インドネシア旅を終えて、今からバンガロールへ帰る。空港でフライトを待ちながら、コーヒーを飲みつつ、色濃い7泊8日を反芻する。
昨日は、リゾートを離れてウブドを観光することにしていた。行きたい場所はいくつかあった。たとえばウブド中心部にあるサラスワティ寺院やテキスタイルショップなど。しかし、そこに32年前の面影はなく。人々で溢れかえる賑やかな繁華街が延々と続く。あまりの人混みに言葉を失う。想像以上の、街の変貌ぶりに圧倒される。
敬虔な空気に浸るには困難な街中を避けて、ウブド北部の山あいにある寺院を目指す。急勾配の山道も、夫が手配してくれていた女性ドライヴァーの穏やかな運転で、安心できた。
やがて市街から30分ほどの場所にあるパワースポット、ティルタ・ウンプルに到着。
かつてインドラ神がこの泉を湧き出させ、他の神々を生き返らせたという伝承が残る場所。
山から湧き出てくる水を眺め、そのあと、沐浴用の布、サルーン(サロン)を借りて身にまとい、水に入る。いくつもの「蛇口」が並ぶ中、神様用のものもあるため、人間用の11カ所で水を受ける。作法を教わり、顔や頭を清める。
バリは今、一年で最も涼しい時期で、水は冷たい。その冷たさが、心地よい。
このような場所で清めていただけるご縁があろうとは。有り難さに感謝しながら、心身の諸々をざぶざぶと洗い流す。
ドライヴァーが撮影してくれた写真。聖水に洗い流されすぎて、麻呂状態。普段なら決して人目に晒せない、見苦しい姿だが、なぜかこの状況は、許される気がする。
バリ島の清らかな自然の力が、そこにも届きますように。
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