◉昨日は、コマーシャル・ストリート界隈でミーティングを終えたあと、MG(マハトマ・ガンディ)ロードにある行きつけの眼鏡店へ仕上がった眼鏡やコンタクトレンズを受け取りに行った。この界隈の変化もまた著しい。米国在住時の2003年に初めてバンガロールを訪れたときの旅記録を遡ると、当時のMGロードの写真が出てくる。最後の写真がそれだ。まだメトロも開通しておらず、喧騒に満ちていたはずが、長閑な情景に見える。
◉MGロードの南、並行して東西に横たわるチャーチ・ストリートを西へ歩き、ミュージアム・ロードと交差するあたりに数年前誕生した商業ビルディング「1 SOBHA」へ。目指すは、ここにあるケララ料理店だ。実は先日、アーユルヴェーダ診療所を訪れた際、主治医から、彼の故郷であるケララ州カリカット(現コーリコード)の老舗名店「PARAGON」を勧められていたのだ。
以前、一度だけ、日本人女性のグループ「さくら会」のランチで訪れたことがあったが、そのときは、周囲の人たちとの会話に集中していたこともあり、確かに料理がおいしかったものの、吟味できていなかった。もしも「ミールス」(南インド料理における定食。ちなみに北インドは「ターリー」と呼ばれる)があれば、一人でも楽しめると思い、エントランスで尋ねたところ、あるという。ヴェジタリアンとフィッシュの2種類。わたしは迷わずフィッシュを選択した。
◉カリカットは、アラビア海に面した港町で、古くはスパイスや綿織物などの交易で栄えていた。インド産の平織りの綿布をして、キャラコ、あるいはキャリコ(calico)と呼ばれるが、この地名カリカットに由来する。
◉1939年に創業したPARAGONは、マラバール地方特有の料理に、アラブ料理のエッセンスを加えた独特のメニューが魅力だという。フィッシュミールスのほかに、PACHA MANGA JUICEも注文。スパイシーなロウ・マンゴーのジュースで、夏場におすすめのヘルシーなドリンクだという。スパイスの風味が豊かだが辛くはなく、とてもおいしい。南インドはまた「米」が豊かで、実にさまざまな種類のお米が食されるが、ケララ州にしても然り。丸みのある粒のMatta Riceも一般的で、少し赤みがかっていることからレッドライスとも呼ばれる。ご飯の量が多すぎやしませんか? と思われそうだが、日本米のような粘りや重量感がなくサラッとしているので、軽く食べ尽くせる。
どの料理も丁寧に作られている味わいで、とてもおいしかった。が、次回は複数名で訪れ、何種類かの料理をシェアしたいと思った。
◉ランチのあと、階下のフードコートを探索。おしゃれな風情にまたしても、時の流れを実感する。そして最も込み合っている店舗を見て感じ入る。というのもこの店、わたしが初めてバンガロールを訪れたときに、オートリクショーのドライヴァーに勧められて訪れたローカル食堂、SAMRATの店舗だったからだ。わたしがインドで初めて、おいしいドーサを食べたのもこの店だった。以来、幾度となく、訪れてきた。当時の旅記録を見てみれば、ちょうど20年前の6日後のことだ。今の内装よりも、この頃の方が風情があったな……などと懐かしく思われる。
◉ところで先日から、どうも看板のカンナダ語が巨大化している気がしてならない。調べてみたところ、今年に入って条例が強化され、「カンナダ語60%表示」が義務付けられている模様。なるほど、英語の看板が撤去されたままのところがあったのは、入れ替えが間に合っていない店だったというわけだ。ローカル言語や文化を重んじることに異論はないが、どうにも極端な気がしないでもない。看板業者を繁盛させている気がしないでもない。
🥎毎日毎日、書きたいことは尽きない。キャッチャーがいないのに、投げまくるピッチャーのようだと思うこともある。しかし、わたしの気づかないところで、静かにそっと、球を拾ってくれている人もあるだろう。なにより、綴ることは自分の記憶を整理し、脳みそを活性化し、ライフを調えるのに役に立つ。継続は力なり。ところでバンガロールの都市の背景、以下のサイトに簡単にまとめている。バンガロール在住の方は、ぜひお読みいただければと思う。
🇮🇳知れば楽しい。バンガロールは、こんな都市(バンガロール・ガイドブック)
http://www.museindia.info/museindia/bangalore-background.html
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