡って伸びるこの西ガーツ山脈も、2012年にユネスコ世界遺産に指定されている。標高約1,000〜2,690mの山々が連なるこの周辺は、地球上で8つの「生物多様性ホットスポット」の1つだとのこと。絶滅危惧種の動植物がが少なくとも325種生息しているらしい。あまりにもダイナミックすぎてよくわからない。
そんな広大な西ガーツ山脈の一隅に横たわる山道を通過して、クッケ・スブラマーニャ寺院へ。Archanaの家族、そして夫の家族にとっても、ここは先祖代々祀っている菩提寺のような存在で、Archanaは子供のころから毎年訪れているという。多くの巡礼者がひしめき合って参拝する中、彼女をよく知る僧侶の案内で、安全にご本尊の近くまで導いていただく。薄暗い祠の中に浮かび上がる黄金色の御神体。灯火の光を受けて、夢のように幻想的だ。
人々の喧騒も、マントラの唱和も、鐘の音も、すべてが夢心地に渦巻く。
今回の旅。Archanaのおかげで、短時間ながらも3つの寺院を堪能することができた。本当にありがとう。
🇮🇳インドの多様性を映す、各地の伝統衣装に身を包んだ母と子の姿
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